「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年12月10日改訂)。

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大人のための英文法(20/31)

はじめに

 グローバル人材になるならば英語くらいはできなければ、とよく言われる。だったら、一流の、本当の英語を学びたいと個人的に思っている。ということで、本当の「大人のための英語」として英文法を学んでいく。ここではそのメモを書いていきたい。
 参考図書として

を読んでいく。今日は第26章を扱う。

26. 比較構文

 比較変化の観点で見ると、構文には①原級、②比較級、③最上級がある。
 比較変化は更に

  屈折比較変化 -er/-estを付けて比較級・最上級を作る方法
  迂言比較変化 more/mostを添えて比較級・最上級を作る方法

という2種類の作り方がある。前者は古英語に由来する、英語本来の比較方法である。後者は英語の強い分析傾向とフランス語における比較変化((le) plus ... que)が混ざり合って発達した形式である。

26.1 規則比較変化

  • 1音節の語、以下(a)のような形容詞と同形の副詞、さらに略式体では(b)の副詞では-er/-estを付ける*1
   (a) fast, hard, high, late, long, low, near
   (b) fast, loud, quick, slow
  • 2音節語のうち-yで終わるものには-yを-iを変えて-er/-estを付ける。また語尾が-le,-ow,-erで終わる後も-er/-estを付ける。その他の大部分の2音節の語および-lyで終わる容態の副詞にはmore/mostを付与する。
   E.g. happy happier/ happiest
     narrow narrower/narrowest
     clever cleverer/cleverest
     useful more useful/most useful
     slowly more slowly/most useful
  • 少数の2音節の形容詞(common, handsome, hollow, polite, lively, quiet, solid, wickedなど)は-er/-estとmore, mostの両方を取る。
   E.g. common commoner/commonest
   more common/most common
   handsome handsomer/handsomest
   more handsome/most handsome
  • 3音節以上の語および形容詞として使用される分詞は原級の前にmore,mostを付ける。ただし否定の接頭辞un-で始まる形容詞は例外である。
   E.g. wonderful more wonderful/most wonderful
   interesting more interesting/most interesting
  • 前置詞句が形容詞的に働いている場合はmoreが義務的になる。

   E.g. I was more in doubt about it than any of them.

26.1 不規則比較変化

 不規則比較変化は、少数の日常よく使われる英語本来の語句で見られる。

   good*2/well better best
   bad/badly worse worst
   many/much more most
   little less least
   old elder eldest
   older oldest
   late latter last
   later latest
   far further furthest
   farther farthest
26.1.1 old

 oldは2種類の変化がある。英国ではelder, eldestを兄弟姉妹の長幼関係にのみ用いる。米国ではその場合にもolder, oldestを用いることが多い。それでもolder thanの意味でelder thanを使うことは出来ない。

26.1.2 late

 later, latestは「時間」にlatter, lastは「順序」に用いる。たとえばlast week/month/yearは「先週/先月/昨年」、the last week/monthは「ここ1週間/1か月」の意味で、the last centuryは「前世紀、過去百年間」の意味

26.1.3 far

 farther/farthestは「距離」にfurther/furthestは「距離」にも「程度」にも利用可能である。

26.2 比較が成立する条件

 比較を示す形容詞・副詞は「段階的(gradable)」でなければならない。

   E.g. John is English. ジョンはイギリス人だ。
     John is very English. ジョンはいかにもイギリス人らしい。

上記の例では、前者は主語の国籍を表し段階的でなく、後者は主語の特質を表し段階的である(veryで修飾できる。)。

26.3 同等比較

 同等比較は通例、「as+原級+as」の形式で表され、比較級の原級は主節のそれと同一もしくは弁別的に異ならない場合、義務的に表現されない。ただし同一の事物の異なる性質の度合いを比較する場合、比較節の原級は必ず表現されなければならない。

   E.g. The river is as deep as it is wide.
     Mary is as clever as Jane is pretty.
  • 同等比較の否定形は、<英>ではnot as ... asが好まれる。

   E.g. Of course it is not as easy as that.

26.4 劣等比較

 劣等比較は通常、「less+原級+than」または「the least+原級+of/in」で表される。しかし、un-/im-で反意語を造るような形容詞ではlessを付与するのが普通である一方で、他は逆の意味の言葉を用いるのが通常である。

   E.g. John is younger than Mary.
     John is less old than Mary.

26.5 比例比較級

 「the+比較級, the+比較級」で表される。通常は従属詞が先行する。格式体では従属節であることを明示するために不変化詞thatを挿入する場合がある。また格式体で主語が長い場合、倒置が随意的に生じる場合がある。

   E.g. The more light that falls on the eyes, the more the pupils contract to vertical slits.
   The bigger the crime, the more obvious, as a rule, is the motive.

26.6 漸層比較級

 程度が漸次増加または減少することを示す比較級を漸層比較級といい、「比較級+and+比較級」の形式で表す。

   E.g. The road got worse and worse.
   We're going more and more slowly.

