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やりなおしの数学・微分積分篇(53/X)

 以下の書籍を参考に、改めて微分積分を復習していく。

今日のまとめ

  • 一般にノルム空間Xにおいて収束列は\mathrm{Cauchy}列となる。
  • 任意の\mathrm{Cauchy}列が収束列であるとき、そのノルム空間は完備であるという。また完備なノルム空間を\mathrm{Banach}空間という

9. 関数列の収束

 本節では関数の数列(関数列)に関する収束概念を扱う。

9.9 関数空間C(I)と縮小写像の原理

 連続関数空間C(I)とその上でのノルムを導入し、関数列の一様収束を整理する。その上で縮小写像の原理と逐次近似法を導入する。

9.9.1 関数空間

 一般にノルム空間Xにおいて収束列は\mathrm{Cauchy}列となる。



ノルム空間における\mathrm{Cauchy}列と収束列 ノルム空間Xにおける点列\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}X内の収束列とするとき、\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}\mathrm{Cauchy}列である。
(\because 点列\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}X内の収束列とし、u\in Xをその収束値とする。このとき定義から



\begin{aligned}
\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}\|u_n-u\|}=0
\end{aligned}


が成立する。三角不等式から、



\begin{aligned}
\|u_n-u_m\|=\|u_n-u+u-u_m\|\leq\|u_n-u\|+\|u_m-u\|\rightarrow0(m,n\rightarrow\infty)
\end{aligned}


が成り立つから、\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}\mathrm{Cauchy}列である。 \blacksquare)


 逆が成り立つとき、すなわち任意の\mathrm{Cauchy}列が収束列であるとき、そのノルム空間は完備であるという。また完備なノルム空間を\mathrm{Banach}空間という。関数空間C(I)は完備である。



関数空間の完備性 I=[a,b]\subset\mathbb{R}で定義された実数値連続関数の集合C(I)内の任意の\mathrm{Cauchy}列は収束列である、すなわちC(I)は完備である。
(\because \{f_n\}_{n=1,2,\cdots}C(I)における\mathrm{Cauchy}列とする。このとき\{f_n\}fに一様収束し、またfは連続である。したがってf\in C(I)で、



\begin{aligned}
\left\|f_n-f\right\|\rightarrow0(n\rightarrow\infty)
\end{aligned}


であるから、\{f_n\}_{n=1,2,\cdots}は収束列である。 \blacksquare)


 ノルム空間においても開集合および閉集合を定義できる。



ノルム集合における開集合・閉集合 ノルム空間Xの集合Aが開集合であるとは、


\begin{aligned}
{}^{\forall}u\in A\left({}^{\exists}\varepsilon\gt0\left(U_{\varepsilon}(u)\subset A\right)\right)
\end{aligned}

が成り立つときをいう。また開集合Aに対してA^{C}=\{u\in X|u\notin A\}閉集合という。



閉集合であることの必要十分条件 AX閉集合であることの必要十分条件は、Aの点列\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}u\in Xに収束するならばu\in Aであることである。
(\because(\Longrightarrow))
 AX閉集合とする。Aの点列\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}u\in Xに収束すると仮定する。もしu\notin Aとすればu\in A^Cが成り立つ。A^Cは開集合であるから、


\begin{aligned}
{}^{\exists}\varepsilon\gt0\left(U_{\varepsilon}\subset A^C\right)
\end{aligned}

が成り立つ。
 一方で収束性の定義から、


\begin{aligned}
{}^{\exists}N\in\mathbb{N}\left(n\geq N\left(u_n\in U_{\varepsilon}(u) \right)\right)
\end{aligned}


が成立する。u_n\in AであるからA\cap U_{\varepsilon}(u)\neq\emptysetが成立するものの、これはU_{\varepsilon}(u)\subset A^Cに矛盾する。したがってu\in Aが成り立つ。

(\Longleftarrow)) 対偶、すなわちA閉集合でなければAの点列\{u_n\}でその極限がAに属さないものが存在することを示す。AX閉集合でなければ、A^CXの開集合でない。そのため



\begin{aligned}
{}^{\exists}u\in A^C\left({}^{\forall}\varepsilon\gt0\left(U_{\varepsilon}(u)\not\subset A^C\right)\right)
\end{aligned}


が成立、すなわちU_{\varepsilon}(u)\cap A\neq\emptyset{}^{\forall}\varepsilon\gt0に対して成立する。特に任意の自然数nに対して\varepsilon=\displaystyle{\frac{1}{n}}と取れば、u_n=U_{1/n}(u)\cap Aであるようなu_n\in Aが存在し、



\begin{aligned}
\left\|u_n-u\right\|\lt\displaystyle{\frac{1}{n}}
\end{aligned}


であるから、\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}\|u_n-u\| }=0が成立する。したがってu\notin Aに収束するAの点列\{u_n\}_{n=1,2,\cdots}が存在することが分かった。 \blacksquare)

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