はじめに
グローバル人材になるならば英語くらいはできなければ、とよく言われる。だったら、一流の、本当の英語を学びたいと個人的に思っている。ということで、本当の「大人のための英語」として英文法を学んでいく。ここではそのメモを書いていきたい。
参考図書として
を読んでいく。今日は第4章を扱う。
4. 時制と相
4.1. 時制とは
「ある動作・状態が発話時よりも前か後かまたは同時かという時間関係を動詞の形式を通じて表す文法範疇」を時制という。
4.1.1. 未来時制は存在しない
英語の時制は、非過去か過去かという点しかない。will/shallは
- 時制としては現在時制であり指示するときも発話時である。
- 時制の形態素としては意味が多すぎる。
という理由から、法助動詞と見なすべきで未来時制は存在しないと考えるのが妥当である。
4.1.2. 時制の判断方法
発話時・出来事時・基準時の3つの時点を峻別することで時制を判断する。
一つの動作を考えるとき、その動作が(1)開始前か、(2)その動作をしている最中か、(3)終了したところか、(4)終了した後の状態か、などの想定し得る段階のことを相(aspect)という*1。
英語の場合、以下の2つがある:
- 完了相:基準時に完了しているか否か have+-en
- 進行相:基準時に継続しているか否か be+ing
4.3. 語彙動詞の相の特徴
語彙動詞(※補助動詞でない動詞)を相で分類すると以下のような系統図ができる:
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E.g. |
I am having[×] two sister. |
⇒ × |
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I am reading Shakespeare. |
⇒ 〇 |
- 完結的か否か:時間の副詞句についてin two hours, for two hoursのどちらと共起できるか
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E.g. |
I wrote a letter in two hours (×for two hours). |
⇒ 〇 |
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I was writing letter for two hours (×in two hours). |
⇒ 〇 |
- 瞬時的か否か:進行形が「反復」を表すか「完結への接近(=…しかけている)」
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E.g. |
He was jumping for joy. 彼は喜んで(何度も)跳ね回っていた。 |
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The bus is stopping. バスは止まりかけている |
4.3.1. 状態的動詞
- 期間の副詞語句と共起できるものの、時点の副詞語句と共起できない。
- do soで置き換えることができない。
- stillと共起できる。
- 完了形が「継続」の意味を示し「完了」の意味を表さない。
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E.g. |
I have known him for years. |
⇒ 〇 |
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I have just hated my neighbour. |
⇒ × |
- 進行形、真の命令文で用いることができない。またpersuadeの補文でも生じない。ただし推移的な意味を持つ場合は進行形を取ることが可能である。
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E.g. |
I am regretting it already. もうそのことを後悔しかけている。 |
- 自分の意思で制御できるという主旨である場合は命令文が可能。
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E.g. |
Just be patient. まあ、辛抱しなさい。 |
4.3.2. 瞬時的動詞
- 時点の副詞語句と共起できるものの期間の副詞語句と共起できない。
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E.g. |
For a while, I reached the top. |
⇒ × |
- finishの補文を取ることができない:意味的に矛盾するため。
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E.g. |
I have just finished losing my wallet. |
⇒ × |
- 身体動詞の進行形・完了形は期間の副詞語句と共起できる。その際は「動作の反復」を意味する。
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E.g. |
I was kicking the ball for an hour. |
私はボールを1時間蹴り続けた。 |
4.3.3. 非瞬時的動詞
- 期間の副詞語句と共起できるものの、時点の副詞語句と共起できない。
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E.g. |
For how long did he push the cart? |
⇒ 〇 |
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At what time did you push the cart? |
⇒ × |
4.3.4. 非完結的動詞
- 進行形・完了形は「継続」を意味する。
- 期間の副詞語句と共起できるものの時点の副詞語句と共起できない。
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E.g. |
At sunrise, I walked eastward. |
⇒ × |