定番書
を基に線形代数を学び直していく。
今日のまとめ
4. 線形空間
4.5 基底
元の数と基底 において個よりも多くのベクトルは線形従属である。特にならばととは同型でない。
は自明でない解を持つ。これはが線形従属であることを意味する。
他方でが同型ならば、の個の単位ベクトルに対応するの個のベクトルは線形独立である。したがってである。同様にでもあるからである。この対偶を取ることでならばは同型でない。 )
( 既に示したようにはに同型である。したがって上述の定理から個よりも多くのベクトルは線形従属である。
が個の元からなる基底を持てば、はにも同型となるから、でなければならない。 )
これは基底の取り方は一意ではなく様々な取り方があり得るものの、その個数は常に同じであることを意味する。そこで以下の概念を導入する:
上の線形空間の2つの基底間にある関係を調べる。既に調べたように、線形空間が個のベクトルからなる基底を持てば、はに同型であった。これはすなわち基底を定めることがからへの同型写像を1つ定めることに他ならない。をの2つの基底とする。またこれらの基底が定めるからへの同型写像をとする。はからへの同型写像であるから、これはとある次正則行列によって定まるの線形変換に等しい。したがって
が成り立つ。このような行列を基底の取り換えの行列という。