はじめに
グローバル人材になるならば英語くらいはできなければ、とよく言われる。だったら、一流の、本当の英語を学びたいと個人的に思っている。ということで、本当の「大人のための英語」として英文法を学んでいく。ここではそのメモを書いていきたい。
参考図書として
を読んでいく。今日は第29章を扱う。
前回
29. 否定
否定はさまざまな品詞にまたがって現れる。
29.1 否定の分類
否定は大きく2つに分けられる:
(1) | 文否定: | 文の陳述全体が偽だと表明するもの。 | |
(2) | 構成素否定: | 文中の特定の構成素のみを否定するもの。 |
Ex. | John isn't American. | |
=It is not so that John is American. | ||
Ex. | John decided [not to pay taxes this year]. |
29.2 文否定
文否定にはつの統語的特徴がある。
(1) | によってパラフレーズできる。 | |
(2) | 肯定の付加疑問文が付く。 | |
Ex. You don't like cats, ? | ||
(3) | 文を付加することができる。 | |
Ex. John will not come, and Mary. | ||
(4) | 否定語句が文頭にでると、主語・助動詞の倒置が起きる。 | |
Ex. Not until yesterday he change his mind. | ||
(5) | 否定を強める付加が可能である。 | |
Ex. Writers will not accept anything, suggestions. |
29.2.1 否定極性項目
否定の作用域に特徴的に表れる語句(E.g. yet, any, at all)を否定極性項目という。[tex;\mathrm{not}]の前に置くことができないため、主語に否定辞を義務的に編入する。
E.g. | 〇 | No one came. | |
× | Any one didn’t come. |
29.2.2 否定辞編入
などの左側に否定辞がある場合、否定辞編入によってとして表層構造に現れる。
E.g. | We haven't had any lunch. | |
=We've had no lunch. |
否定辞編入による文(例における前者)よりも、+否定極性項目(例における後者)の方が略式的である。
29.2.2 否定形の主語
否定極性項目をの前に置くことはできないため、その場合、主語に否定辞が義務的に編入される。
E.g. | 〇 | No one came. | |
× | Any one didn't come. | ||
E.g. | 〇 | Nothing came of it. | |
× | Anything didn't come of it. |
29.3 構成素否定
構成素否定には5つの統語的特徴がある。
(1) | によってパラフレーズできない。 | |
Ex. 〇 I bought it [for nothing].×: It is not so that I bought it for nothing. | ||
(2) | 否定の付加疑問文が付く。 | |
Ex. He came home [in no time], didn't he? | ||
(3) | ではなく/を付加できる。 | |
Ex. John is [unhappy], and so is Mary. | ||
(4) | 否定語句が文頭に会っても、主語・助動詞の倒置が生じない。 | |
Ex. [In not many years,] Christmas will fall on a Sunday. | ||
(5) | 付加が不可能でが付加される。 | |
Ex. [Not long ago] there was some snow, even in Florida. |
29.4 構成素否定と文否定の例文比較
E.g. | I [didn't ilsten] to some of the speakers. | |
=講演者のうちの何人かの話を聞かなかった。 | ||
[I didn't ilsten to any of the speakers.] | ||
=全講演者の話を聞かなかった。 | ||
E.g. | He is [no fool]. | |
=彼は馬鹿どころではない。[天才だ] | ||
[He isn't fool]. | ||
=彼は馬鹿ではない。[とはいえ賢いとは限らない。] |
29.4.1 補足:'s notとisn'tの違い
Sweet(1891)*2は
E.g. | He isn't a fool. | =I deny that he is a fool. | |
He's not a fool. | =I assert that he is the opposite of a fool. |
という比較で説明している。このため、[n't]と母音を落として発音しているisn't型よりも[nɔt]と発音する's not型の方が否定性が明確に現れる。
29.5 数量詞と否定
「否定辞→数量詞」の場合は文否定、「数量詞→否定辞」の場合は構成素否定として捉えられる。
E.g. | Many arrows [did not hit the target]. | |
=的に当たらなかった矢は多かった。 | ||
The target wasn't hit by many arrows. | ||
=的には多くの矢は当たらなかった。 |
29.5.1 部分否定
学校文法で言う「部分否定」は文否定の一種で、全体性を意味する語(E.g. both, all)や数量詞(とその類義語)が否定の作用域中の焦点となり「全部でない」という意味になる場合を指す。
E.g. | He doesn't speak from notes very often. | |
I don't know all of them. |
29.6 その他の問題
意見・推測を表す動詞(believe, fancy)を用いるとき、従属節を否定する場合でも主節にnotを置く場合が通例である。そのため以下の例は2つの意味で曖昧である:
E.g. | I don't think it's a good idea. | |
[主節を否定]=それは名案である、とは考えない。 | ||
[従属節を否定]=それは名案ではないと思う。 |
29.6.1 累積否定
古代英語や中世英語、現代英語でもロンドンの下町言葉(cockney)や米国での黒人英語において二重、三重に否定を繰り返すことが普通である(であった)。
E.g. | No one never said nothin'. | |
=誰も何も言わなかった。 |