以下の書籍
を中心に時系列解析を勉強していきます。
前回
12. 線形・Gauss型状態空間モデルの一括解法
12.1 Wienerフィルタ
線形・型状態空間モデルにおいて、データの真の値と点推定値との平均二乗誤差を最小にするという意味で一括推定法は
フィルタと呼ばれる。
フィルタは定常な時系列を前提としている。参考として
フィルタの概要を述べる。
12.1.1 z変換
まず離散データに対する一般的な周波数領域変換として変換を
で定義する。
定義より
が成り立つ。
任意の周期的な時系列データの
変換を
とするとき、周波数スペクトルのエネルギーであるを時間で割って規格化しその極限を取ったパワースペクトル
について、
を定常過程の相関関数として
が成り立つという-
の定理が知られている。
入力を、そのインパルス応答を
、そして出力を
とするとき、入出力の関係が線形で、入力を時間シフトさせると同じ間隔だけ出力も時間シフトする場合、そのようなシステムを線形時不変システムと呼ぶ。線形時不変システムの出力は、その定義から畳み込み和
で定義できる。ここでは畳み込み和の演算子を表す。
時間領域における畳み込みは、変換の定義から周波数領域では積で表すことができる、すなわち
が成り立つ。ここで変換が
の関数でもあることから、
を
の関数と見て
とおけば
と書ける。このを伝達関数と呼ぶ。
参考文献
*1:知りたい信号をこの分野では所望信号というらしい。