「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。

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今日のニュース(2020年7月21日)

1.今日のポイント

●【米イスラエルシェヴロンがエネルギー事業を買収へ
●【ロシア】北極圏での海底ケーブル敷設へ動き始める
●【北朝鮮スペイン大手紙が日朝関係に言及
●【国際金融】金マーケットで主役が交代へ

2. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,717.48
21.06
0.0927%
20日終値
TOPIX
1,577.03
3.18
0.20%
20日終値
JASDAQ
162.16
▲0.42
▲0.26%
20日終値
東証マザーズ
987.78
2.72
0.28%
20日終値
日本国債10年物
0.019
▲0.002
▲9.52%
20日終値
米国
ダウ平均
26,680.87
8.92
0.0334%
20日終値
S&P500
3,251.84
27.11
0.837%
20日終値
NASDAQ
10,767.09
263.90
2.51%
20日終値
SOX指数
2,110.47
41.48
1.98%
20日終値
米国債10年物
0.614
▲0.015
▲2.31%
20日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,261.52
▲28.78
▲0.459%
20日終値
DAX
13,046.92
127.31
0.981%
20日終値
上海総合指数
3,314.15
100.02
3.06%
20日終値
印SENSEX30
37,418.99
398.85
1.07%
20日終値
外国為替
USDJPY
107.24
0.00
0.00%
21日 06:25:42
EURJPY
122.72
▲0.01
▲0.00%
21日 06:26:31
EURUSD
1.1444
0.0000
0.00%
21日 06:27:11
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
40.80
0.05
0.12%
20日終値
原油先物(Brent)
43.22
▲0.01
▲0.02%
21日 06:28:04
金先物(COMEX)
1,818.95
8.95
0.49%
20日終値
先物(COMEX)
2.9213
0.0168
0.58%
20日終値
BTCJPY(Bitfinex)
983,943
▲15
0.00%
21日 06:30:11

3. ニュース(1):米シェヴロンがエネルギー事業を買収へ

www.telegraph.co.uk

(1) 知っておきたいこと

  • 米石油大手のシェヴロンが同ノーブル・エナジーの一部エネルギー事業を買収することが決まった
  • シェヴロンは同社の米国シェール事業及び中東事業を50億ドルで全額株式交換によって取得する

 今回の買収の結果、シェヴロンが「デンバー・ジュールズバーグ盆地とパーミアン盆地におけるシェール生産で存在感を強める」ことが注目されているようだ*1。しかし、それ以上に注目すべきは、中東事業である。


図表1 東地中海周辺のガス田
f:id:suguru_125:20200721064133p:plain
(出典:Deutsche Welle*2

 このノーブル・エナジーイスラエルで開発しているガス田にレヴィアサン・ガス田というオフショアのガス田がある。このガス田はイスラエルのエネルギー政策を根本から変えたのだった。実際、このガス田を開発したことで、もともと天然ガスをエジプトから輸入してきたイスラエルはエジプトへの天然ガスの純輸出国になったのである。
 そんなガス田の開発者がシェヴロンに移ったのは大きな意味合いを持つように考えている。シェヴロンはいわゆるスーパーメジャーと呼ばれるグローバル・エネルギー企業の一角を担っており、2019年度ベースで世界第8位の売上規模を誇る巨大企業である*3。となれば米連邦議会への影響力も小さくはないと推察できるのであって、米国の対イスラエル政策および米国の安全保障に対しても影響力があると考えられるのである。

www.hurriyetdailynews.com

 イラン情勢をはじめとして中東全体が大きく揺れ動いている中で、エジプト議会がリビアへの派兵を昨日承認した*4。東地中海側もキナ臭くなっているのであって、そうした中で米国がこの地域へのコミットメントを深めた、という意味にも今回の買収を解釈することができるのである。

(2) まとめ

  • 今回の買収劇でのポイントはノーブル・エナジーの中東事業をスーパーメジャーが買収した点にある
  • 米国の対中東(特にイスラエル)政策にも影響を及ぼし得る

4. ニュース(2):海底ケーブル利権

jp.sputniknews.com

(1) 知っておきたいこと

  • ロシアの携帯電話大手メガフォンと国営地質探査企業ロスゲオロギヤが北極圏に通信回線を敷設するために必要な海底探査を開始した
  • この回線は欧州からアジアへのデータ転送の最短ルートになる予定だという

 国家が覇権を握るために確保すべき3つの要素があると言われているが、そのうちの2つが金融情報(通信技術)である*5。現在の情報通信技術として中核を担っているのはインターネットであるが、その通信(特に国家間でのそれ)を支えているのが、過去にも取り上げたことがあるが、実は海底ケーブルなのである。衛星を介しての無線通信も技術的には可能で実証されてはいるものの、商業面ではコスト的に厳しいものがあるため、海底ケーブルが主流である。


図表2 ユーラシア大陸を中心とした海底ケーブル網
f:id:suguru_125:20200721070625j:plain
(出典:Submarine Cable Map*6

