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コンピュテーショナル・ファイナンス(その01/X)

 古典的名著

を基に「コンピュテーショナル・ファイナンス」を学んでいきます。

1. コンピュテーショナル・ファイナンスとはなにか?

 本書は金融資産の価格決定式に関わる数値計算問題をコンピュテーショナル・ファイナンスの問題として検討する。

1.1 リスク中立化法による評価

 将来キャッシュフローの期待値を現在価値に引き戻したものをオプション価格とする。
 たとえばヨーロピアン・コール・オプションの場合、以下のとおりとなる:


\begin{aligned}
C_0&=e^{-r_d T}E\left[\tilde{C}_T \right]\\
&=e^{-r_d T}\int_{-\infty}^{\infty}\max\left\{\tilde{S}_T-K,0\right\}f(\tilde{S}_T)d\tilde{S}_T\\
&=e^{-r_d T}\left[\int_{K}^{\infty}\tilde{S}_Tf(\tilde{S}_T)d\tilde{S}_T-K\int_{K}^{\infty}f(\tilde{S}_T)d\tilde{S}_T\right]
\end{aligned}

 ペイオフ関数が上記のように簡単なものであれば解析的に解ける可能性すらあるものの、特殊な場合には積分を数値的に計算することや期待値演算を単純な平均値で近似することで代替する。上記の例であれば、


\begin{aligned}
C_0\approx e^{-r_d T}\displaystyle{\frac{1}{N}\sum_{j=1}^{N}}\max\left[\tilde{S}_{j,T}-K,0 \right]
\end{aligned}

1.2 デリバティブの基本偏微分方程式

 リスク中立化法よりも前に導かれていたBlack-Scholesモデルを考えると、その中に投資家の想定する期待リターンやリスク回避度が現れないことから、オプション評価に当たってはリスク回避度は考慮する必要が無い=リスク回避度の意味で如何なる投資家を想定しても問題が無いことが分かる。
 ということは、リスク危険的でもリスク回避的でもリスク中立化法によりリスク中立であると見なしても問題ないということになるが、それは正しいのか?その答えは、正しい。なぜならば、オプションは原資産と無リスク資産を用いた無リスクのポートフォリオとして複製できるからである。すなわちその無リスク・ポートフォリオの期待リターンは無リスク資産の収益率に等しいはずである。これを反映した偏微分方程式が、


\begin{aligned}
\displaystyle{\frac{\partial C}{\partial t}+\frac{1}{2}\sigma^2S^2\frac{\partial^2 C}{\partial S^2}+r_{d}S\frac{\partial C}{\partial S}=r_{d}F}
\end{aligned}

である。これは直感的には、コール・オプション価格を時間および原資産(株価)価格の関数と見たときに、時間が微小時間進んだときのオプション価格変化によるリターンおよび原資産価格の変化によるリターンの和=オプション価格変化率=リターンが無リスク資産の価格変化率に一致しなければならないということを意味する。

1.3 株価の確率過程と数値解法

 デリバティブの数値解法には、 

  • ツリーモデル:時点を離散として見なし、上昇率・下落率を用いて株価過程を倍率で表現する。リスク中立確率で遷移させる。
  • 有限差分近似:偏微分方程式を計算すべく、その方程式を変換した差分方程式を数値的に計算する。
  • モンテカルロ・シミュレーション:原資産価格を多数生成し、各価格から複数算出したデリバティブ価格の期待値を求める。
  • 数値積分積分を総和に近似化し数値的に直接計算する。
  • 解析的近似法:級数展開などで解析的に計算可能な形態に近似させて計算する。

があり、

  1. 一致性
  2. 安定性
  3. 効率性

のもとで評価する。

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