26.7 比較構文と限定詞

 最上級が限定的に用いられたときには、定冠詞もしくは限定詞(E.g. my/our)を用いる。しかし形容詞が叙述的に用いられた場合にはtheの使用は随意的である。
   E.g. Ann is (the) youngest (of all).
ただし評価形容詞の最上級がtheなしで叙述的に用いられた場合、最上級の意味と「extremely+形容詞」の意味の2通りに捉えることが出来、曖昧である。
 限定的に用いられた場合でも、不定冠詞もしくはゼロ冠詞に修飾されていればmostは常に絶対最上級(後述)と解釈される。
   E.g. She is a most efficient publisher. 彼女はとても有能な出版者である。
 副詞の最上級において略式体ではtheは随意的である。ただし異なる状況下における同一人の比較にはtheを付けない。
   E.g. She works hardest when she's doing something for her family.

26.8 擬似比較

 比較構文に似ているものの、比較構文とはことなる構文が存在する。

26.8.1 比較構文との相違点

 擬似比較構文は比較構文に比較して以下の特徴をもつ。

  (1) muchでの修飾が出来ない。
    E.g. the upper story
  (2) than節を補うことが出来ない。
    E.g. ×A chimpanzee is a higher animal than a rabbit.
  (3) 原級・比較級・最上級というパラダイムを持たない。
26.8.2 絶対比較級

 比較対象を特定することなく、ただ比較的程度が高いことを示す表現で、略式体で用いられる。
   E.g. the younger generation 青年層

26.8.3 絶対最上級

 他との比較を含まず、単に「程度が高いこと」を表す。強意表現の一種と考えるのが自然である。話し言葉もしくは砕けた書き言葉で用いる。
   E.g. You are most generous kind. あなたはとても気前が良い/ご親切です。

26.9 注意すべき比較表現

26.9.1 ラテン語の比較級

 senior/junior, superior/inferiorを用いて比較表現する。

26.9.2 倍数の表し方

 「X times as ... as」の形式で用いる。ただし2倍および半分はtwice, halfを用いる。

26.9.3 than (any) other

 ある特定のものを同じ集合に属するほかのメンバーと比較する場合は(any) otherが必要で、別な集合に属するものと比較する場合はotherを付けないのが慣用である。

   (1) She is a better dancer than the other girls.
   (2) She is a better dancer than the boys / than any of the boys.
26.9.4 No (other)...

 「No (other) mounstain in Japan ...」の形式である構文は主語にotherを付けるか英語母語話者も迷う。
 nothing, no oneなどが主語の場合はotherを付けない方が普通であるが、その他の語では「ほかにない」という対比の気持ちを特に強調したければotherを付ける。

26.9.5 not tallerとno taller
   (1) I am not taller than John. わたしはジョンよりも背が高くはない(=同じか低い。)。
   (2) I am no taller than John. 私は身長が同じだ(=ゼロ程度しか背が高くない。)。

26.10 比較構文特有の強調表現

   比較級を強調可能な語 much, very much, far, still, even
   最上級を強調可能な語 by far, far and away, much, quite, alive

26.11 比較を含む慣用表現

 

26.11.1 原級を含む表現
  (1) as ... as possible/ as ... as one can 「できるだけ…」
       E.g. Use as good a dictionary as you can.

   できるだけ良い辞書を使いなさい。
  (2) as ... as any 「なんと/誰と比べても」
       E.g. He is as clever as anybody.

   彼は誰にも負けず利口だ。
  (3) as ... as ever~ 「今まで~したことがないほど…」
       E.g. Keats is as great a poet as ever lived.

   キーツは不世出の大詩人だ。
  (4) as good as 「…も同然」=practically
       E.g. The work is as good as finished.

   仕事は終わったようなものだ。
  (5) as much as 「…も多くの」(※多量であることの強調)
       E.g. Some machines cost as much as £20,000.

   機械の中には2万ポンドもするものがある。
  (6) as well that/if 「…の方が良い」
       E.g. It is as well if you are aware of these.

   このことに気付いた方が良い。
  (7) not/never so much as ... 「…さえしない」
       E.g. He never so much as spoke.

   彼は口さえもきかなかった。
  (8) not so much A as B 「AよりはむしろB」
       E.g. He is not so much a scholar as a writer.

   彼は学者というよりもむしろ作家だ。
26.11.2 比較級を含む慣用表現
  (1) all/any/none the+比較級+for 「(…のため)それだけ…」
       E.g. I was none the wiser for his explanation.

   彼の説明を聞いてもやはり訳が分からなかった。
  (2) know better 「もっと分別がある」
       E.g. You should know better at your age.

   君の年ならもっと分別があるべきだ。
  (3) know better than to 「…するような馬鹿はしない」
       E.g. I know better than to answer such a question.

   私はそんな質問に答えるような馬鹿じゃない。
  (4) think better of 「考え直して決心を変える;見直す」
       E.g. I think better of him for his present conduct.

