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今日のまとめ
6. 1変数関数の積分
6.3 部分積分と置換積分
積分を計算するに当たり、原始関数を見つけるために積分を変形する方法を取り扱う。
( の両辺をからまで積分すれば前者の式を得る。またこの関係式の原始関数を求めれば後者の式を得る。 )( およびとおく。であるから合成関数をについて微分するとを得る。この式をについてからまで積分することで
と前者の式が得られる。後者の式は合成関数の微分式の原始関数を求め、とおけばよい。 )
6.4 有利関数の積分と応用
多項式の商の形で表現できる関数を有利関数という。
多項式は分子の多項式の次数が分母のそれよりも小さくない場合は、それらの商がという形に展開できることから、分子の次数は分母の次数よりも小さいものとする。また多項式の係数は実数だとする。
実係数の多項式は実数の範囲では次式および次式の積に因数分解できる。したがって積分を求める場合の最初の手順はを次式および次式の積に因数分解することから始まる。
次にを部分分数展開する。
その後は以下などを活用して計算する:
である。またの形の因子を分母に含む積分において、とおいて
となるから、として
であり、更には部分積分により
が成り立つ。したがってが得られ、漸化式
を得る。なお、
である(積分定数は省略した。)。