- 1.今日のポイント
- 3. ニュース(1):ドイツでアフリカ豚熱ウイルスが流行するか
- 4. ニュース(2):ロシアの小麦生産量
- 5. ニュース(3):米英陣営vs中イラン陣営
- 6. ニュース(4):途上国とデフォルト問題
1.今日のポイント
●【ドイツ】豚熱ウイルスの感染を防ぐべくポーランドとの国境を閉鎖へ
●【ロシア】2028年までに小麦の生産シェアが20%に
●【イラン】発電所事故が相次ぐ
●【国際金融】途上国のデフォルト問題
2. マーケット指標
指数 | 前日終値 | 増減値 | 増減率 | 日付 |
---|---|---|---|---|
日本 | ||||
日経平均 | 22,696.42 |
▲73.94 |
▲0.325% |
17日終値 |
TOPIX | 1,573.85 |
▲5.21 |
▲0.33% |
17日終値 |
JASDAQ | 162.58 |
0.09 |
0.06% |
17日終値 |
東証マザーズ | 985.06 |
▲15.88 |
▲1.59% |
17日終値 |
日本国債10年物 | 0.019 |
0.005 |
35.71% |
17日終値 |
米国 | ||||
ダウ平均 | 26,671.95 |
▲62.76 |
▲0.235% |
17日終値 |
S&P500 | 3,224.73 |
9.16 |
0.284% |
17日終値 |
NASDAQ | 10,503.19 |
29.36 |
0.28% |
17日終値 |
SOX指数 | 2,068.99 |
13.07 |
0.634% |
17日終値 |
米国債10年物 | 0.623 |
0.005 |
0.75% |
17日終値 |
欧州・アジア | ||||
英FTSE100 | 6,290.3 |
39.6 |
0.632% |
17日終値 |
独DAX | 12,919.61 |
44.64 |
0.346% |
17日終値 |
上海総合指数 | 3,214.13 |
4.03 |
0.125% |
17日終値 |
印SENSEX30 | 37,020.14 |
548.46 |
1.49% |
17日終値 |
外国為替 | ||||
USDJPY | 107.11 |
0.12 |
0.11% |
20日 06:18:19 |
EURJPY | 122.33 |
0.06 |
0.05% |
20日 06:26:35 |
EURUSD | 1.1421 |
▲0.0006 |
▲0.05% |
20日 06:27:29 |
コモディティ・その他 | ||||
原油先物(WTI) | 40.59 |
▲0.16 |
▲0.39% |
17日終値 |
原油先物(Brent) | 43.12 |
▲0.25 |
▲0.58% |
17日終値 |
金先物(COMEX) | 1,812.10 |
11.80 |
0.66% |
17日終値 |
銅先物(COMEX) | 2.9025 |
0.0010 |
0.03% |
17日終値 |
BTCJPY(bitFlyer) | 983,571 |
▲187 |
▲0.02% |
20日 06:24:45 |
3. ニュース(1):ドイツでアフリカ豚熱ウイルスが流行するか
(1) 知っておきたいこと
ドイツではCovid-19の感染が650件精肉工場で発生したことで、大きな関心が寄せられたばかりである*1。そうした苦境にある精肉業界であるが、今回の措置について非常に興味深いのが、中国への輸出を維持するために感染防止措置を取るというのである。米英らが中国を封鎖しにかかっている一方で、とはいえども巨大な中国マーケットを少なくともドイツは維持すべき尽力しているということが透けて見えるのである。欧米は全く持って一枚岩ではないという訳なのだ。
(2) まとめ
- ドイツの精肉産業の輸出先に中国マーケットがある
- 何に関しても欧米が一枚岩であると思ってはいけない
4. ニュース(2):ロシアの小麦生産量
(1) 知っておきたいこと
- ロシアの小麦生産量が2028年には世界の20%を占めるとの試算を米ナショナル・インタレスト誌が公表した
- 他方でCovid-19を受けて主要国への輸出が頓挫しており、輸入国は代替輸入先を模索する必要がある
人は生きている限り食事をする。そのため、穀物市場を制する国は力をもつこととなる。その意味ではロシアの復権が著しい。1970年代には飢餓が生じたことで、ソ連(当時)は金(ゴールド)と引き換えで米国から小麦を輸入するような国だった。それが今や小麦生産大国となっているのだ。
以下に示す図表1からも明らかなように、ロシアは小麦の輸出大国でもある。ただし、金額ベース(米ドルベース)で見たときと重量ベースで見たときでかなり印象が違うのも事実だ。ドル・ルーブルレートの問題が大きいのだろうが、他方で、単価が安いということなのかもしれない。
(図表1 グローバル規模での小麦輸出入量(左図:米ドルベース・右図:重量ベース))
さてこのように重量で見るとロシアの輸出量が非常に多いことが分かるのだが、それでも米国が小麦マーケットで大きな影響力を持つのはなぜだろうか。その1つには、先物マーケットの存在があると言える。中国が台頭しているとはいえ、商品(コモディティ)マーケットでは米国が圧倒的である。先物には参照資産が存在するが、その標準物を定めるのは、当然米国であり、たいてい米国産を水準として定めることとなる。その結果、価格決定権を米国が握ることとなるという訳だ。逆に言えば、ロシアがそのような市場を創設し、更に各国を惹きつけることができれば、彼らがグローバル・プレイヤーになることができる。もっともそのような日はまず来ないだろうが。
とはいえ、日本法人が豪州の小麦会社を買収するような動きがあるものの、ロシア産小麦がわが国に入ってくる可能性は考えた方が良いだろう。
(2) まとめ
- ロシア(旧ソ連圏)の小麦生産量が増大し続けるのは事実として受け取ってよいだろう
- ロシア産小麦がわが国に入ってくる可能性を検討しよう
5. ニュース(3):米英陣営vs中イラン陣営
(1) 知っておきたいこと
イランの発電所における爆発がここ最近続いている。去る2日のナタンズの核関連施設での火災に対しては破壊活動によるものであるとの疑いが強まっており、主にイスラエルがその犯人として疑われている。
他方で、去る17日には中国とイランがコロナウイルス感染の隠匿を行なっていたことをカナダ当局が公表した:
今の米中対立も、直接的な発端はカナダ当局によるファーウェイCFOの逮捕から始まったことを思い出して欲しい。英国もファーウェイの5G関係装備への使用を禁止しており、まさに米英対中国という構図が出来てきていたが、そこにイランが中国と結び付いたのである。イランにはロシアも接近しており、事態は複雑化している。
米中対立は一筋縄ではいかない
(2) まとめ
- 今や米中対立は「米英加豪vs中イラン露」という構図に近づきつつある
- こうした対立の演出によるボラティリティに注意(特にエネルギー)
6. ニュース(4):途上国とデフォルト問題
(1) 知っておきたいこと
- 昨日、G20会合が電話会談の形で実施された
- 世界経済の回復に向けて政策協調することと途上国の債務返済について猶予期間の延長を検討することで一致した
途上国とビジネスをする際、良く日本国(またはその関係機関)が借款を行ない、それを元手に日本企業へビジネスを依頼するというやり方がある。しかし、国によっては必ずしもその借款を返済できるわけではない。そもそもその借款の目的がダムなどのインフラであれば、多国が関わることもあり得る。そうした国家対国家の債務調整のためのリーグ・テーブルとして「パリ・クラブ(Club de Paris)」がある。
紳士倶楽部という体裁を取ってはいるものの、フランス財務省の中にある組織であり、国際金融の世界では非常に著名な組織である。そのパリ・クラブはG20への提言としてこのような発言を行なっている*3: