今日のまとめ
9. 関数列の収束
本節では関数の数列(関数列)に関する収束概念を扱う。
9.6 助変数に関する一様収束
9.6.1 積分順序交換の応用例
が上の連続関数で
が任意の正数に対して存在するとする。このときの積分
が成立することを示す。
任意のに対してとおけば
が成り立つ。したがって
である。さてとおけばよりは上で連続である。したがって既に示した定理を用いることで
はについて連続である。したがって
であるから、
を得る。
9.6.2 助変数を持つ関数の広義積分の性質
助変数を持つ関数の広義積分の性質 関数はの関数として上で連続であり、さらに以下の性質
をもつ正の関数が存在するものとする。このときに関する広義積分は上での連続関数であり、
が成立する。
さらに上記条件に加え、がに関する偏導関数を持ちそのはの関数として上で連続だとする。また次の性質
を持つようなが存在するものと仮定する。このときはについて微分可能であり
が成立する。
( いま
とおく。に対して仮定から
が成り立ち、またに対してが存在し、ならば
が成立する。ならばに対して
が得られる。
このとき過去に示した定理から、はにおいて
と一様収束性が得られる。
いまは上で連続であるから、は上での関数として連続かつ
が成立する。
であるから、
が得られる。これらを合わせることで
が成立する
また命題の後半における仮定の下で
が成り立つ。ここまでで示した定理を用いることで、はの関数としての上で微分可能であり
が成立する。 )