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大人のための英文法(26/31)

はじめに

 グローバル人材になるならば英語くらいはできなければ、とよく言われる。だったら、一流の、本当の英語を学びたいと個人的に思っている。ということで、本当の「大人のための英語」として英文法を学んでいく。ここではそのメモを書いていきたい。
 参考図書として

を読んでいく。今日は第32,33章を扱う。

32. 時制の照応

32.1 時制の照応

 間接話法その他で、主節の動詞が過去時制である場合に従属節の動詞も時制が調整される現象を時制の照応(一致)という。時制の照応は原則として以下のルールに従う:

  (a)主節が現在時制の場合 時制の照応は生じない。
  (b)主節が過去時制の場合 従属節の動詞の時制が過去系列の時制に後転移する。ただし直接話法の過去時制は、文脈から時間の前後関係が明瞭な場合には過去のままでもよい。

時制の照応による従属節時制の後転移は以下の3つのタイプがある:

  (1) present past
  (2) past past/past perfect
  (3) present perfect

past perfect
past perfect
  E.g. (i) a. He says, “I feel ill.”
  b. He said that he felt ill.
  (ii) a. They say, “we are losing.”
  b. They said that they were losing.
  (iii) a. He says, “I haven’t finished.”
  b. He said that he hadn’t finished.
  (iv) a. Ann says, “I have been crying.”
  b. Ann said that sha had been crying.
  (v) a. He says, “I will have finished by noon.”
  b. He said that he would have finished by noon.

32.2 時制の照応が生じない場合

 主節の動詞が過去時制であっても以下のルールを満たす場合、時制の照応が生じない場合がある。

  (a) 発話時を基準時として従属節の時制が選ばれる場合は時制の照応が生じない*1
  (b) 話し手が従属節の命題内容が発話時においても真であると前提視している場合には時制の照応が生じない*2

32.3 A動詞とB動詞の区別

 Costa(1972)*3によれば、主節の動詞の種類に応じて時制の照応を義務的に要求するものと随意的に要求するものがある。ただし義務的に分類されたthinkなどで照応しない事例もあるので、目安として判断する。

  (a)随意的 forget, mention regret, realize, discover, show, notice, is amazed, is concerned, say, report
  (b)義務的 know, is aware, think, believe, imagine, figure, dream, wish, hope, assert, allege, insist, quip, snort, whisper, seem, is likely, is possible, is unfortunate, is a fact, is true

32.4 時制の照応と副詞節

 時の副詞節では時制の照応が起こっている場合と、単純な時点の問題が生じている場合の2つがある。目的節では時制の照応が厳密に守られる。比較節では守られないのが普通である。

32.5 時制の照応と形容詞節

 形容詞節は主節の動詞に統語的に支配され補文になることがないため、時制の照応はまず起こらず、単純に言及する内容と発話時点との時間的関係性とで時制が決まる。

33. 直接話法と間接話法

 言葉や思想を相手に伝えるには3つ(4つ)の方法がある:

   (a)直接話法 言葉や思想をそのまま相手に伝える方法。
   (b)間接話法 言葉や思想の趣旨を話し手の言葉に直して伝える方法。
   (c)描出話法(自由間接話法) 被伝達節のみが独立して地の文に投げ込まれている形式。
   (d)混合話法 (a),(b)が混合したもの。
  E.g. John said, "I want to go to home."
  E.g. John said that I wanted to go to home.

上記の例でJohn saidに相当する部分を伝達節、saidを伝達動詞、伝達される分を被伝達節という。

33.1 直接話法

33.1.1 伝達節

 伝達節は、被伝達節の前後いずれにも置かれる。被伝達節が長い場合には、中間に置かれる場合もある。書き言葉では、時折伝達節の主語名詞が倒置される。特に動詞が単純現在または単純過去で、主語が名詞句の場合は倒置が生じる場合がある(ただし伝達動詞の主語が代名詞の場合、倒置は古風)。

  E.g. ‘I wonder’, John said ‘whether I can borrow your bicycle.’
33.1.2 引用符

 英では’’であり、二重引用符は’ ”...” ’。米では逆になる。

33.1.3 伝達動詞の一覧

 最頻用はsayである。

   a. say, add, comment, admit, conclude, observe, announce,

confess, state, answer, promise, cry (out), argue,

declare, protest, assert, exclaim, explain, remark, warn,

beg, insist, boast, maintain, reply, wonder, claim, write, report, …
   b.主に命令文 order, argue, …
   c.主に疑問文 ask, inquire, …
   d.思考動詞 think, recall, realize, recognize, suppose, …
   e.発話様態動詞 falter, mumble, murmur, mutter, snap, sneer, sigh, sob, whisper, …

