「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。データ分析・語学に力点を置いています。 →現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年1月21日改訂)。

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今日のニュース(2020年8月07日)

1.今日のポイント

(1)【米国・中東】フック米国務省上級政策顧問兼政策企画本部長が退任へ

(2)【スイス】商品先物取引の巨頭、苦境に喘ぐ

(3)【環境】なぜグローバル企業は水をビジネスにするのか?

(4)【日本】天皇陛下はおことばを発しないのか?

2. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,418.15
▲96.7
▲0.43%
06日終値
TOPIX
1,549.88
▲4.83
▲0.311%
06日終値
JASDAQ
164.54
0.31
0.189%
06日終値
東証マザーズ
1,023.14
▲7.12
▲0.693%
06日終値
日本国債10年物
0.014
▲0.002
▲12.50%
06日終値
米国
ダウ平均
27,386.98
185.46
0.679%
06日終値
S&P500
3,349.16
21.39
0.641%
06日終値
NASDAQ
11,108.07
109.67
1.00%
06日終値
SOX指数
2,204.94
▲2.62
▲0.119%
06日終値
米国債10年物
0.538
▲0.005
▲0.94%
06日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,026.94
▲77.76
▲1.28%
06日終値
DAX
12,591.68
▲68.57
▲0.543%
06日終値
上海総合指数
3,386.46
8.9
0.263%
06日終値
印SENSEX30
38,025.45
362.12
0.957%
06日終値
外国為替
USDJPY
105.52
▲0.02
▲0.02%
07日 06:33:02
EURJPY
125.33
0.00
0.00%
07日 06:33:43
EURUSD
1.1877
0.0002
0.02%
07日 06:34:36
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
41.95
▲0.24
▲0.57%
06日終値
原油先物(Brent)
45.12
0.00
0.00%
07日 06:34:23
金先物(COMEX)
2,064.00
26.90
1.32%
06日終値
先物(COMEX)
2.9133
▲0.0037
▲0.13%
06日終値
BTCJPY(bitFlyer)
1,247,622
3,122
0.25%
07日 06:37:50

3. ニュース(1):【米国・中東】フック米国務省上級政策顧問兼政策企画本部長が退任へ

thehill.com

  • 米国のイラン担当特別代表であるフック米国務省上級政策顧問兼政策企画本部長が辞任しつつあると国務省が公表した
  • 同部長の後任はエリオット・エイブラムス・ベネズエラ担当特別代表となる

(1) 知っておきたいこと

 辞任理由は公開されておらずこの後は民間企業に移るとのことだが、「イランへの武器禁輸措置の延長を強く求め、国連安全保障理事会では来週に米国がまとめた決議案の採決に向けて準備を進めている」最中でその責任者が突如辞任するということで話題を集めている*1。米国の官界ではリボルビング・ドア・システムが一般的になっており、政財官の中で巧みにキャリアアップしていく。その際には自分の利益のためにその職を利用したのではないかと疑いたくなるような場合もある(その典型はブッシュ(子)政権でのチェイニー副大統領の動きである。)。
 ということもあり、フック特別代表の辞任に当たっては個人側の理由と国務省側の理由つの可能性を考える必要がある:

  1. 国務省側のトランプ政権の対イラン強硬化:国務省が対イラン政策についてより強硬な姿勢を取ることを求めて、フックの交代を依頼したもの。仮にそうであるならば、本人には大きな異存は無いようだ
  2. 個人的な理由:これは更に2つに類別できる。一つは本人が新たなキャリアを希求したもの。もう一つは本人の体調不良といった、ある意味で偶発的な事由である。とはいえ、そうであればその理由を公表してもよさそうである*2

 いずれにせよ、後任について考えなければならない。エリオット・エイブラムスは「イランゲート事件」(レーガン政権がイランに極秘裏に武器を売却して得た資金でニカラグアの反サンディニスタのコントラを支援していた事件)において政権の関与について虚偽の発言を行なったとして処罰を受けた人物である*3。他方で中東の専門家かつ新保守的な人物であり、イスラム国(IS)への対応としてクルド人やシリアの反政府組織への支援を主張してきた*4。直近ではベネズエラ特別代表として同国への強硬な対応を指揮してきたうえ、直近のイランによるベネズエラへの原油供給にも携わってきたのである。こうした人物がイラン問題を担当する以上、米国の対イラン制裁がさらに強化されていくのは不可避である。
 気になるのは、仮にトランプ大統領が当選しなかったとして、イランへの対応が融和化に至るのか、である。たとえ政権が代わって方針が大きく変わるのが米国の政界の特徴であるといっても、相手あっての外交であり、前の政権で相手と約束したことを即座に否定するとは限らない。また否定するにしてもそこで何らかの交渉が発生することとなる。つまり、このエイブラムスが何をなすのかがこの後の米イラン関係へ小さくない影響を与えうるので注目していきたい。

