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今日のまとめ
6. 1変数関数の積分
6.1 定積分
Riemannによる積分の定義を述べる。
区間で定義された有界な関数
を考える。区間
の分割
を考え
とおく。ここで次のような和
を定義する。このときが成り立つ。
ここで区間の2つの分割
が与えられたとき、
の分点の集合が
の分点の集合に含まれるとき、
と表す。このとき、
は次の性質を持つ:
またの任意の分割
について
である。
実際分割の分点の集合を
とし、区間
のなかに分割
の分点
が加わるとする。このとき
が成り立つ。したがって
が得られ、は分割
に分点が加わるごとに減少することが分かる。したがって
が成り立つ。
も同様にして得られる。
2つ目もの分点の集合に
の分点の集合を加え、新しく分割
を考えると、
が成り立つ。したがって
が成り立つ。これらの性質から区間のあらゆる分割
を考えたとき、
はそれぞれ下限、上限をもち
とおけばとなる。
定義:積分 区間
を考え
とおく。ここで次のような和
を定義する。さらに
とおく。
が成立するとき、関数
は
で(Riemann)積分可能であるといい、
を
の
における定積分と呼び
関数が区間
で積分可能であるとき分割
について
ならば
が成立するから
が得られる。したがってであるから、
とおけば
となると予想される。
(を満たすようなの分割
が存在する。
とすれば
は
の細分となるから、
が得られる。
(ii)(iii).
に対して仮定より
が存在する。
が
個の分点により
個の小区間に分割されているとするとき、
を満たすように
を取る。ここで
とする。
を
を満たすような分割とし、
とすると
である。ここで
であるが、
および
の差は
の分点により生じる点に留意する。
の小区間
に
の分点
が1個加わるとする。
とすると、
の
における差分は
で評価される。に加わる分点の個数が
個以上になっても
の
における差分は
以下である。このような変化が生じる小区間の個数は高々
個であるから
を得る。同様の議論からも得られる。したがって
が成立する。
(iii)(i). 仮定より
となるようなすべての分割
に対して
が成立する。ここからが得られるが、
は任意の正数だったから
であり、
は可積分である。
(iii)(iv).
に対し
を満たすような
について(iii)が成り立つとする。このとき(i)も成り立つから、
とおくと
となる。一方で
で定義されるは
を満たすから、
となり、が得られる。
(iv)(iii).
が成り立つようにできる。各を
で動かして上限を取ることで、
が得られる。ここでとする。
同様にを
上で動かして下限を取れば
とおいて
が得られる。
以上から
が成立し(iii)が得られる。 )