「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。データ分析・語学に力点を置いています。 →現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年1月21日改訂)。

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今日のニュース(2020年7月29日)

1.今日のポイント

【欧米】Googleによる新たな海底ケーブル敷設が新たな対立をもたらす?

【エネルギー】国際熱核融合炉の組み立て開始へ

【中加】中国・欧米関係のバロメーターはカナダ?

【日朝関係】なぜ今拉致被害者問題を米国人が取り上げるのか?

2. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,657.38
▲58.47
▲0.258%
28日終値
TOPIX
1,569.12
▲7.57
▲0.48%
28日終値
JASDAQ
164.22
0.01
0.01%
28日終値
東証マザーズ
983.72
▲10.73
▲1.08%
28日終値
日本国債10年物
0.020
▲0.001
▲4.76%
28日終値
米国
ダウ平均
26,379.28
▲205.49
▲0.776%
28日終値
S&P500
3,218.44
▲20.97
▲0.649%
28日終値
NASDAQ
10,402.09
▲134.18
▲1.27%
28日終値
SOX指数
2,060.4
▲44.22
▲2.12%
28日終値
米国債10年物
0.579
▲0.030
▲4.93%
28日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,129.26
24.36
0.398%
28日終値
DAX
12,835.28
▲3.38
▲0.0263%
28日終値
上海総合指数
3,227.96
22.73
0.707%
28日終値
印SENSEX30
38,492.95
558.22
1.46%
28日終値
外国為替
USDJPY
105.14
0.06
0.05%
29日 06:26:02
EURJPY
123.19
0.10
0.09%
29日 06:30:45
EURUSD
1.1718
0.0004
0.03%
29日 06:26:04
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
41.09
▲0.51
▲1.23%
28日終値
原油先物(Brent)
43.62
▲0.05
▲0.11%
29日 06:15:32
金先物(COMEX)
1,950.60
19.60
1.02%
28日終値
先物(COMEX)
2.9120
0.0145
0.50%
28日終値
BTCJPY(bitFlyer)
1,158,651
▲9,392
▲0.80%
29日 06:33:50

3. ニュース(1):Googleによる新たな海底ケーブル敷設が新たな対立をもたらす?

www.faz.net

  • 米アルファベット(Google親会社)が英ブードおよび西ビルバオそれぞれとニューヨークとをつなぐ海底ケーブル敷設計画に向けて動いている
  • 今回の敷設が実現すればポルトガルとアフリカ西海岸を結ぶ既存の「Equiano」ケーブルとを統合することができるが、中国からの諜報活動に脅かされるリスクがある

(1) 知っておきたいこと

 何度か海底ケーブル問題を取り上げてきたが、ちょうど日経新聞でも我が国による海底ケーブル敷設計画が取り上げられたこともあって、改めて別の視点から取り上げてみたいと思う。

www.nikkei.com

南米とアジア・オセアニアを結ぶ初の光海底ケーブル敷設計画を進めるチリ政府が日本の提案したルートを採用したという。中国も上海とチリを結ぶ計画を同時に提案してきた中でNECといった日本企業が敷設事業を受注する蓋然性が増大したという。
 さて、海底ケーブルを巡っては冷戦時代から盗聴合戦が続いてきた。今回のグーグルについても、米国ケーブルが世界中をつなぐことが米国による諜報網を拡大するのに寄与する側面がある*1

With respect to electronic espionage, one big advantage held by the United States is the key role its scientists, engineers, and corporations played in inventing and building large parts of the global telecommunications infrastructure.

 1970年代から1980年にかけて、実際に米国のインテリジェンス機関がソ連(当時)のミサイル情報などを盗聴する極秘作戦を行なってきたことが知られている:

interestingengineering.com

日本がNECという大手企業を抱えていることは、そうした合戦において対抗手段を持つことができるという意味で有用である。完全に経済的な視点だけでは物事を議論することはできないという好例である。

(2) まとめ

  • 海底ケーブルは盗聴合戦の的となるためその敷設を安直に喜ぶことができない
  • 米国によるケーブル敷設は米国による盗聴網の拡大を意味するので安全保障上の懸念がある

4. ニュース(2):国際熱核融合炉の組み立て開始へ

www.theguardian.com

  • 世界最大規模の熱核融合炉の実験が2025年の稼働を目指してフランスにて開始された
  • 日本や米国、中国などの参加国7か国が集まり、マクロン仏大統領も参加する形で式典が行われた