33.2 間接話法

 直接話法を間接話法に変換する場合、直示的な特徴が変化する場合がある:

  (a)動詞の時制形式
  (b)時間の副詞語句
  (c)場所の副詞語句
  (d)人称代名詞
  (e)指示代名詞
33.2.1 代名詞・副詞語句の変更

 指示代名詞・人称代名詞や場所・時間の副詞語句は場面に依存するため、適当に変える必要がある。

 
直接話法
 ⇒ 
間接話法
  this/that  ⇒  that/those
  here  ⇒  there
  now  ⇒  then
  today  ⇒  that day
  tonight  ⇒  that night
  tomorrow  ⇒  the next/following day
  yesterday  ⇒  the day before, the previous day
  this week/month  ⇒  that week/month
  last week/month  ⇒  the week/month before, the previous week/month
  next week/month  ⇒  the following week/month
  a week/month ago  ⇒  a week/month before
  long ago  ⇒  long before
33.2.2 間接話法への変換方式例
  (a)平叙文 ・伝達動詞がsay toの場合、tellに変える。sayまたは他の動詞の場合は変えない。

・被伝達分をthat節に変える

・被伝達文中の時制・人称代名詞・指示代名詞・時と場所の副詞語句を話し手の視点から見て適当なものに変える。
  (b)yes/no疑問文 ・被伝達節をif/whetherを用いてつなぐ

・被伝達節を間接疑問文に変える。
  (c)wh疑問文 ・伝達動詞をaskに変える*4

・被伝達分を間接疑問文に変える。
  (d)肯定命令文 ・伝達動詞を命令の意味を持つtell, orderなどに変える*5

・被伝達節中の命令形をto不定詞に変える*6
  (e)否定命令文 ・伝達動詞を命令の意味を持つtellに変える。

・被伝達節中の命令形をnot + to不定詞に変える。
  (e)感嘆文 ・what, howで始まる感嘆文はそれらを補文標識とする。

33.3 混合話法

 直接話法と間接話法が混合したものを混合話法という。以下の類型のうち、現在英語ではAは少数派でB,Cが多い:

   ①A型 被伝達節が引用符に囲まれていることを除きすべて

間接話法の特徴を有するもの。

 E.g. He said that “his father was seriously ill.”
   ②B型 語順は直接話法のままだが、引用符には囲まれず、時制・

人称の変化が起こっているもの。

 E.g. And little Sunshine ... indicated, with a tilt of his head,

   that yes, the charm would be made.
   ③C型 引用符なしの直接話法。

 E.g. She asked him why did he not write out his thoughts.

33.4 重文・複文などの間接話法

33.4.1 2つの平叙文

 接続詞がand, butの場合はその次に補文標識のthatを繰り返して文脈を明らかにする。ただし最初のthatは省略されることがある。for, soの場合それらをつなぎ後として使用し、thatは繰り返さない。

   E.g. He said, “My father has gone out, but my mother is at home.”
      He said (that) his father had gone out, but that his mother was at home.
   E.g. She said, “I listened eagerly, for he brought news of my son.”
      She said that she listened eagerly, for he had brought news of her son.
33.4.2 yes/no疑問文+等位接続詞+yes/no疑問文

 if/whetherを繰り返す。

33.4.3 wh疑問文+等位接続詞+wh疑問文

 疑問詞を繰り返す。

33.4.4 被伝達節が複文の場合

 普通、時制の照応が生じる。

33.5 描出話法

 登場人物の言葉や思想を地の文に投げ出された形で表現する方法を描出話法(自由間接話法)という。通常、自然に使えるようにするために“お膳立て”になるようなことばが事前に発せられる。まだ現代の小説では自由直接話法とでも呼ぶべき直接話法の一種の存在が報告されている。

  E.g. We soothed and comforted her by such words we could find. Did she know where her husband was? Was it possible that we could bring him back to her?
    A divorce! The word was paralysing. She would pass out of his life, and he would never see her again!
  E.g. I sat on the grass starting at the passers-by. Everybody seemed in a hurry. Why can't I have something to rush to?

*1:主節の伝達動詞の示す時を基準時として従属節の時制が選ばれる場合は時制の照応が生じる。

*2:学校文法でいうところの、普遍的な真理や現在も変わらぬ事態を伝達する場合のこと。

*3:Costa, R.(1972) "Sequences of Tenses in That-clause," CLS 8, 41-51

*4:ほかにwondered, wanted to knowが用いられる。

*5:ask, advise, invite, urgeも用いられ得る

*6:※説得のdoにはurgeを利用可能である。E.g. “Do have a cup of coffee,” she said to me. She urged me to have a cup of tea.

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