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今日のまとめ
4. 数列
4.13.3 比較判定法(続き)
各項の符号が交互に替わる級数を交代級数という。交代級数には以下のような収束性を判定する定理が存在する。
(と部分和を定義すると、
が成り立つ。したがっては単調増加列、
は単調減少列であり、これらは更に
を満たす。
ここから
が得られるから、は上に有界な単調増加列、
は下に有界な単調減少列であるから、極限
が存在する。
これにより
の右辺および左辺それぞれの極限を取ることで
を得る。以上よりとなり、したがって交代級数
は収束する。
)
数列に対して級数
が収束するとき、級数
は絶対収束するといい、このとき
を絶対収束級数という。このとき以下が成り立つ:
が成り立つ。仮定よりは収束するから、上式の右辺は
とともに
に収束する。したがって級数
は収束する。
)
この逆は成り立たない。実際、
は収束するものの
は無限大に発散する。一般に、が無限大に発散し
が収束するとき、
は条件収束するという。
は正項級数であるから、この級数が絶対収束するかどうかについては、正項級数の収束判定法が活用できる。