   私は今度の振る舞いで彼を見直した。
  (5) get the better of 「(ゲーム・議論で)…を打ち負かす」
       E.g. Finally he got the better of his opponent.

   ついに彼は相手を打ち負かした。
  (6) no better than 「…も同然」
       E.g. Such a man is no better than an animal.

   そういう人間は動物も同然だ。
  (7) no longer/ not ... any longer 「もはや…ない」
       E.g. Food shortages are no longer a problem.

   食糧不足はもはや問題ではない。
  (8) no sooner A than B 「Aしたかと思うとすぐBする」
       E.g. I had no sooner done it than I regretted it.

   それをしたかと思うと、すぐ後悔した。
  (9) no more than 「わずか…に過ぎない」(※数量が少ないことを強調)
       E.g. He is no more than a puppet.

   彼は傀儡に過ぎない。
  (10) not more than 「せいぜい…(それ以下かもしれない)」
       E.g. She has not more than five dollars on her.

   彼女の持ち金はせいぜい5ドルだ。
  (11) no more A than B/ not A any more than B 「Bと同様Aではない」
       E.g. I a no more mad than you.

   ぼくはきみと同様気が狂ってはない。
  (12) more or less 「多少;多かれ少なかれ」
       E.g. I was more or less excited.

   私は多少興奮していた。
  (13) not ... any more 「もはや…しない」
       E.g. I cannot walk any more.

   これ以上歩けない。
  (14) much more/still more (肯定文で)「なおさら…だ」
       E.g. You have a right to your property, still/much more to your life.

   君は財産の権利がある。生命の権利はなおさらだ。
  (15) much less/still less (否定文で)「なおさら…ない」
       E.g. He doesn't know English, much/still less German.

   彼は英語を知らない。ドイツ語なんてもっての外だ。
  (16) more often than not 「通例」(略式体)
       E.g. More often than not the train is late.

   たいていその列車は遅れる。
  (17) nothing more than/nothing less than 「…に他ならない」
       E.g. He is nothing more than a dreamer.

   彼は夢想家に過ぎない。
  (18) no less than ①「…ほども多くの」(※数量の多さを強調)

②「少なくとも」(※下限を表す)
       E.g. Exports have risen by no less than 80% in the last ten years.

   輸出は過去10年間で80%も上昇した。
       E.g. The hamburgers should contain no less than 50% meat.

   ハンバーガーは少なくとも50%の肉を含んでいなければならない。
  (19) not less than 「…よりも少なくはない」
       E.g. The audience was not less than two thousand.

   聴衆は少なくとも2千人以上はいた。
  (20) none the less 「それでもやはり、にもかかわらず」
       E.g. He has many faults, but I love him none the less.

   彼には欠点が多いが、にもかかわらず私は彼を愛している。
26.11.3 最上級を含む慣用表現
  (1) as best one can/may 「できるだけうまく」
       E.g. I explained my meaning as best I could.

   できるだけうまく私の意図を説明した。
  (2) at (the) best 「いくら良く見ても」
       E.g. Life is, at best, a sea of trouble.

   人生は所詮、苦難の海だ。
  (3) at one's best 「最もよい状態で」
       E.g. The cherry-blossoms are at their best these days.

   いまは桜が満開だ。
  (4) make the best of 「(不利な状況を)最大限利用する。」
       E.g. We must make the best of a bad job.

   悪い状況にできるだけ善処しなければならない。
  (5) make the most of 「…を最大限に利用する。」
       E.g. Happiness is the ability to make the most of what you have.

   幸福とは自分の持てるものを最大限に利用する能力である。
  (6) to the best of one's ability 「力の及ぶ限り」
       E.g. I will do it to the best of my ability.

   全力を尽くしてそれをやります。
  (7) to the best of one's knowledge 「知っている限り」
       E.g. To the best of my knowledge he isn't here.

   私が知っている限りは彼はここにいない。
  (8) at (the) most 「せいぜい、多くて」 ※上限を表す。
       E.g. This is at most a makeshift.

   これはせいぜい間に合わせだ。
  (9) for the most part 「大部分は、大体は」
       E.g. The shops were for the most part closed.

   魅せは大部分閉まっていた。
  (10) at least 「少なくとも、せめて」
       E.g. You might at least have told me.

   せめて話してくれればよかったのに。
  (11) not in the least 「少しも…ない」
       E.g. Really, I'm not in the least tired.

   本当に、ちっとも疲れていない。
  (12) to say the least (of it) 「控えめに言っても」
       E.g. Lying is a bad habit, to say the least of it.

   嘘を言うのは、控えめに言っても悪い癖だ。
  (13) least of all 「とりわけ…ない」
       E.g. None of us is religious, least of all Jim.

   私たちは誰も信心深くない。とりわけジムがそうだ。

*1:ただし1音節語でもreal, right, wrongおよびlikeはmore, mostしかとらない。また叙述用法で特にthanを伴う場合はmore,mostを取る場合がある。

  E.g. John is more mad than Bob is.

*2:子供がgooderを用いる場合がある。

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