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やりなおしの数学・線形代数篇(004/X)

 定番書

を基に線形代数を学び直していく。

今日のまとめ

  • 拡大係数行列を基本変形を用いて変形していくことで逆行列(もしくは逆行列が無いこと)を求める(調べる)ことができる。

2. 行列と線形写像

2.4 一次方程式系

 一次方程式


\begin{aligned}
\left\{
\begin{array}{ll}
a_{11}x_1+a_{12}x_2+\cdots+a_{1n}x_n&=c_1,\\
a_{21}x_1+a_{22}x_2+\cdots+a_{2n}x_n&=c_2,\\
\cdots\cdots\cdots
a_{m1}x_1+a_{m2}x_2+\cdots+a_{mn}x_n&=c_m,\\
\end{array}
\right.
\end{aligned}
において、


\begin{aligned}
A=\begin{bmatrix}
a_{11} &a_{12} &\cdots&a_{1n}\\
a_{21} &a_{22} &\cdots&a_{2n}\\
\vdots &\vdots&          &\vdots\\
a_{m1}&a_{m2}&\cdots&a_{mn}
\end{bmatrix},\\
\tilde{A}=\begin{bmatrix}
a_{11} &a_{12} &\cdots&a_{1n}&c_1\\
a_{21} &a_{22} &\cdots&a_{2n}&c_2\\
\vdots &\vdots&          &         &\vdots\\
a_{m1}&a_{m2}&\cdots&a_{mn}&&c_m
\end{bmatrix}
\end{aligned}

をそれぞれ係数行列、拡大係数行列と呼ぶ。また


\begin{aligned}
\boldsymbol{x}=\begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_n
\end{bmatrix},\ 
\tilde{\boldsymbol{x}}=\begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_n\\-1
\end{bmatrix},\ 
\boldsymbol{c}=\begin{bmatrix}c_1\\c_2\\\vdots\\c_m
\end{bmatrix}
\end{aligned}

とおけば、最初に書いた方程式は


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{c},\\
A\tilde{\boldsymbol{x}}=\boldsymbol{0},\\
\end{aligned}

と書ける。
 任意のm正則行列Pに対して、同方程式系は、次の方程式


\begin{aligned}
P\tilde{A}\tilde{\boldsymbol{x}}=\boldsymbol{0}
\end{aligned}

と同値である。すなわち拡大係数行列に左基本変形を何回施しても、その結果として得られる新しい方程式は元の方程式と同値である。

2.4.1 基本変形による一次方程式系の変形

 拡大係数行列\tilde{A}に左基本変形および最後の列以外の列の交換を何度か行うことによって\tilde{A}\tilde{B}に変形される:


\begin{aligned}
\tilde{B}=\begin{bmatrix}
1        &0         &\cdots&0         &b_{1(r+1)}&\cdots &b_{1n} &d_1     \\
0        &1         &\cdots&0         &b_{2(r+1)}&\cdots &b_{2n} &d_2     \\
\vdots&\vdots&\ddots&\vdots &\vdots     &           &\vdots &\vdots \\
0        &0         &0        &1         &b_{r(r+1)}&\cdots &b_{rn}  &d_r       \\
0        &0         &\cdots&0         &0             &\cdots &0          &d_{r+1}\\
\vdots&\vdots&           &\vdots&\vdots     &            &\vdots &\vdots  \\
0        &0         &\cdots&0         &0             &\cdots &0          &d_m
\end{bmatrix}
\end{aligned}
ただしrは係数行列Aの階数である。

\because まず\tilde{B}が得られたとしてrAの階数rに等しいことを示す。\tilde{A}に施した基本変形によりAにも同様の変形が為されており、そのために\tilde{B}から最後の列を除いた行列Bの階数はAの階数も同じである。Bの第r+j列(j=1,2,\cdots,n-r)から第k列(k=1,2,\cdots,r)のb_{k(r+j)}倍を引けば標準形F_{m,n}(r)を得る。したがってrAの階数に等しい。
 もしA=Oならば、そのままが求める形である。A\neq Oならば、行の交換および第n+1列以外の列を交換することで、(1,1)成分が0ではないようにする。そして、同成分を要として左から第1列を掃き出す。ここで第2列から第n列までの第2行以下がすべて0ならば、これが求める形である。以降、同様の操作を(i,i),\ i=2,3,\cdots成分に続けることで最終的に\tilde{B}を得る。 \blacksquare


以上から得た方程式


\begin{aligned}
\tilde{B}\tilde{\boldsymbol{x}}=\boldsymbol{0}
\end{aligned}

は簡単に解くことが出来る。
 もし{}^{\exists}i\in\{1,2,\cdots,m\}\ s.t.\ d_i=0ならば解を持たない。
 d_1=d_2=\cdots=d_m=0ならば、x_{r+1},\cdots,x_{n}に任意の実数\alpha_{r+1},\cdots,\alpha_{n}を代入し、その部分を移行することで

\begin{aligned}\begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_r\\x_{r+1}\\x_{r+2}\\\vdots\\x_n\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}d_1\\d_2\\\vdots\\d_r\\0\\0\\\vdots\\0\end{bmatrix}+\alpha_{r+1}\begin{bmatrix}-b_{1(r+1)}\\-b_{2(r+1)}\\\vdots\\-b_{r(r+1)}\\1\\0\\\vdots\\0\end{bmatrix}+\alpha_{r+2}\begin{bmatrix}-b_{1(r+2)}\\-b_{2(r+2)}\\\vdots\\-b_{r(r+2)}\\0\\1\\\vdots\\0\end{bmatrix}+\cdots+\alpha_{n}\begin{bmatrix}-b_{1n}\\-b_{2n}\\\vdots\\-b_{rn}\\0\\0\\\vdots\\1\end{bmatrix}
\end{aligned}

