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今日のまとめ
5. 1変数関数の微分
5.5 凸関数
においてが凸関数のとき、はにおける凹関数(もしくはは上に凸である)という。
とおく。このときで
となる。仮定より
が成り立つ。ここから
を得る。
逆にについて
が成り立つと仮定する。いまおよびに対しはを満たすから、仮定より
が成り立つ。これにより
が成り立ち、これはが凸関数であることに他ならない。 )
が2回微分可能な場合に関数の凹凸を判定できることを示す。
( はにおいて凸関数だとする。に対してに対して
である。とすることで
を得る。同様にとすることで
を得る。したがってである。以上からはで単調増加である。したがって上でである。逆に上でとする。このときは上で単調増加である。に対して平均値の定理より
が成り立つ。であるからの単調性から
が得られる。これはが凸関数であることに等しい。 )
5.6 不定形の極限
のときとする。このとき極限を形の不定形の極限という。同様にのときとする。このとき極限を形の不定形の極限という。さらにのときのとき極限は-形の不定形と呼ぶ。
これらを求める際に有用な定理を紹介する。
de L'Hopitalの定理(i)の近傍に定義されている関数に対してのときとする。さらには以外の各点で微分可能かつとする。このとき
が存在するならば
である。(ii)は充分に大きなにおいて定義されており、のときとなる。さらに充分に大きなにおいてとする。このとき
が存在するならば
である。(iii) はで定義されており、のときとする。さらににおいては微分可能でとする。このとき
ならば
である。(iv)のときとする。このとき
が存在するならば
である。((i)必要ならばと定めることでは区間においてCauchyの平均値の定理の適用条件を満たすから
が成り立つ。においてであるから
が成り立つ。
(ii)とおくと、のときである。と定義するとは適当なに対して区間上で定義され、を満たす。
さらにはにおいて微分可能で
が成り立つ。したがって(i)より
である。したがって
が得られる。
(iii) とする。を任意に取る。仮定よりを取ると、に対して
が成り立つ。Cauchyの平均値の定理からのとき
が成り立つ。したがって
となり、仮定からのときであるから、を選ぶと、に対してで
が成立する。したがってに対して
が成り立つ。とおけば、を満たすとき、上不等式およびより
を得られるが、は任意だったから、
を得る。
他方で、の場合、仮定より
である。そのため適当にを選ぶとに対してである。さらにであるから、
が成り立つ。したがって
である。
(iv) とおき、とおく。このとき
である。(iii)よりである。したがって
を得る。 )