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やりなおしの数学・線形代数篇(24/26)

 定番書

を基に線形代数を学び直していく。

今日のまとめ

  • k次数行列
    \begin{aligned}\begin{bmatrix}\alpha&1        &0         &\cdots&0       \\0        &\alpha&\ddots&          &\vdots\\\vdots&0        &\ddots&\ddots&\vdots\\\vdots&          &          &\ddots&1        \\0        &0        &\cdots&\cdots&\alpha\end{bmatrix}\end{aligned}
    固有値\alphaに対するk次Jordan細胞といい、J(\alpha,k)で表す。
  • Jordan細胞J(\alpha,k)の特性行列
    \begin{aligned}xI-J(\alpha,k)=\begin{bmatrix}x-\alpha&-1           &0        &\cdots&0         \\0            &x-\alpha&-1       &           &\vdots\\\vdots    &\vdots   &\ddots&\ddots&\vdots\\\vdots    &\vdots   &          &\ddots&-1\\0            &0           &\cdots&\cdots&x-\alpha\end{bmatrix}\end{aligned}
    を特性Jordan細胞という。
  • 任意の正方行列AはJordan細胞の並べ方を除いてただ1つのJordan行列Jに相似である。このJAのJordan標準形という。

6. 単因子およびJordan標準形

6.1 単因子


変換公式 冪次数がknx-行列P(x)

\begin{aligned}
P(x)&=P_0 x^{k}+P_1 x^{k-1}+\cdots+P_{k-1} x+P_k,\ P\neq O,\\
P(x)&=P_1(x)(xI-B)+P
\end{aligned}

と表されるならば、


\begin{aligned}
P=P_0 B^k+P_1 B^{k-1}+\cdots+P_{k-1}B+P_k
\end{aligned}

が成り立つ。同様に
\begin{aligned}
Q(x)&=Q_0 x^{k}+Q_1 x^{k-1}+\cdots+Q_{k-1} x+Q_k,\ Q\neq O,\\
Q(x)&=(xI-A)Q_1(x)+Q
\end{aligned}

と表されるならば、


\begin{aligned}
Q=A^k Q_0+A^{k-1}Q_1+\cdots+A Q_{t-1}+Q_t
\end{aligned}

が成り立つ。

(\because kに関する数学的帰納法により示す。k=0ならば明らかである。k\gt0としてk-1以下において命題が成立すると仮定する。このとき

\begin{aligned}
P^{\prime}(x)&=P(x)-P_{0}(xI-B)x^{k-1}\\
&=(P_1+P_0 B)x^{k-1}+P_2 x^{k-2}+\cdots+P_{k-1} x+P_k
\end{aligned}

の冪次数はk-1次以下であり、


\begin{aligned}
P^{\prime}(x)=P_1^{\prime}(x)(xI-B)+P
\end{aligned}

が成り立つ。数学的帰納法の仮定から


\begin{aligned}
P&=(P_1+P_0 B)B^{k-1}+P_2 B^{k-2}+\cdots+P_{k-1}B+P_k\\
&=P_0 B^k+P_1 B^{k-1}+\cdots+P_{k-1}B+P_k
\end{aligned}

を得る。したがってkでも成り立つ。Q(x)に関しても同様に成立する。 \blacksquare)


 A,Bが相似であるとき、B=P^{-1}APを求める手順は下記のようになる。
 まずxI-A, xI-Bは対等であるから、xI-Aは有限回の基本変形によりxI-Bに達する。そのうち右基本変形(列に関するもの)のみを取り出し、対応する基本行列をその順序に掛け合わせたものをP(x)とする。


