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やりなおしの数学・微分積分篇(27/X)

 以下の書籍を参考に、改めて微分積分を復習していく。

www.rokakuho.co.jp

今日のまとめ

  • (x_0,y_0)\in\Omegaにおけるz=f(x,y)x,yそれぞれに関する偏微関数をそれぞれ
    \begin{aligned}f_x(x_0,y_0)&=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow0}\frac{f(x_0+h,y_0)-f(x_0,y_0)}{h}},\\f_y(x_0,y_0)&=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow0}\frac{f(x_0,y_0+h)-f(x_0,y_0)}{h}}\end{aligned}
    とする。

7. 多変数関数の微分

 2つ以上の変数を持つ関数(多変数関数)の微分およびその応用を取り扱う。まずは2変数関数を中心に扱い、その後に一般のn(\geq2)変数関数の場合を扱う。

7.3 偏微分

  平面\mathbb{R}^2上の領域\Omegaで定義された関数z=f(x,y)を考える。点(x_0,y_0)\in\Omegaにおけるz=f(x,y)x,yそれぞれに関する偏微関数をそれぞれ


\begin{aligned}
f_x(x_0,y_0)&=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow0}\frac{f(x_0+h,y_0)-f(x_0,y_0)}{h}},\\
f_y(x_0,y_0)&=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow0}\frac{f(x_0,y_0+h)-f(x_0,y_0)}{h}}
\end{aligned}

とする。ただし右辺の極限は有限確定値を取るものとする。f_x(x_0,y_0)が存在するとき、f(x,y)は点(x_0,y_0)においてxに関して偏微分可能であるという。同様にf_y(x_0,y_0)が存在するとき、f(x,y)は点(x_0,y_0)においてyに関して偏微分可能であるという。f(x,y)が各(x,y)\Omegaにおいてxに関する偏微関数をもつとき、f(x,y)\Omega上においてxに関して偏微分可能といい、f_x(x,y)xに関する偏導関数という。yに関しても同様に定義される。
 f_x,f_yはそれぞれf_x=\displaystyle{\frac{\partial}{\partial x}f},f_y=\displaystyle{\frac{\partial}{\partial y}f}などと書く。
一般にk-1偏導関数xまたはyに関する偏微関数としてk導関数が定義される。
 \Omegaにおいてm=f(x,y)m回連続微分可能またはC^m級の関数であるという。


偏微分の交換可能性 (x_0,y_0))の近傍でf_{xy},f_{yx}がともに存在し、(x_0,y_0)においてこれらが連続ならばf_{xy}(x_0,y_0)=f_{yx}(x_0,y_0)である。
(\because h,k\gt0を十分に小さく取り、

\begin{aligned}
\delta(h,k)=f(x_0+h,y_0+k)-f(x_0,u_0+k)-f(x_0+h,y_0)+f(x_0,y_0)
\end{aligned}

とおく。いまg(x)=f(x,y_0+k)-f(x,y_0)とおくと、平均値の定理から0\lt\theta_1,\theta_2\lt1が存在して


\begin{aligned}
\delta(h,k)&=g(x_0+h)-g(x_0)=g^{\prime}(x_0+\theta_1 h)h\\
           &=\left\{f_x(x_0+\theta_1 h,y_0+k)-f_x(x_0+\theta_1 h,y_0)\right\}h\\
           &=f_{xy}(x_0+\theta_1 h,y_0+\theta_2 k)hk
\end{aligned}

が得られる。したがって


\begin{aligned}
\displaystyle{\lim_{(h,k)\rightarrow(0,0)}\frac{\delta(h,k)}{hk}}&=\displaystyle{\lim_{(h,k)\rightarrow(0,0)}f_{xy}(x_0+\theta_1 h,y_0+\theta_2 k)}\\
&=f_{xy}(x_0,y_0)
\end{aligned}

である。
 他方でh(y)=f(x_0+h,y)-f(x_0,y)とおくと、再度、平均値の定理から0\lt\theta_3,\theta_4\lt1が存在して


\begin{aligned}
\delta(h,k)&=h(y_0+k)-h(y_0)=h^{\prime}(y_0+\theta_3k)k\\
&=\{f_y(x_0+h,y_0+\theta_3 k)-f_y(x_0,y_0+\theta_3 k)\}k\\
&=f_{yx}(x_0+\theta_4 h,y_0+\theta_3 k)hk
\end{aligned}

