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ポートフォリオのパフォーマンス分析(4/5)

 ファンド・パフォーマンスの評価方法を学ぶべく、

を参照する。

4. ポートフォリオ特性値の計算

 ある一時点におけるポートフォリオの状況を表す指標を取り扱う(この指標をここではポートフォリオ特性値と呼ぶこととする。)。ポートフォリオ特性値から、そのポートフォリオがどのような場合に高い収益率を上げられるように企図されているかを読み取ることができる。

4.1 直接利回り

 債券においてインカムゲイン(クーポンによる収入)のみを収入源と見なしたときの利回りを直接利回りという。


\begin{aligned}
簿価ベース直接利回り&=\displaystyle{\frac{クーポンレート(\%表記)}{簿価単価}}=\displaystyle{\frac{利息額}{簿価金額}},\\
時価ベース直接利回り&=\displaystyle{\frac{クーポンレート(\%表記)}{時価単価}}=\displaystyle{\frac{利息額}{時価金額}}
\end{aligned}

4.1.1 債券ポートフォリオの直接利回り

 債券ポートフォリオにおける直接利回りを計算する*1
 ある債券ポートフォリオP_Bは債券B_i,i=1,2,\cdots,nからなり、各債券の額面、クーポンレート、時価単価および簿価単価をそれぞれ{FV}_{i},\ r_{C,i},\ {PV}_{U,i},\ {BV}_{U,i}とする。
 このとき当該ポートフォリオの利回りを計算する。
 まずポートフォリオの平均クーポンレートr_{C,P}は額面で加重平均すればよく、


\begin{aligned}
r_{C,P}=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{FV}_{i}r_{C,i}}}{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{FV}_{i}}}}
\end{aligned}

で表される。
 次に時価ベース直接利回りr_{d,P,P}


\begin{aligned}
r_{d,P,P}=\displaystyle{\frac{ポートフォリオからの年間利息額}{ポートフォリオ簿価}}=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{FV}_{i}r_{C,i}}}{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{PV}_{U,i}{FV}_{i}}}}
\end{aligned}

 最後に簿価ベース直接利回りr_{d,P,P}


\begin{aligned}
r_{d,P,B}=\displaystyle{\frac{ポートフォリオからの年間利息額}{ポートフォリオ時価}}=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{FV}_{i}r_{C,i}}}{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n}{BV}_{U,i}{FV}_{i}}}}
\end{aligned}

4.2 債券の最終利回り(単利)

 償還損益を考慮した利回りを最終利回りという。


\begin{aligned}
最終利回り&=\displaystyle{\frac{クーポンレート+\displaystyle{\frac{償還価額-簿価単価}{残存年数}}}{簿価単価}},\\
最終利回り&=\displaystyle{\frac{クーポンレート+\displaystyle{\frac{償還価額-時価単価}{残存年数}}}{時価単価}}
\end{aligned}

4.3 債券の現在価値

 ある債券について時点t,\ t=1,2,\cdots,nにおけるクーポンをC_t、割引金利r、額面をFVとすれば、その債券の時価PV


\begin{aligned}
PV=\displaystyle{\sum_{i=1}^{n-1}\frac{C_t}{(1+r)^{t}}}+\displaystyle{\frac{C_n+F}{(1+r)^{n}}}
\end{aligned}

4.4 債券の最終利回り(複利ベース)

 ある債券について時点t,\ t=1,2,\cdots,nにおけるクーポンをC_t、額面をFV、またその債券の時価PVとして、この債券の最終利回りr


\begin{aligned}
r\ s.t. PV=\displaystyle{\sum_{i=1}^{n-1}\frac{C_t}{(1+r)^{t}}}+\displaystyle{\frac{C_n+F}{(1+r)^{n}}}
\end{aligned}

である。

4.5 デュレーション

 債券(ポートフォリオ)のデュレーションキャッシュフローの現在価値による回収期間の加重平均値に相当する。時点t=1,2,\cdots,nに現在価値ベースでキャッシュフローP_tが発生するとすれば、デュレーションD


\begin{aligned}
D=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n} t P_t}}{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}P_t}}}
\end{aligned}

である。

4.6 債券価格変化とデュレーション

 債券変化率はデュレーションの1次関数として表すことができる:


\begin{aligned}
債券変化率\approx デュレーション\times \displaystyle{\frac{最終利回り変化率}{1+\displaystyle{\frac{最終利回り}{年間利払回数}}}}
\end{aligned}