\begin{aligned}
P(x)=P_0 x^k+P_1 x^{k-1}+\cdots+P_{k-1}x+P_k
\end{aligned}

ならば、


\begin{aligned}
P=P_0 B^{k}+P_1 B^{k-1}+\cdots+P_{k-1}B+P_k
\end{aligned}

が求める行列である。
 もしくは、左基本変形に対応する基本行列の逆行列をその順序に掛け合わせたものをQ(x)とする。


\begin{aligned}
Q(x)=Q_{0}x^{l}+Q_{1}x^{l-1}+\cdots+Q_{l-1}x+Q_l
\end{aligned}

ならば


\begin{aligned}
P=Q=A^{l}Q_{0}+A^{l-1}Q_{1}+\cdots+AQ_{l-1}+Q_l
\end{aligned}

が求める行列である。

 たとえば


\begin{aligned}
A=\begin{bmatrix}0&2&1\\-4&6&2\\4&-4&0\end{bmatrix},\ B=\begin{bmatrix}2&1&0\\0&2&0\\0&0&2\end{bmatrix}
\end{aligned}

としてP(x)を求める。
 特性行列xI-A,\ xI-B基本変形していくと


\begin{aligned}
xI-A&=\begin{bmatrix}x&-2&-1\\4&x-6&-2\\-4&4&x\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&-2&x\\2&x-6&4\\-x&4&-4\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&-2&x\\0&x-2&-2x+4\\0&-2x+4&x^2-4\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&0&0\\0&x-2&-2(x-2)\\0&-2(x-2)&(x+2)(x-2)\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&0&0\\0&x-2&-2(x-2)\\0&0&(x+2)(x-2)-4(x-2)\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&0&0\\0&x-2&0\\0&0&(x-2)^2\end{bmatrix}\\
xI-B&=\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&x-2&0\\0&0&x-2\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}(x-2)^2&-(x-2)&0\\0&x-2&0\\0&0&x-2\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}(x-2)^2&0&0\\0&x-2&0\\0&0&1\end{bmatrix}\\
&\rightarrow\begin{bmatrix}1&0&0\\0&x-2&0\\0&0&(x-2)^2\end{bmatrix}
\end{aligned}

であり、これらの単因子はともにe_1(x)=1,e_2(x)=x-2,e_3(x)=(x-2)^2であるから、A,Bは相似である。


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}x&-2&-1\\4&x-6&-2\\-4&4&x\\1&0&0\\0&1&0\\0&0&1\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-2&-1\\x-2&x-6&-2\\0&4&x\\1&0&0\\1&1&0\\0&0&1\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-2&-1\\0&x-4&-1\\0&4&x\\1&0&0\\1&1&0\\0&0&1\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-2&-1\\0&-1&x-4\\0&4&x\\1&0&0\\1&0&1\\0&1&0\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&-1&x-2\\0&x&4-2x\\1&0&0\\1&0&1\\0&1&-2\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&x-1&0\\0&x&4-2x\\1&0&0\\1&0&1\\0&1&-2\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&x-2&0\\2x-4&x-2&4-2x\\1&0&0\\1&0&1\\0&1&-2\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&x-2&0\\0&x-2&4-2x\\1&0&0\\2&0&1\\-2&1&-2\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}x-2&-1&0\\0&x-2&0\\0&0&x-2\\1&0&0\\2&0&1\\-2&1&-2\end{bmatrix}\\
\end{aligned}

であるから、


\begin{aligned}
P(x)=\begin{bmatrix}1&0&0\\2&0&1\\-2&1&-2\end{bmatrix}
\end{aligned}

を得る。冪次数が0であるからP=P(x)である。

6.2 Jordan標準形

 以降、K=\mathbb{C}とする。mx-行列A(x)およびnx-行列B(x)に対して


\begin{aligned}
A(x)\oplus A_2(x)\oplus\cdots\oplus A_k(x):=\begin{bmatrix}A_1(x)&O&\cdots&O\\O&A_2(x)&\cdots&O\\\vdots&\vdots&\ddots&\vdots\\O&O&\cdots&A_k(x)\end{bmatrix}
\end{aligned}

A_1(x),\cdots,A_k(x)の直和という。
 さてk次数行列


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
\alpha&1        &0         &\cdots&0       \\
0        &\alpha&\ddots&          &\vdots\\
\vdots&0        &\ddots&\ddots&\vdots\\
\vdots&          &          &\ddots&1        \\
0        &0        &\cdots&\cdots&\alpha
\end{bmatrix}
\end{aligned}

