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一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。目下、データ分析・語学に力点を置いています。今月(2022年10月)からは多忙につき、日々の投稿数を減らします。

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統計学のための線形代数(033/X)

 統計学に習熟するには線形代数の習得が不可欠である。が、初等的な線形代数ではカバーしきれないような分野も存在する。そこで以下の参考書

を基により高等な線形代数を学ぶ。

5. 一般化逆行列

5.2 Moore-Penrose形一般逆行列の性質

 \mathrm{Moore}-\mathrm{Penrose}逆行列は、\mathrm{Moore}(1935)により初めてなされたもので、それは従前に示したものとは異なる。この定義は、射影行列を基にしている。


定義5.4 \mathrm{Moore}-\mathrm{Penrose}逆行列\mathrm{Moore} m\times n行列Aに対して、以下の条件を満たす一意なn\times m行列A^{+}A\mathrm{Moore}-\mathrm{Penrose}逆行列という:

  • AA^{+}=P_{R(A)}
  • A^{+}A=P_{R(A^{+})}

ここでP_{R(A)}およびP_{R(A^{+})}はそれぞれA,A^{+}の列空間の射影行列である。

この定義が、\mathrm{Penrose}による定義と等価であることを以下に示す。

 まず\mathrm{Moore}による定義を満たすA^{+}\mathrm{Penrose}による定義を満たすことを示す。定義から射影行列は対称であるから、\mathrm{Penrose}による定義のうち


\begin{aligned}
\left(AA^{+}\right)^{\prime}&=AA^{+}\\
\left(A^{+}A\right)^{\prime}&=A^{+}A
\end{aligned}

が直ちに成り立つ。
 次にAの列はR(A)内に含まれるため、


\begin{aligned}
AA^{+}A=P_{R(A)}A=A
\end{aligned}

が成り立ち、同様に


\begin{aligned}
A^{+}AA^{+}=P_{R(A^{+})}A^{+}=A^{+}
\end{aligned}

が成立する。以上から1つ目および2つ目の条件


\begin{aligned}
AA^{+}A&=A,\\
A^{+}AA^{+}&=A^{+}
\end{aligned}

を満たす。
 逆にA^{+}\mathrm{Penrose}逆行列を満たすと仮定する。このとき、


\begin{aligned}
&A^{+}AA^{+}=A^{+}\\
\Leftrightarrow&AA^{+}AA^{+}=AA^{+}\\
\Leftrightarrow&\left(AA^{+}\right)^2=AA^{+}
\end{aligned}

を得る。これはAA^{+}が冪等行列かつ対称行列であることを意味し、これによりAA^{+}は射影行列である。AA^{+}Aの列空間の射影行列であることは、積の定義できる任意の行列B,Cについて、R(BC)\subset R(B)が成り立つことから、


\begin{aligned}
R(A)=R(AA^{+}A)\subset R(AA^{+})\subset R(A)
\end{aligned}

が得られる。以上から、R(A)=R(AA^{+})であり、P_{R(A)}=AA^{+}が成立する。P_{R(A^{+})}=A^{+}Aについても同様の議論をすればよい。 \blacksquare)


 行列の階数と\mathrm{Moore}-\mathrm{Penrose}逆行列の階数には、以下の関係がある。


定理5.5 行列の階数と\mathrm{Moore}-\mathrm{Penrose}逆行列の階数の関係 任意のm\times n行列Aに対して以下が成り立つ:


\begin{aligned}
\mathrm{rank}(A)=\mathrm{rank}(A^{+})=\mathrm{rank}(AA^{+})=\mathrm{rank}(A^{+}A)
\end{aligned}
(\because 行列の積の階数は、積に含まれるいずれの行列の階数を超えないことに注意すれば、AA^{+}A=Aより


\begin{aligned}
\mathrm{rank}(A)=\mathrm{rank}(AA^{+}A)\leq\mathrm{AA^{+}}\leq\mathrm{A^{+}}
\end{aligned}

が成り立つ。同様に条件A^{+}AA^{+}=A^{+}より、


\begin{aligned}
\mathrm{rank}(A^{+})=\mathrm{rank}(A^{+}AA^{+})\leq\mathrm{rank}(A^{+}A)\leq\mathrm{rank}(A)
\end{aligned}

が成り立つ。これらをまとめて題意を得る。 \blacksquare)

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