定番書
を基に線形代数を学び直していく。
今日のまとめ
- 次正方行列の第行、第列を除いてできる次正方行列に符号を掛けたものをの第余因子という。
- 余因子を成分にもつような行列を余因子行列という。
3. 行列式
3.3 行列式の展開
3.3.1 余因子
次正方行列の第行、第列を除いてできる次正方行列をの第小行列式といい、それに符号を掛けたものをの第余因子という。
次正方行列の第余因子をで表すとき、
これらをそれぞれ第列、第行に関する行列式の展開という。
( 行列式の性質より
一般のに関しては第列を一番左に移動すれば、行列式は倍されるので両辺をで割ればよい。 )
例:行列式
を計算せよ。第2行の倍をそれぞれ第1行、第3行から引き、第2行の倍を第4行に加えれば
3.3.3 余因子行列
余因子を成分にもつような行列を余因子行列という。
次正方行列の余因子行列をとすれば
が成り立つ。また次正方行列が正則であるで、このときである。3.3.2 Cramérの公式
方程式
(ただしは正則、は次元で未知の列ベクトル、は次元列ベクトル)について
である。ここで前節の結果を代入すれば
ここで最右辺のベクトルの第成分は行列の第列をに置き換えた
を用いることで
- Cramérの公式