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今日のまとめ
- の近傍において定義された関数がを満たすとき、はにおいて無限小であるといい、で表す。いまが共ににおいて無限小であり、もしが成り立つとき、はより高位の無限小であると言い、と書く。他方でにおいてが有界であるとき、と書く。
- 関数のグラフ上の点を通る直線がの点における接線であるとはが成り立つことをいう。
5. 1変数関数の微分
このとき、微分可能性に関して新たな定理が得られる。
( 必要性は明らかである。そのため十分性のみを示す。がにおいて左側微分係数および右側微分係数をもつと仮定し、それらをとおく。を任意に取ると、仮定よりが存在し、それぞれおよびに対して
が成り立つ。したがってと取ると、に対して
とできる。したがって
であり、これはがにおいて微分可能でである。 )
5.1 無限小
無限小 の近傍において定義された関数がを満たすとき、はにおいて無限小であるといい、で表す。
いまが共ににおいて無限小であり、もしが成り立つとき、はより高位の無限小であると言い、と書く。他方でにおいてが有界であるとき、と書く。またおよび近傍が存在し、についてが成り立つとき、は同位の無限小であるといい、これをで表す。
無限小の概念を用いることで微分の定義を以下のように書き換えることができる:
したがってがにおいて微分可能であるとき、上式が成り立つことが分かる。逆に定数があり
が成り立つならばで、右辺の第2項は
であるから、
が成り立つ。したがって
であり、これはがで微分可能でを意味する。以上から
接線 関数のグラフ上の点を通る直線
がの点における接線であるとは
が成り立つことをいう。
図表1 接線のイメージ
とおいてが成り立つ。この式の右辺の主要部を抽出して
と表す。このをのにおける微分と呼ぶ。また区間の各点でが微分可能なとき、は区間で微分可能であるといい、関数を導関数という。
が上で階導関数をもちがにおいて連続であるとき、は上で回連続微分可能(級)であるという。さらににおいて回連続微分可能であるとき、無限回微分可能(級)という。