 他方で、特にアフリカ大陸をつなぐものを中心としてGoogleFacebookなどの巨大通信企業が海底ケーブルの敷設に投資を行なってきている。その海底ケーブルの敷設といえば、投資規模が巨大になることや非常に限られた企業しかそのノウハウをもっていなかったことがあり、フィンランドノキアネットワークス(旧・仏アルカテル・ルーセント)に米タイコ*7、更にわが国のNECが寡占してきたマーケットだった。しかし今や江蘇亨通光電股分有限公司(旧・華為技術マリン・システムズ)がチャレンジャーとなって市場構造が変化している。
 国策的な意味合いが強いこともあるこのマーケットにおいて、ロシアが北極圏での敷設に動いたことは興味深い。温暖化を受けて北極航路の開発が進んできた中で、北極圏の価値向上に向けて同国が動いているからだ。とはいえ、筆者はこの動きが日本に意味を有しているかといえば疑問である。
 ロシアは昨年、インターネットの遮断実験を当局が行い成功させている*8。これは、何らかの事態が生じたときにインターネットの国外との通信をロシア当局が遮断できるようにするというものである。これを踏まえるならば、ロシアへの通信依存は安全保障上、センシティブな問題をもたらすのである。
 とはいえ、ロシアとのビジネスが今後増えていく可能性に注目するのならば、北極圏の開発に注目した方が良いのは言うまでもなく、その一つとして今回の通信ケーブル敷設にも目を向けておきたい。

(2) まとめ

  • 海底ケーブル市場は寡占市場である
  • ロシア当局はインターネット遮断実験に成功しており、ロシアを経由する通信は安全保障上のリスクが高い

5. ニュース(3):スペインが北朝鮮に注目する訳

www.elmundo.es

(1) 知っておきたいこと

  • スペインの大手日刊紙であるエル・ムンド(世界)が戦後の日朝関係に言及した
  • かつて「地上の楽園」と称された北朝鮮へ拉致された被害者について説明している

 今回、この記事を取り上げたのはその内容自体を取り上げたいからではなく、先日少し言及したスペインと北朝鮮の関係について直近で理解しておきたいことを述べるためだ。
 昨年、北朝鮮を巡る話で衝撃を与えたのが、「在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件」だった*9。これ以前もEUに準じて北朝鮮との関係を徐々に厳格にしてきたスペインではあるが、2000年代には積極的に北朝鮮とかかわってきた。そのような中でも注目すべき人物がアレハンドロ・カオ・デ・ベノス(Alejandro Cao de Benós)である。同人は北朝鮮シンパとして長年活動してきたのだが、近年では北朝鮮政府主催のブロックチェーン・仮想通貨カンファレンスにおいて運営委員長を務めているのである*10。もちろん、同人はスペインでもマークされている極左派の活動家ではあるが、スペインが北朝鮮の「近代化」に加担していることは非常に興味深い。
 余談にはなるが、このブロックチェーン・カンファレンス、技術面での顧問としてChris Emmsという英国人が関与していた*11。同人はジブラルタルで生まれており、英国とスペインと関係を有する人物なのであって、無論邪推ではあるものの、北朝鮮の仮想通貨開発にスペインと英国が関わっているという推測ができるのである。

(2) まとめ

  • スペインと北朝鮮の関係は必ずしも制裁のみを見ていては分からない
  • 北朝鮮の仮想通貨開発にもスペインが関与しているとの推測が成り立つ

6. ニュース(4):金(ゴールド)マーケットの主要プレイヤー、中央銀行

www.nikkei.com

(1) 知っておきたいこと

  • 金マーケットで主要な買い手がロシアからトルコに移りつつある
  • 米国との対立が深まってきたことを受けて米ドル決済停止リスクをヘッジすべく金買いを加速させている

 金(ゴールド)マーケットでの主要な買い手は、ヘッジファンドといった投資ファンドではなく、昔から中央銀行である。ブレトン・ウッズ体制下では金の移送を行う必然性があったためにこれは当然ではあるが、未だにそうなのである。
 その主要な取引として2010年7月29日に突如英Financial Timesがリークしたのが、「BIS金スワップ」である:

www.ft.com

簡単に説明しよう。元来、1999年9月26日締結されたワシントン合意があるために、中央銀行は売り買いできる金(ゴールド)の量を制限されていた。しかし、各国の中央銀行は「中央銀行中央銀行」と呼ばれる国際決済銀行(BIS)から金を担保に米ドルを借り入れる一方でわざとその金を「質流れ」にすることで、実質的な金売却(及び米ドル調達)を行うというスキームを構築してきた。これがBIS金スワップである。このように表向きには見えづらい形で金マーケットは価格が形成されてきたのであった(ちなみに最早このスキームは機能していない)。
 最近、中国の大手企業が偽金を用いて資金調達を行なっていたことが判明したりと、偽金問題が取り沙汰されている。これはリーマンショック後を彷彿とさせる。

news.bbc.co.uk

 このときももともと中国からこの偽金が運ばれてきたことが取り沙汰されたのだった。このように国際的な金マーケットの動きは、表層的な地政学リスクの高まりだけではない、国際政治の動きと密接にリンクしているのである。

(2) まとめ

  • 金(ゴールド)マーケットの主導役は中央銀行である
  • 中国がターゲットにされている可能性に留意すべきである
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