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計量経済学の基礎(15/22)

 計量経済学を学んでいく。
 まずは

を中心に参照して基礎を学んでいく。

今日のまとめ

  • 攪乱項の間に相関が存在する場合、とくに時系列データを用いて構築されたモデルにおいて攪乱項の間に相関がある、すなわち
    \begin{aligned}\mathrm{Cov}[\varepsilon_i,\varepsilon_j]\neq0,\ i\neq j\end{aligned}
    が成り立つときを系列相関があるという。

8. 一般化古典的回帰モデル

 古典的過程モデルにおいて攪乱項の分散に関する仮定

  • \boldsymbol{\varepsilon}の分散は一定で各要素が他から独立している。

を除いた3つの仮定

  (1) \boldsymbol{X}は非確率的である。
  (2) \mathbb{E}[\boldsymbol{Y}]=\boldsymbol{X\beta}であり\mathbb{E}[\boldsymbol{\varepsilon}]=\boldsymbol{0}
  (3) \boldsymbol{X}の階数はkである。

を置いた回帰モデルを一般化古典的回帰モデルと呼ぶ。

8.3 系列相関

 攪乱項の間に相関が存在する場合、とくに時系列データを用いて構築されたモデルにおいて攪乱項の間に相関がある場合、系列相関があるという。すなわち系列相関がある場合、


\begin{aligned}
\mathrm{Cov}[\varepsilon_i,\varepsilon_j]\neq0,\ i\neq j
\end{aligned}

が成り立つときをいう。

8.3.1 系列相関の原因

 系列相関が発生するのは2つの原因がある:

  (1)   攪乱項が本当に自己相関を持つ。
  (2)   モデルの設定が誤っている:
    (a) 説明変数が持続的ないし循環的な動きをする。
    (b) 正しいモデルに含まれる説明変数を構築したモデルから誤って除外した。
    (c) 正しいモデルに含まれるラグを持つ説明変数を構築したモデルから誤って除外した。
    (d) モデルの関数形を誤った。
    (e) 説明変数として用いるデータの加工方法により自己相関が発生した。
8.3.2 1階の系列相関

 系列相関の最も簡単な形は直前期の攪乱項による1階の自己回帰過程


\begin{aligned}
\varepsilon_t=\rho\varepsilon_{t-1}+\nu_t
\end{aligned}

で書ける場合である。ここで|\rho|\leq1\nu_tは毎期独立で過去の\varepsilonも独立だとする。
 また


\begin{aligned}
\mathrm{V}[\varepsilon_t]=\sigma^2,\mathrm{V}[\nu_t]=\sigma_{\nu}^2,
\end{aligned}

とする。この仮定から、


\begin{aligned}
&\mathrm{V}[\varepsilon_t]=\mathrm{V}[\rho\varepsilon_{t-1}]+\mathrm{V}[\nu_t]\\
\Leftrightarrow\ &(1-\rho^2)\sigma^2=\sigma_{\nu}^2
\end{aligned}

が成り立つ。
 攪乱項間の共分散は\rhoに依存する。実際


\begin{aligned}
\mathrm{Cov}[\varepsilon_t,\varepsilon_{t-1}]&=\mathrm{Cov}[\rho\varepsilon_{t-1}+\nu_t,\varepsilon_{t-1}]\\
&=\rho\mathrm{V}[\varepsilon_{t-1}]+\mathrm{Cov}[\nu_t,\varepsilon_{t-1}]\\
&=\rho\sigma^2
\end{aligned}

が成り立つ。これを繰り返すことで\varepsilon_t,\cdots,\varepsilon_{t-T+1}の分散共分散行列は


\begin{aligned}
\Sigma=\sigma^2\begin{bmatrix}
1         &\rho  &\rho^2&\cdots&\cdots&\rho^{T-1}\\
\rho       &1     &\rho  &\rho^2&\cdots&\vdots    \\
\rho^2     &\rho  &1     &\ddots&\ddots&\vdots    \\
\rho^3     &\rho^2&\ddots&\ddots&\ddots&\rho^2    \\
\vdots    &\vdots&\ddots&\ddots&1     &\rho      \\
\rho^{T-1}&\cdots&\cdots&\rho^2&\rho  &1
\end{bmatrix}
\end{aligned}

を得る。

8.3.3 OLSEの性質

 2変数回帰モデルにおいて1階の系列相関がある場合のOLSEの性質を調べる。モデル


\begin{aligned}
Y_t=\alpha+\beta X_t+\varepsilon_t
\end{aligned}

を前提とする。
 観測値X_1,\cdots,X_t,\cdots,X_nに対して


\begin{aligned}
\hat{\beta}=\beta+\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}X_t\varepsilon_t}}{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}{X_t}^2}}}
\end{aligned}

であり、\mathrm{E}[\varepsilon_t]=0である限り不偏性が保たれる。
 また


\begin{aligned}
\mathrm{V}[\hat{\beta}]=\mathrm{V}\left[\displaystyle{\frac{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}X_t\varepsilon_t}}{\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}{X_t}^2}}}\right]
\end{aligned}

において分子部分は


\begin{aligned}
\mathrm{V}\left[\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}X_t\varepsilon_t}\right]&=\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}\sum_{s=1}^{n}x_t x_s\mathrm{Cov}[\varepsilon_t,\varepsilon_s]}\\
&=\sigma^2\left(\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}{x_t}^2+\displaystyle{\sum_{t=1}^{n}\sum_{s\neq t}x_{t}x_{s}{\rho}^{|t-s|} }}\right)
\end{aligned}

となり、共分散の部分だけ古典的回帰モデルにおける分散とは値が異なる。

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