9. 関数列の収束
本節では関数の数列(関数列)に関する収束概念を扱う。
9.6 助変数に関する一様収束
関数列において自然数を連続的に変化する助変数に置き換えてできるに対しても一様収束性を定義することができる。
助変数のある関数の各点収束 上で定義された実数値関数に対してがにのとき各点収束する、すなわち
であるとは、任意のと任意のに対してで
が成立するときをいう。
助変数のある関数の一様収束 のとき上ではに一様収束するとは、任意のに対してで、すべてのに対して
が成立するときをいう。
ここまでの議論と同様に、以下が成り立つ。
( 必要条件は自明であるから、十分条件を考える。任意のに対してが存在し、任意のに対して
が成立することを仮定する。
をであるような単調増加列だとする。任意のに対してであるときに上でがに一様収束するようなを、さらに番号をならばとなるように取るとき、ならばより、
が成り立つ。このため数列は実数の列であるから、(普通の変数に対する)の判定法から、各に対して
を満たすような実数が存在する。こうしてとおいてとすれば、ならば
が成立する。これはであるときに上でがに一様収束することを意味する。)
助変数をもつ関数の極限の連続性 は上で定義された実数値関数で、各に対してはについて連続だとする。
このときであるときに上でがに一様収束するならばは上で連続である。さらに
が成り立つ。
が成立する。一様収束性からこれを示す。
まず一様収束性から、
が成立する。そこでを満たすようなを1つ取って固定する。は上連続であるから、あるでかつならばを満たすものが存在する。こうしてならば
が成り立つ。したがっては連続である。また
が成り立つ。ここでである。したがって
が成り立つ。 )