- 1.今日のポイント
- 2. マーケット指標
- 3. ニュース(1):【ラテンアメリカ】Covid-19で治安当局・軍の影響力が増大している
- 4. ニュース(2):【ギリシャ】仏ダッソーからラファール18機を購入へ
- 5. ニュース(3):【インドネシア】中国による基地建設要望を却下へ
- 6. ニュース(4):【日本】総裁選討論会では菅と石破・岸田で割れる
1.今日のポイント
(1)【ラテンアメリカ】Covid-19で治安当局・軍の影響力が増大している
(3)【インドネシア】中国による基地建設要望を却下へ
(4)【日本】総裁選討論会では菅と石破・岸田で割れる
2. マーケット指標
略
3. ニュース(1):【ラテンアメリカ】Covid-19で治安当局・軍の影響力が増大している
- ブラジルで保健衛生大臣に軍人が主任しているように、ラテンアメリカ諸国で軍人や治安当局の影響力が増大している
- 世論操作など社会操作が必要になれば軍隊や治安当局は必然的に政権で力を拡大させていく
(1) 知っておきたいこと
解説を付属した上で米国の旧機密文書を公表する、米ジョージ・ワシントン大学が運営しているNational Security Archiveはここ最近、ラテンアメリカ諸国に関係する文書をよく上げている:
歴史を踏まえてみても、ラテンアメリカ諸国でのクー・デターがいよいよ起こることを暗示しているのかもしれない。
4. ニュース(2):【ギリシャ】仏ダッソーからラファール18機を購入へ
- ギリシャのミツォタキス首相がラファール18機の購入を含む武器購入プログラムを公表した
- 空軍の装備拡充が目的で一部の戦闘機は中古である
(1) 知っておきたいこと
ギリシャとトルコの対立においてフランスはギリシャ側に立ってトルコを批判してきた。その真因(一因かもしれないが)は武器の販売であったという訳だ。そもそもこの購入で考えなければならないのが、ギリシャにそのような資金があるのかという問題だ。またトルコとの情勢悪化を受けたものであるとの発言があることから*1、当初から予算計上されていたものではないだろう。
他方で、英国がこのようにトルコの傭兵会社を批判している*2。ノヴィチョクを巡って英国を中心にロシアを批判する声が高まる中で、ベラルーシへのロシアによる介入に関わったとされる傭兵会社ワグネル以上に危険だと言われているのだ。こうしてトルコへの批判はさらに高まっている。
こうなってくると、トルコのEU入りは絶望的と言わざるを得ない。中東は中東、欧州は欧州と世界の分断は続いていく…。
(2) まとめ
- ギリシャとトルコの対立は深刻化へ…
- 中東と欧州の分断は決定的へ
5. ニュース(3):【インドネシア】中国による基地建設要望を却下へ
(1) 知っておきたいこと
インドネシア側は任意の国による基地建設を否定すると公表しており、中国だからとも限らないという。インドネシアは南シナ海の領有権を巡り中国と度々対立を繰り返してきたのであり、その一環とも取れるものだ。しかし、中国とインドネシアの関係を巡ってはそう簡単なものではないことに留意しなければならない。
インドネシアはグラスベルク鉱山が典型的であるが、金生産量が世界でもかなりあるような国である。その歴史は長く、東アジアが銀での決済を当然としていた15世紀以降、インドネシアは特殊な役割を担ってきたのだった。そのインドネシアでの金生産では、華僑が重要な役割を果たしていたのである。それが9.30事件を受けて一掃されたのだった。スカルノ大統領に対するクー・デターであった9.30事件は、スハルト政権への移行を目的とした事件であると言われているが、それだけではなく、金鉱山や金取引に中心的に従事していた華僑がかなり虐殺されているのである。それは資金確保という側面があったのだろう(ちなみにスハルト政権はクー・デターの後、自身を支援していた米国にグラスベルク鉱山の権益を貸与している)。
また、アジア通貨危機の前後で特に顕著となるのだが、インドネシアの(特に経済部門の)テクノクラートは米国留学組が大いに跋扈してきたのであった。このようにインドネシアにおいても米国と中国(華僑)との歴史的な関係があるのであって、それが今回の米中対立を受けて新たな段階に入っているのである。
(2) まとめ
- インドネシアは歴史的に米中の対立の場となってきた
- 今回の米中対立でその対立が新たな段階へと至っている
6. ニュース(4):【日本】総裁選討論会では菅と石破・岸田で割れる
- 石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長が昨日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席した
- 森・加計学園問題を巡り、菅官房長官は解明の必要性に批判的であるのに対し、石破・岸田両者は柔軟な姿勢を示した
(1) 知っておきたいこと
森友学園・加計問題を巡る三者の発言をより精緻にまとめるとこうなる*3:
<菅官房長官>
- 森友学園への国有地売却の公文書改竄問題について「財務省で調査し、検察でも捜査した。結果は出ている」と強調したうえで「再びこうしたことを起こしてはならない」と再発防止策が重要だと訴えた。
- 第三者委員会による再調査も不要との見解を示して「結果として処分は行われた」と指摘し、麻生太郎財務大臣らが政治責任を取っていないことへの見解については明確な回答をしなかった。
- 加計学園問題では「法令にのっとって、オープンなプロセスで検討が進められたことが明らかになっている」と回答し、世論より政府としての判断が重要との認識を示した。
- 桜を見る会を巡る問題は「国会でたびたび答弁している」として詳しい説明を避けた。
<石破元幹事長>
- 森友学園問題の第三者委員会による再調査に対して「必要なら再調査すべきだ。国民の納得が過半数にならなければいけない」との見解を表明した。
- 桜を見る会を巡る問題に関して「毎年同じ人が呼ばれたら、おかしい。何のためにやるかとの原点に立ち返るべきだ」と発言
<岸田政調会長>
日本では長期政権の後に短命な政権が続くというのが定番であると言われる。菅官房長官が総理大臣になったとしても、これらの問題が再燃してそのジンクス通りになるのかもしれない。
(2) まとめ
- 森友学園・加計問題はくすぶり続けると考えた方が妥当だ
- 菅政権になったとしても短命に終わるだろう