(2) まとめ

  • 後任はイラン・コントラ事件にも関わった対イラン強硬派である
  • 米イラン関係は更に緊張化するのが必須である中で交渉・合意が発生するかに注目せよ

4. ニュース(2):【スイス】商品先物取引の巨頭、苦境に喘ぐ

https://www.nzz.ch/wirtschaft/glencore-hybrides-geschaeftsmodell-hat-nachteile-ld.1570072www.nzz.ch

  • グレンコア社の鉱山事業が商品取引事業では賄えないほどの赤字を抱えている
  • 同社の鉱山事業はまた鉱山周辺の市民生活を悪化させてきたとして批判を受けてきた

(1) 知っておきたいこと

 グレンコアは世界での最大手の鉱山企業である。亜鉛の取引量は世界シェアの60パーセント、銅のそれは50パーセント近くを占めているほどだ。しかしアングロ・アメリカンといった競合と共に、石炭の取り扱いに関して基金ガイドラインに抵触するという理由で、ノルウェー政府年金基金ポートフォリオから駆逐されたばかりであった*5
 ここで憂慮しなければならないのが、同社が鉱山事業の売却に走るか否かである。ここ最近、中国企業による鉱山買収について米英を中心に当局からの「待った!」がかかっている*6。グレンコアは商品取引業を通じて最近のコモディティ・マーケットの動きから裨益しているとはいえ、スイス当局も中国と距離を取るかのような動きを示している*7以上、それが更なる争点をもたらす蓋然性は高いだろう。

(2) まとめ

  • 鉱山企業はマクロ経済だけでなく、株主からも距離を置かれている
  • グレンコアが中国に接近することで、中国を巡る更なる外交問題をもたらす可能性がある

5. ニュース(3):【環境】なぜグローバル企業は水をビジネスにするのか?

www.theguardian.com

  • 中欧で干ばつが生じる確率が過去の7倍にまで達しているとの研究結果が公表された
  • 適切な二酸化炭素排出量の削減でその蓋然性を半減できる

(1) 知っておきたいこと

 二酸化炭素排出量を巡る議論はさまざまあるが、筆者自身は温暖化の原因として二酸化炭素排出量を持ってくる議論には与しない。これを議論すると限りがないのでここではしないが、スベンスマルク効果の方がより深刻ではないか、と、温暖化一辺倒というよりは気候「変動」、つまり乱れているとの認識の方が妥当である、と考えている。
 さて、ここで考えたいのはそれではなく、これによりもたらされる水不足である。直近では無印良品が水道水供給サービスを始めることが話題を集めた*8。中東での水問題について度々言及してきたが、それはサウジアラビアで水源が枯渇しつつあることが象徴するように、中東で水資源の確保が至上命題になっているのだ。また異常降雨で治水が改めて注目を集めている。
 これらを受けてSDGsでも水が注目されているのであるし、また水源地をさまざまな企業や富裕層が狙ってきたのである。ニュージーランドに中国人が殺到し、不動産価格が暴騰してきたのもそれが一因であると聞いたことがある。わが国でも地方の水源に外国人が密かに集まっているらしい。水源の確保が安全保障上の至上命題となっている。まただからこそビジネスチャンスとなっている。

(2) まとめ

  • 気候変動の結果、各国で水源の確保が安全保障上の重大問題になっている
  • だからこそ企業にとってはビジネスチャンスである

6. ニュース(4):【日本】天皇陛下はおことばを発しないのか?

www.sankei.com

  • 天皇陛下は7月31日、延期されていた春の叙勲の大綬章親授式に臨まれた
  • 8月4日には、関田康雄・気象庁長官と青柳一郎・内閣府政策統括官(防災担当)から豪雨の仕組みや被害状況、被災地の感染症対策などについて説明を受けられた

(1) 知っておきたいこと

 「週刊・新潮」今週号の表紙を見ると興味深い一文がある。「特集 天皇の沈黙」である。欧州王室の積極的な発言に比して天皇陛下が沈黙を守っていることについて指摘するものだ*9。その背景には、ZoomなどのIT機器やSNSを利用するのに積極的な天皇陛下に近い宮内庁側近とそれに消極的な事務方(政権側)の対立があるようだ。また政治性に対する天皇陛下の憂慮もあるという。
 上皇陛下が退位時になさった「おことば」が大きな影を落としているようだが、このままであれば、天皇陛下が「埋もれて」いくことは必至である。他方で秋篠宮殿下についても政権が人事を用いてその動きに制約を掛けている*10。ということは、安倍政権が終わった後の宮中がカギになり得る。注目していきたい。

(2) まとめ

  • 安倍政権がある限り、天皇陛下が動くことは難しいだろう(安倍政権から変わったとしてもそのままである蓋然性も十分ある)
  • 天皇陛下SNSを使って積極配信する可能性も見越しておきたい
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