定番書
を基に線形代数を学び直していく。
今日のまとめ
- ある体
上の線型空間
を考える。
に対して
を満たすでないような
が存在するとき、
は線形従属であるという。逆に自明な線形関係しかないとき、
は線形独立であるという。
4. 線形空間
4.3 基底・次元
項列ベクトル空間
は
このベクトルの線形結合で表現できる。しかし、多項式全体の空間や連続関数全体の空間ではこれと同じ方法ではこのような有限個のベクトルでは表現できない。こうした中で「空間の大きさ」を計測する手段として次元を導入する。
次元を導入する準備としていくつかの概念を導入する。
線形結合について
という関係を線形関係という。とすれば任意の
に対して線形関係が成り立つから、線形関係は必ず存在する。
のときを自明な線形関係という。
これらを基に線形独立を導入する。
における単位ベクトル
は線形独立である。
線型独立に関する諸命題を整理する。
線形従属と線形結合の関係
が存在する。のうちに
が存在するから、
が成り立ち、これはが他の
個のベクトルの線形結合で表されることに等しい。
逆に
であるようなが存在すると仮定する。このとき、自明でない線形関係
が存在する。 )
線型独立と線形結合の関係 線形独立な
があると仮定する。このときであるならば、
が成り立つが、これは仮定に反する。したがってであり、これは
が線形独立であることの定義に他ならない。
)
線形結合の線形結合 ベクトル
と書くことが出来る。後者を前者に代入することで
が成り立つ。 )
4.4 有限次元と無限次元
「空間の大きさ」という当初の目標により近づくべく、その大きさについて有限・無限という概念を導入する。