今日のまとめ
- 点におけるのそれぞれに関する偏微関数をそれぞれとする。
7. 多変数関数の微分
2つ以上の変数を持つ関数(多変数関数)の微分およびその応用を取り扱う。まずは2変数関数を中心に扱い、その後に一般の変数関数の場合を扱う。
7.3 偏微分
平面上の領域で定義された関数を考える。点におけるのそれぞれに関する偏微関数をそれぞれ
とする。ただし右辺の極限は有限確定値を取るものとする。が存在するとき、は点においてに関して偏微分可能であるという。同様にが存在するとき、は点においてに関して偏微分可能であるという。が各においてに関する偏微関数をもつとき、は上においてに関して偏微分可能といい、をに関する偏導関数という。に関しても同様に定義される。
はそれぞれなどと書く。
一般に階偏導関数のまたはに関する偏微関数として階導関数が定義される。
においての回連続微分可能または級の関数であるという。
偏微分の交換可能性 の近傍でがともに存在し、においてこれらが連続ならばである。
とおく。いまとおくと、平均値の定理からが存在して
が得られる。したがって
である。
他方でとおくと、再度、平均値の定理からが存在して
が得られる。したがって
が成り立つ。したがってが成り立つ。 )