である。

2.4.2 例:一次方程式系

(1)


\begin{aligned}
\left\{
\begin{array}{ll}
\   x_1 &+2x_2&+3x_3&=4\\
\ 2x_1 &+  x_2&+3x_3&=0\\
\ -2x_1&+3x_2&+ x_3&=1
\end{array}
\right.
\end{aligned}
を解け。

上式の拡大係数行列\tilde{B}とすれば


\begin{aligned}
\tilde{B}=\begin{bmatrix}
\ 1 &2&3&4\\
\ 2 &1&3&0\\
\ -2&3&1&1
\end{bmatrix}\rightarrow \begin{bmatrix}
\ 1 &0&1&18\\
\ 0 &1&1&-7\\
\ 0 &0&0&-29
\end{bmatrix}
\end{aligned}
であるから、解は無い。

(2)


\begin{aligned}
\left\{
\begin{array}{ll}
\   x_1&- x_2&          &=-2\\
\ 3x_1&- x_2&+ x_3  &=-2\\
\ 2x_1&- x_2&+2x_3 &=-1\\
         &x_2   &-   x_3 &=  1\\
\end{array}
\right.
\end{aligned}
を解け。

上式の拡大係数行列\tilde{B}とすれば


\begin{aligned}
\tilde{B}=\begin{bmatrix}
\ 1 &-1&0&-2\\
\ 3 &-1&1&-2\\
\ 2 &-1&2&-1\\
\ 0 &  1&-1&1
\end{bmatrix}\rightarrow 
\begin{bmatrix}
\ 1 & 0&0&-1/3\\
\ 0 &  1&0&5/3\\
\ 0 & 0&1& 2/3\\
\ 0 & 0&0&0
\end{bmatrix}
\end{aligned}
より、x_1=-\displaystyle{\frac{1}{3}},x_2=\displaystyle{\frac{5}{3}},x_3=\displaystyle{\frac{2}{3}}である。

(3)


\begin{aligned}
\left\{
\begin{array}{ll}
\     x_1&+ 2x_2&-2x_3&+x_4&+3x_5&=2\\
\   2x_1&+   x_2&+2x_3&       &+x_5 &=3\\
\ -2x_1& - 3x_2&+2x_3&-x_4 &+2x_5&=1\\
\end{array}
\right.
\end{aligned}
を解け。

上式の拡大係数行列\tilde{B}とすれば


\begin{aligned}
\tilde{B}=\begin{bmatrix}
\ 1   &2 &-2&1  &3&2\\
\ 2   &1 &2  &0 &1&3\\
\ -2 &-3&2  &-1&2&1
\end{bmatrix}\rightarrow \begin{bmatrix}
\ 1  &0 & 2&0 &6&4\\
\ 0 & 1 &-2&0&-11&-5\\
\ 0 &0 &0 &-1&19&-2
\end{bmatrix}
\end{aligned}

以上から\alpha,\beta\in\mathbb{R}としてx_1=-2\alpha-6\beta+4,x_2=2\alpha+11\beta-5,x_3=\alpha,x_4=19\beta+2,x_5=\betaである。

2.4.3 一次方程式系の性質

方程式の数mと未知数の数nが等しく、係数行列Aが正則ならば、その方程式系はただ1つの解を持つ。

 定数項がすべて0であるような一次方程式系を斉次一次方程式系という。斉次方程式A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}は必ず1つの解、すなわち\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}を持つ。これを自明な解を持つ。
 もし\boldsymbol{x}_1,\boldsymbol{x}_2,\cdots,\boldsymbol{x}_kが斉次方程式A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}の解ならば、それらの線形結合a_1\boldsymbol{x}_1+a_2\boldsymbol{x}_2+\cdots+a_k\boldsymbol{x}_kも明らかにA\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}の解である。

 n個の未知数に関するm個の斉次一次方程式系


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}
\end{aligned}
において、係数行列Aの階数がrならば、上記方程式はn-r個の特別な自明でない解\boldsymbol{x}_{r+1},\cdots,\boldsymbol{x}_nを持ち、任意の解はこれらの線形結合として表される。また特別な自明でない解\boldsymbol{x}_{r+1},\cdots,\boldsymbol{x}_nはいずれもそれ以外の線形結合では表せない。

 n\gt mならば、斉次方程式系


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}
\end{aligned}
は少なくとも1つの自明でない解を持つ。

 未知数の数と方程式の数とが等しい斉次方程式が自明でない解を持つためには、係数行列が正則でないことが必要十分条件である。

 n次正方行列Aが正則であるためには、\boldsymbol{0}でない任意のn項列ベクトル\boldsymbol{x}に対してA\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}となることが必要十分条件である。

2.4.4 非斉次方程式

方程式


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{c}\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ (a)
\end{aligned}

に対し、


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}
\end{aligned}
を(a)に対応する斉次方程式といい、\boldsymbol{c}\neq\boldsymbol{0}のとき斉次方程式との対比で(a)を非斉次方程式という。

方程式


\begin{aligned}
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{c}
\end{aligned}

の1つの解を\boldsymbol{x}_0を固定すると、同方程式の任意の解はその斉次方程式の解の解に\boldsymbol{x}_0を加えることで得られる。

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