4.6.1 修正デュレーション

 デュレーションをより分かりやすくしたものとして修正デュレーションがある: 


\begin{aligned}
修正デュレーション=\displaystyle{\frac{デュレーション}{1+\displaystyle{\frac{最終利回り}{年間利払回数}}}}
\end{aligned}

これを踏まえると、


\begin{aligned}
債券価格変化率\approx 修正デュレーション\times 最終利回り変化幅
\end{aligned}

と書くことが出来る。

4.6.2 コンベクシティー

 (修正)デュレーションによる近似が成り立つのは、最終利回りの変化幅があまり大きくない場合である。逆に相応に大きい場合には近似による誤差を修正して誤差を小さくすることが1つの対応方策である。
 コンベクシティーは以下で定義される*2


\begin{aligned}
コンベクシティー=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{j=1}^{n}j(j+1)P_j}}{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n} P_i}}}
\end{aligned}

 コンベクシティで修正した価格変化率は


\begin{aligned}
債券価格変化率\approx& -デュレーション\times \displaystyle{\frac{最終利回りの変化幅}{1+\displaystyle{\frac{最終利回り}{年間利払回数}}}}\\
 &+ コンベクシティー\times \displaystyle{\frac{\left(最終利回りの変化幅\right)^2}{2\left(1+\displaystyle{\frac{最終利回り}{年間利払回数}}\right)^2}}
\end{aligned}

4.7 スポットレートとフォワードレート

 現在から一定期間後に満期が到来する割引債の利回りをスポットレートという。将来時点を起点としそれよりも後に満期が到来する利回りをフォワードレートという。

4.8 イールドカーブ

 異なる残存期間のスポットレートを横軸を残存期間、縦軸を利回りとしてグラフ化したものをイールドカーブという。

4.9 金利選択効果と種別選択効果

 ブリンソン型要因分析の手法を債券の要因分析にも利用する。
 頻用されるセクターは残存期間を基に1年ごとに区切った分類がある。この配分は将来の金利上昇ないし金利低下のいずれを予想するかに関するため、金利選択効果と呼ぶ。一方で国債や事業債など債券の種類による配分効果を種別選択効果という。

4.10 PER・PBR・ROE


\begin{aligned}
EPS(1株当たり当期純利益) \times PER=&株価\\
BPS(1株当たり純資産) \times PBR=&株価\\
BPS(1株当たり純資産)  \times ROE=&EPS(1株当たり当期純利益)
\end{aligned}

4.12 株式のスタイル

 株式の業種別以外の分類として、規模別構成やグロース・バリューなどがある。これらを株式のスタイルという。スタイルにはたとえば以下がある*3

   (1) 大型株: 時価総額が大きく流動性が高い銘柄。
   (2) 中型株: 大型株に次いで時価総額が大きく流動性が高い銘柄。
   (3) 小型株: 時価総額が小さく流動性が低い銘柄。
   (4) グロース株: 売り上げや利益の成長率が高い銘柄。
   (5) バリュー株: 本来の価値と比較して株価が低い銘柄。

4.13 評価損益と評価損益率


\begin{aligned}
評価損益=&時価金額-簿価金額\\
評価損益率=&評価損益\div 簿価金額
\end{aligned}

4.14 売買回転率

 ある期間における売買金額の大きさを測る特性値。


\begin{aligned}
(1)&売買回転率&=\displaystyle{\frac{\displaystyle{\frac{購入額+|売却額|}{2}}}{時価ベース平均残高}}\\
(2)&売買回転率&=\displaystyle{\frac{\min{購入額,|売却額|}}{時価ベース平均残高}}\\
(3)&売買回転率&=\displaystyle{\frac{購入額+|売却額|}{時価ベース平均残高}}
\end{aligned}

 購入額・売却額のうち小さい方を分子に取る計算方法は、購入・売却のうちファンドマネージャーの裁量で行われた部分のみを対象とすることを企図するものである*4

*1:簡単のためすべて国内債券とする。

*2:修正コンベクシティ―、すなわち

\begin{aligned}コンベクシティー=\displaystyle{\frac{1}{2\times\left(1+\displaystyle{\frac{最終利回り}{年間利払回数}}\right)^2}\frac{\displaystyle{\sum_{j=1}^{n}j(j+1)P_j}}{\displaystyle{\sum_{i=1}^{n} P_i}}}\end{aligned}
をコンベクシティーと定義する場合もある。

*3:絶対的なものではない。

*4:どのような意図であれ売買のいずれであってもすべて反映すべきであるから、(3)が妥当であるだと個人的には考える

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