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やりなおしの数学・微分積分篇(10/X)

以下の書籍

www.rokakuho.co.jp

を参考に、改めて微分積分を復習していく。

今日のまとめ

  • 高校数学に依らない方法で初等関数を定義する。

4. 数列

 前節で実数の連続性を導入した。これを用いることで数列の収束・極限を厳密に定義することが出来る。

4.11 初等関数の定義

 以上を用いて、初等関数を定義する。

4.11.1 冪関数x^p,\ p\in\mathbb{Q}

 まずm\in\mathbb{N}に対してy=f(x)=x^m,x\geq0を考えると、x\geq0において狭義単調増加な連続関数である。したがって


\begin{aligned}
x=f^{-1}(y)=y^{\frac{1}{m}},\ y\geq0
\end{aligned}

が定まる。ここでx,yを入れ替えることで狭義単調増加な連続関数y=x^{\frac{1}{m}}が定まる。
 次に、y=g(x)=x^{\frac{1}{m} }とおき、f(y)=y^nとの合成関数を考えることで


\begin{aligned}
x^{\frac{n}{m}}
\end{aligned}

を定義できる。

4.11.2 指数関数a^x,\ a\gt0,\ a\neq1

 xx\lt0のときはa^x=\displaystyle{\frac{1}{a^{-x} } }とすればよい。また0\lt a\lt1のときはa^x=\left(\displaystyle{\frac{1}{a}}\right)^{-x}によって定めればよい。そこでa\gt1,x\geq0としても一般性を失わない。
 x\in\mathbb{Q},\ x\gt0とするとx=\displaystyle{\frac{n}{m} }と表される。そこで冪関数と同様の議論からa^{x}を定義できる。またx,y\in\mathbb{Q}について


\begin{aligned}
a^{x+y}=a^xa^y,\ (a^x)^y=a^{xy},\ (ab)^x=a^xb^x
\end{aligned}

を満たす。またp\lt qであるようなp,q\in\mathbb{Q}についてa^p\lt a^qを満たす。
 次にx無理数である場合、


\begin{aligned}
a^{x}=\sup\{a^p|p\in\mathbb{Q},p\lt x\}
\end{aligned}

により定義する。実際、x\lt qを満たすような有理数qを取れば、p\in\mathbb{Q},p\lt xを満たすようなすべてのpに対してa^p\lt M=a^qである。したがってa^{x}=\sup\{a^p|p\in\mathbb{Q},p\lt x\}において上限を定義する集合は有界となり、\sup\{a^p|p\in\mathbb{Q},p\lt x\}が有限値として確定し、a^xが定まる。上限の定義から\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}p_n}=x,p_n\lt x,p_n\in\mathbb{Q}および


\begin{aligned}
a^x=\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{p_n}}
\end{aligned}

を満たすような単調増加列\{p_n\}が存在する。
 \displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}q_n}=x,\ q_n\lt x,\ q_n\in\mathbb{Q}を満たすような任意の単調増加列\{q_n\}についても\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{q_n}}=a^xが成立する。これを示すべく、\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{q_n}}=\alphaとおく。
 p_n\lt xに対して\displaystyle{\lim_{m\rightarrow\infty}q_m}=xであるから、m\in\mathbb{N}を十分に大きく取ればp_n\lt q_m\lt xを満たすようにq_mを取ることが出来る。これよりa^{p_n}\lt a^{q_m}\leq \alphaが成り立つから、n\rightarrow\inftyとすればa^x\leq \alphaが成立し、\{p_n\},\ \{q_n\}を入れ替えることでa^x\geq \alphaも導かれる。したがって


\begin{aligned}
\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{p_n}}=\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{q_n}}
\end{aligned}
 以上から、

\begin{aligned}
a^x=\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{p_n}}
\end{aligned}

で指数関数を定義すると、実数の範囲内でa^xを定義できる。
 この連続性を考える。f(x)=a^xとおくとき、任意のx\in\mathbb{R}において、a^xの単調性から


\begin{aligned}
{}^{\exists!}f(x-0),f(x+0)\ .s.t\ f(x-0)=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow+0}f(x-h)},\ f(x+0)=\displaystyle{\lim_{h\rightarrow+0}f(x+h)}
\end{aligned}

およびf(x-0)\leq f(x+0)が成り立つ。
 今示したいのは、f(x-0)=f(x+0)である。有理数の稠密性からp\lt x\lt qを満たすようなp,q\in\mathbb{Q}を取れば、単調性から


\begin{aligned}
a^p\lt a^x\lt a^q
\end{aligned}

が成り立つ。a^q-a^p=a^p(a^{q-p}-1)であり、任意のn\in\mathbb{N}に対して0\lt q-p\lt \displaystyle{\frac{1}{n}を満たすようなp,q\in\mathbb{Q}が取れる。しかも\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}a^{\frac{1}{n}}}=1であるから、p,q\in\mathbb{Q}\ s.t\ p\lt x\lt qxの充分近くに取れば、a^q-a^pはどれだけでも小さく取ることが出来る。したがってf(x-0)=f(x+0)を示すことが出来る。以上から連続性も成り立つ。

4.11. 対数関数

 a\gt1ならば指数関数y=f(x)=a^{x}は狭義単調増加な連続関数である。この値域は(0,\infty)である。また0\lt a\lt1のときy=a^xは狭義単調減少な連続関数であり、この値域は(0,\infty)である。したがってy\in(0,\infty)に対してy=f(x)より逆関数x=f^{-1}(y)が定まる。x,yを入れ替えて


\begin{aligned}
f^{-1}(x)=\log_{a}x
\end{aligned}

と定義し、aを底とする対数関数が定まる。

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