固有値\alphaに対するk次Jordan細胞といい、J(\alpha,k)で表す。


\begin{aligned}
J(\alpha,1)=(\alpha),\ J(\alpha,2)=\begin{bmatrix}\alpha&1\\0&\alpha\end{bmatrix},\  J(\alpha,3)=\begin{bmatrix}\alpha&1&0\\0&\alpha&1\\0&0&\alpha\end{bmatrix}
\end{aligned}

 さまざまな固有値に対する様々な次数のJordan細胞の直和をJordan行列という。


\begin{aligned}
J=\begin{bmatrix}J_1&     &          &\\     &J_2&           &\\     &     &\ddots&\\     &     &           &J_s\end{bmatrix}
\end{aligned},\ J_i=J(\alpha_i,k_i),i=1,2,\cdots,s

 以降は、任意の複素行列がJordan細胞の並べ方を除いて一意的にJordan行列に相似であることを証明することを目標とする。

すでに示したとおり、Aの特性解\alpha_1,\cdots,\alpha_nがすべて相違するならば、AはJordan行列


\begin{aligned}
J(\alpha_1,1)\oplus J(\alpha_2,1)\oplus\cdots\oplus J(\alpha_n,1)
\end{aligned}

に相似である。


直和と標準形の対等性 必ずしも次数の等しくない標準形x-行列A(x),B(x)

\begin{aligned}
A(x)=\begin{bmatrix}
1&        & &\\
 &1       & &\\
 & &\ddots& &\\
 & &      &1&\\
 & &      & &f(x)
\end{bmatrix},\ B(x)=\begin{bmatrix}
1&        & &\\
 &1       & &\\
 & &\ddots& &\\
 & &      &1&\\
 & &      & &g(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}

とする。

  • g(x)f(x)で割り切れるならば、A(x)\oplus B(x)およびB(x)\oplus A(x)は共に標準形


\begin{aligned}
A(x)=\begin{bmatrix}
1&        & &&\\
  &1       & &&\\
  & &\ddots& &&\\
  & &      &1&&\\
  & &      & &f(x)&\\
  & &      & &&g(x)\\
\end{bmatrix}
\end{aligned}
に対等である。

  • f(x),g(x)が共通因子を持たないならば、A(x)\oplus B(x)は標準形


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1&        & &\\
 &1       & &\\
 & &\ddots& &\\
 & &      &1&\\
 & &      & &f(x)g(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}
に対等である。
(\because 1番目はA(x)\oplus B(x)の列および行の交換によって簡単に得られる。
 2番目は、f(x),g(x)の最大公約数は1であるから、

\begin{aligned}
f(x)u(x)+g(x)v(x)=1
\end{aligned}

となる多項式u(x),v(x)が存在する。
 A(x)\oplus B(x)をまず最初に示した式の形に変形し、右下の2次行列


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}f(x)&0\\0&g(x)\end{bmatrix}
\end{aligned}

に注目する。すると


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}1&v(x)\\-g(x)&f(x)u(x)
\end{bmatrix}\begin{bmatrix}f(x)&0\\0&g(x)\end{bmatrix}\begin{bmatrix}u(x)&-g(x)v(x)\\1&f(x)\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}1&0\\0&f(x)g(x)\end{bmatrix}
\end{aligned}

が成り立つ。左辺の両側にあるx-行列は、行列式1であるため可逆である。したがって


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}f(x)&0\\0&g(x)\end{bmatrix}\sim 
\begin{bmatrix}1&0\\0&f(x)g(x)\end{bmatrix}
\end{aligned}

が成り立つ。 \blacksquare)

6.2.1 特性Jordan細胞

 Jordan細胞J(\alpha,k)の特性行列


\begin{aligned}
xI-J(\alpha,k)=\begin{bmatrix}
x-\alpha&-1           &0        &\cdots&0         \\
0            &x-\alpha&-1       &           &\vdots\\
\vdots    &\vdots   &\ddots&\ddots&\vdots\\
\vdots    &\vdots   &          &\ddots&-1\\
0            &0           &\cdots&\cdots&x-\alpha
\end{bmatrix}
\end{aligned}