(1) 知っておきたいこと

 日本はこの計画において「核融合炉の主要な部品の製造を担当して」いるという*2

 さて、そもそも熱核融合とはどのような技術だろうか?日本原子力学会の論文をもとに整理してみよう*3

  1. 核融合反応とは、2つの原子核を十分に近づけて量子トンネル効果により核子を融合させる反応である
  2. 核融合炉の研究開発は最も反応が起こりやすい 、重水素からトリチウムを生成するDT 反応の利用を前提に進められている
  3. DT 反応による核融合炉では中性子(n)が発生するため構造材料が放射化するものの、低放射化材料を使用することで放射性廃棄物の放射

化レベルを減少可能である

  1. 反応に必要なヘリウム3(3He) は地球上にほとんど存在しないため月などの表面から太陽風によって注入されたHe を採取する必要がある


図表1 熱核融合反応の模式図
f:id:suguru_125:20200729071410j:plain
(出典:The Guardian*4

 これで月開発を各国が進めている理由が明らかになる。熱核融合炉の実現化へ向けて各国がしのぎを削っているが、その反応において必須であるヘリウムが取れる月の開発権益を巡って対立しているのである。
 なお「将来の核融合炉のブランケットでは、核融合反応により発生した中性子を吸収し、内部のリチウムを反応させて新しい三重水素(トリチウム)をつく」ることを想定しており、「この三重水素(トリチウム)と海水から取り出した重水素核融合炉の燃料にな」*5るのだという。それが可能なのかは詳しく調べなければならないが、福島第一原発問題もこれで解決すれば望ましいと思う。

(2) まとめ

  • 核融合反応炉は次世代のエネルギー源として有望である
  • 月面開発権益を巡る対立も熱核融合反応と関係があると考えられる

5. ニュース(3):中国・欧米関係のバロメーターはカナダ?

www.globaltimes.cn

  • 山東金グループによるカナダ金鉱山権益の獲得がカナダとの対立を深刻化させると報じられている
  • しかしカナダは中国との協力関係を深めた方がよい

(1) 知っておきたいこと

 中国人民日報系の海外版である環球時報がこの内容を取り上げたため、ここで取り上げることとする。今の米中対立はファーウェイを巡る逮捕事件がきっかけとなって一気に熾烈化した*6のは記憶に新しい。このように米英と中国の関係においてはカナダが実行役という役割を担っているようなのだ。
 米英加豪新の5か国は「Five Eyes」と呼ばれるインテリジェンス活動での協力関係を結んでいる。


図表2 Five Eyesの概要
f:id:suguru_125:20200729072037j:plain
(出典:Privacy Eyes*7

日本にいるとあまり実感しがたいが、是非理解しておきたい。

privacycanada.net

(2) まとめ

  • 中国とカナダの関係は米中対立のバロメーターと言える
  • その背景にはFive Eyesの連携がある

6. ニュース(4):なぜ今拉致被害者問題を米国人が取り上げるのか?

www.sankei.com

  • 北朝鮮にスパイ容疑で拘束され2018年5月の米朝首脳会談に先立ち解放された韓国系米国人博士ドンチョル・キム氏がインタビューに答えた
  • 同氏は、2004年ごろから拘束される2015年にかけて北朝鮮で自分の意思に反して留め置かれている「日本人7人前後とひそかに会った」と初めて証言した

(1) 知っておきたいこと

 このキム・ドンチョル氏は2015年に北朝鮮当局に拘束され、31か月北朝鮮にて捕まっていた*8というが、CIAのスパイだったことを自ら告白している*9

ドイツ公共放送局の番組で自分は米中央情報局(CIA)のスパイだったと語り、北朝鮮核兵器の機密情報を収集し、腕時計の隠しカメラで船舶などを撮影していたことを明らかにした。(…中略…)韓国でCIAの職員に雇われたのは、2011年に北朝鮮金正日キム・ジョンイル、Kim Jong-il)総書記が死去した後で、「金正日氏の死後は、後継者候補や、北朝鮮の今後についてあらゆるうわさが飛び交っていた」という。
 キム氏は、北朝鮮政府と軍事計画に関する機密情報を収集することに同意し、隠しカメラを搭載した腕時計と、耳の中に装着できる盗聴器を装備していたと話し、CIAには不正確な衛星写真しかなかった船舶の写真も撮影したと語っている。

 そういった人物が突如、拉致被害者について突然発言したことは興味深い。現在の米朝関係は複雑である。トランプ米大統領(ないしポンペオ国務長官)が北朝鮮との対話姿勢を示しても北朝鮮側はけんもほろろであった*10
 また韓国側との関係においても、Covid-19の感染例が生じたことを受けて開城団地の閉鎖を北朝鮮側を行なっている*11。こうした中で突破口を開くべく日本と北朝鮮の動きを刺激しているのか?と推察する。

(2) まとめ

  • 米国も韓国も北朝鮮との関係深化に頓挫している
  • 今回の突然の自白はそうした北朝鮮との関係を動かしていくためのものではないかと邪推する
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