8. 多変数関数の積分
8.3 一般の有界集合上での二重積分
( とおくと、である。をで定義する。の不連続点の集合をとすると
である。
連続関数のグラフの面積がであることから、の面積もである。したがってこれらに含まれる集合の面積もである。したがっては上で二重積分可能であり。ここからはで二重積分可能である )
以上がの有界集合の面積の定義である。
( とおく。の不連続点の集合はであるからの面積がならばで二重積分可能となるから、は面積をもつ。逆にが二重積分可能であるならば、に対してのある分割があり、
とできる。いまとおく。このときであるから、である。したがっての面積はの面積に等しい。とすると、
が成り立ち、そのようなに対してである。したがって
が成り立つ。このためこのような全体をと書けばである。一方で
であったから、
である。以上からの面積はである。 )
8.4 広義分割での積分の定義
分割を面積の確定した一般的な図形で分割することを考える。
を長方形の部分集合で面積が確定しているものとし、
を満たすものとする。ここでをの内部と呼ぶ。
とおき、
とおく(このをの直径と呼ぶ。)。このようなをの広義分割と呼び、このような広義分割全体をとする。
これに対して座標軸に平行な長方形による分割の全体をとおく。に対して
とおくと、過去の議論と同様に考えることで以下が分かる:
ここではの中の領域を更に広義分割したものがであることを意味する。
いまであるから、
が成り立つ。
二重積分可能ならば
であることから、したがって
を得る。逆にこれが成り立つならば、過去に行った議論と同様に考えることで
を得る。特にであるから、は二重積分可能である。
またこのとき
がの取り方に依存せずに成立する。特にが二重積分可能であるならば、
であるから、
である。こうして