を特性Jordan細胞という。これは標準形


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1&  &           &\\
  &1&           &\\
  &  &\ddots&\\
  &  &           &(x-\alpha)^k
\end{bmatrix}
\end{aligned}

に対等である。
 この事実を踏まえてn次Jordan行列
J=J_1\oplus J_2\oplus\cdots\oplus J_sの特性行列


\begin{aligned}
xI-J=\begin{bmatrix}
xI-J_1&      &      &      \\
      &xI-J_2&      &      \\
      &      &\ddots&      \\
      &      &      &xI-J_s
\end{bmatrix}
\end{aligned}

の標準形を求める。
 Jの相違する固有値\alpha_1,\alpha_2,\cdots,\alpha_pとする。各\alpha_iに対するxI-Jの特性Jordan細胞のうち、次数が最大であるものを取り、それらの直和をK_1とする(ただしある\alpha_iに対する最大次数の特性Jordan細胞が2つ以上ある場合、そのうちの1つを取る。)。
 前述した定理の2つ目の命題から、K_1の標準形は


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1& &      &\\
 &1&      &\\
 & &\ddots&\\
 & &      &e_n(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}

の形で表される。
 次に各\alpha_iに対する、次数が2番目に大きい特性Jordan細胞を取り、それらの直和をK_2とする。ただし、ある\alpha_iに対する最大次数の特性Jordan細胞が2つ以上ある場合、K_1に含めなかったもののうちから1つを取る。またある\alpha_iに対する特性Jordan細胞が1つしかない場合、今度は取らない。同様に前述した定理の2番目の命題から、


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1& &      &\\
 &1&      &\\
 & &\ddots&\\
 & &      &e_{n-1}(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}

の形である。K_1,K_2の取り方により、e_n(x)e_{n-1}(x)で割り切れる。
 この操作をすべての特性Jordan細胞が漏れなく1回ずつ取り尽くされるまで続ければ、x-行列の列K_1,\cdots,K_rが得られる。構成方法から明らかにxI-JK_1,\cdots,K_rの直和に対等である。またK_iは標準形


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1& &      &\\
 &1&      &\\
 & &\ddots&\\
 & &      &e_{n-i+1}(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}

に対等であり、e_{n-i+1}(x)e_{n-i}(x)で割り切れる。したがってxI-Jの標準形は


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
1& &      &            &      &      \\
 &1&      &            &      &      \\
 & &\ddots&            &      &      \\
 & &      &e_{n+r-1}(x)&      &      \\
 & &      &            &\ddots&      \\
 & &      &            &      &e_n(x)
\end{bmatrix}
\end{aligned}

である。以上の結果などから、2つのJordan行列が相似であるのは、一方が他方のJordan細胞を並べ替えただけのものである場合に限る。
 逆にn個の0でない多項式e_1(x),e_2(x),\cdots,e_n(x)が与えられ、e_i(x)e_{i-1}(x)で割り切れるならば、これを単因子とするJordan行列が、Jordan細胞の並べ方を除いてただ一つ存在する。
 実際、e_1(x)=\cdots=e_{n-r}(x)=1,\ e_{n-r-+1}(x)\neq1とするとき、e_{n-r+1}(x),\cdots,e_n(x)(x-\alpha)^kの形の積に分解し、各(x-\alpha)^{k}に対応するJordan細胞J(\alpha,k)すべての直和を作ればよい。

 さて任意のn次行列Aに対し、特性行列xI-Ax-行列としての階数はnであるから、以下が成り立つ:


Jordan標準形 任意の正方行列AはJordan細胞の並べ方を除いてただ1つのJordan行列Jに相似である。このJAのJordan標準形という。




 行列Aが対角行列に相似であるためには、Aの特性行列xI-Aの最後の単因子e_n(x)が相違する一次因数の積に分解されること(e_n(x)=0が重解をもたないこと)が必要十分である。

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