が得られる。したがって


\begin{aligned}
\displaystyle{\lim_{(h,k)\rightarrow(0,0)}\frac{\delta(h,k)}{hk}}&=\displaystyle{\lim_{(h,k)\rightarrow(0,0)}f_{yx}(x_0+\theta_4 h,y_0+\theta_3 k)}=f_{yx}(x_0,y_0)
\end{aligned}

が成り立つ。したがってf_{xy}(x_0,y_0)=f_{yx}(x_0,y_0)が成り立つ。 \blacksquare)

7.4 微分可能性

 (x,y)\in\Omegaを取る。h,kに無関係な定数A,Bが存在して


\begin{aligned}
f(x+h,y+k)-f(x,y)=Ah+Bk+o(\rho),\ \rho=\sqrt{h^2+k^2}
\end{aligned}

が成り立つとき、関数z=f(x,y)は点(x,y)において微分可能であるという。特にk=0とすれば


\begin{aligned}
f(x+h,y)-f(x,y)=Ah+o(h)
\end{aligned}

が成り立ち、したがってA=f_x(x,y)となり、同様にh=0とおくことでB=f_y(x,y)が従う。領域\Omegaの各点においてz=f(x,y)微分可能のとき領域\Omegaにおいて微分可能である。
 z=f(x,y)が点(x,y)において微分可能であることは、点(0,0)において連続な関数\alpha(h,k),\beta(h,k)が存在して、\alpha(0,0)=f_x(x,y),\beta(0,0)=f_y(x,y)を満たし、充分小さなh,kに対して


\begin{aligned}
f(x+h,y+k)=f(x,y)+\alpha(h,k)h+\beta(h,k)k
\end{aligned}

が成り立つことが必要十分である。


C^{1}級と微分可能性 領域\Omega\in\mathbb{R}^2においてf(x,y)C^{1}級ならば\Omegaにおいてf(x,y)微分可能である。
(\because {}^{\forall}(x,y)\in\Omegaについて、1変数に関する平均値の定理から

\begin{aligned}
f(x+h,y+k)-f(x,y)&=\{f(x+h,y+k)-f(x,y+k)\}+\{f(x,y+k)-f(x,y)\}\\
&=f_x(x+\theta_1h,y+k)h+f_y(x,y+\theta_2k)k\\
&=f_{x}(x,y)h+f_y(x,y)+\varepsilon(h,k)
\end{aligned}

が成り立つ。ここで\varepsilon(h,k)=\{f_x(x+\theta_1h,y+k)-f_x(x,y)\}h+\{f_y(x,y+\theta_2k)-f_y(x,y)\}kである。
 \rho=\sqrt{h^2+k^2}とおくとき、\displaystyle{\frac{|h|}{\rho}}\leq1,\displaystyle{\frac{|k|}{\rho}}\leq1であるから


\begin{aligned}
\left|\displaystyle{\frac{\varepsilon(h,k)}{\rho}}\right|=&\left|f_x(x+\theta_1h,y+k)-f_x(x,y)\right|\displaystyle{\frac{|h|}{\rho}}\\&+\left|f_y(x,y+\theta_2k)-f_y(x,y)\right|\displaystyle{\frac{|k|}{\rho}}\\
\leq&|f_x(x+\theta_1h,y+k)-f_x(x,y)|+|f_y(x,y+\theta_2k)-f_y(x,y)|
\end{aligned}

が成り立つ。仮定より、f_x,f_yは点(x,y)において連続だから(h,k)\rightarrow(0,0)のとき


\begin{aligned}
\left|f_x(x+\theta_1h,y+k)-f_x(x,y)\right|+|f_y(x,y+\theta_2k)-f_y(x,y)|\rightarrow0
\end{aligned}

が成立する。以上から\varepsilon(h,k)=o(\rho)となり、f(x,y)は点(x,y)において微分可能である。 \blacksquare)

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