9. 関数列の収束
本節では関数の数列(関数列)に関する収束概念を扱う。
9.5 至るところで微分できない連続関数
関数
を考える。
もしならば
であるから、上で一様収束する。また各は連続であるから、は連続関数である。
ここでは奇数で、だとする。さらにがより大きいときを考える。を考えるとして、微分商
を考える。ここで
とした。
まずについて、とおくと、平均値の定理よりあるによりと表される。したがって
である。これにより
が成り立つ。
次にを評価する。とおく。ここでは整数とする。これに応じて増分を
となるように選ぶ。ここでの符号が一致している。
このとき
が成り立ち、が成り立つ。
一方でより加法定理を用いて
である。
いまは奇数であるから、も基数では整数である。したがってが成り立つ。したがって
が成立する。一方で
である。よりは奇数であるから、
が成り立つ。以上から、
である。
いまが偶数ならばも偶数である。したがってである。このときはとする。このようにすることで
が成り立つ。またが奇数ならばも奇数である。したがってである。このときはに取る。こうして
である。
いまであるから
である。
ここでであるからである。
こうして
である。いま
に取れば、でもあるから、
である。一方でがで微分可能ならば、であるから
かつでなくてはならず、これは矛盾である。こうしてはにおいて微分可能でない。