- 1. マーケット指標
- 2.今日のポイント
- 3. ニュース(1):租税回避地としてのドバイとドイツ企業
- 4. ニュース(2):混戦が続くリビア
- 5. ニュース(3):バチカンと中国
- 6. ニュース(4):わが国でも噴出するUFO議論
1. マーケット指標
指数 | 前日終値 | 増減値 | 増減率 | 日付 |
---|---|---|---|---|
日本 | ||||
日経平均 | 22,306.48 |
160.52 |
0.722% |
03日終値 |
TOPIX | 1,552.33 |
9.57 |
0.618% |
03日終値 |
JASDAQ | 160.19 |
1.77 |
1.11% |
03日終値 |
東証マザーズ | 977.85 |
29.46 |
3.06% |
03日終値 |
日本国債10年物 | 0.033 |
▲0.017 |
▲33.67% |
03日終値 |
米国 | ||||
ダウ平均 | 25,827.36 |
92.39 |
0.358% |
03日終値 |
S&P500 | 3,130.01 |
14.15 |
0.453% |
03日終値 |
NASDAQ | 10,207.63 |
0.00 |
0.00% |
03日終値 |
SOX指数 | 1,993.61 |
26.63 |
1.34% |
03日終値 |
米国債10年物 | 0.669 |
▲0.002 |
▲0.25% |
03日終値 |
欧州・アジア | ||||
英FTSE100 | 6,157.3 |
▲83.1 |
▲1.34% |
03日終値 |
独DAX | 12,528.18 |
▲80.28 |
▲0.639% |
03日終値 |
上海総合指数 | 3,152.81 |
62.24 |
1.99% |
03日終値 |
印SENSEX30 | 36,021.42 |
177.72 |
0.495% |
03日終値 |
外国為替 | ||||
USDJPY | 107.51 |
0.03 |
0.03% |
03日終値 |
EURJPY | 120.89 |
0.09 |
0.07% |
03日終値 |
EURUSD | 1.1244 |
0.0006 |
0.05% |
03日終値 |
コモディティ・その他 | ||||
原油先物(WTI) | 40.28 |
▲0.37 |
▲0.91% |
03日終値 |
原油先物(Brent) | 42.77 |
▲0.37 |
▲0.86% |
03日終値 |
金先物(COMEX) | 1,787.60 |
▲2.40 |
▲0.13% |
03日終値 |
銅先物(COMEX) | 2.699 |
▲0.035 |
▲1.26% |
03日終値 |
BTCJPY(bitFlyer) | 982,900 |
5,093 |
0.52% |
05日 10:40:14 |
2.今日のポイント
●【ドイツ】ドバイを利用したドイツ企業による租税回避の実態
●【リビア】各国の支援を受けて内戦の泥沼化が継続
●【バチカン】中国との合意の更新期間が近づく
●【UFO】日本でも上るUFO議論
3. ニュース(1):租税回避地としてのドバイとドイツ企業
(1) 知っておくべきこと
- 租税回避の面でドバイがドイツ企業の注目を集めている
- その合法性が課題となる
前日も俎上に載せたが、租税回避地(tax haven)の問題は依然として解決していない。租税回避は天然資源や人口のない弱小国家にとっては大きな武器となるであるため、如何に他国が批判しようともその看板を下ろすことはまずないという訳だ。基本的に租税回避自体は合法である(厳密に言えば「違法ではない」の方が正しいのかもしれないが)。国家や地方自治体が用意しているスキームであるため、その辺にぬかりはないのだ。しかし近年、自国から租税回避地(tax haven)を通じて理由なく租税回避を行うことに対して独自の税を課している国が、先進国を中心として増えている。たとえば、このようなものだ:
他方でドイツ企業がこのような租税回避に携わることが如何に世の中の批判を受けるかは推して図るべしといったところか。ワイヤーカードの問題を受けてドイツの企業監視体制に大きな疑問符が付きつけられることとなった:
そうした中で租税回避地(tax haven)の利用が拡大すれば、再び企業への批判がドイツにおいて強くなるだろう。当時ハイパーインフレで苦しむ中で外国人による企業・資産買収が進んだことや、企業による搾取が国民の怒りを買い、ナチスドイツの台頭につながったことは是非頭の片隅に置いておきたい。特に、最近苦境の最中にある「ドイツのための代替選択肢(Alternativ für Deutschland)」の再度の台頭につながるのかに注目したい。
(2) まとめ
- ドイツの企業界への不信は高まっている
- こうした経済界への不信がドイツを更なる苦境へと陥れるのか?
4. ニュース(2):混戦が続くリビア
(1) 知っておくべきこと
- リビアにおける戦争が外国勢力に支援されることで混戦の様相を呈している
- 直近にはトルコとカタールに支援された国民合意政府軍の空軍基地がアラブ首長国連邦(UAE)とロシアの支援を受けたリビア国民軍の攻撃を受けた
(図表1 今年(2020年)1月時点でのリビアの状態)
(出典:BBC*1)
カダフィ大佐の殺害以降、リビアの情勢不安は収まる気配がない。こうした情勢の理由には、かたや国連を中心として停戦に動く一方で、諸外国が必ずしもそれには一致しない動きを見せているからだ。わが国にいるとあまり考えることがないし、他方で筆者はこれを強調しすぎな気もするが、こうした戦乱による戦争経済でグローバル経済を経営していることを忘れてはいけない。すなわち、最新武器や軍事指導を諸外国が提供する代わりに、現地の油田開発権や既に開発済の油田から原油を提供されたり希少資源の提供を受けたり、基地建設のために土地の提供を受けたり、提供した武器の実験データを得たりするのである。
(図表2 リビアにおける原油の確認埋蔵量*2)
(出典:EIA*3)
他方でいまやアフリカ有数の巨大国となったナイジェリアを見れば明らかなように、仮にリビアがこうした埋蔵エネルギーを順調に生産できるようになれば、世界でも有数の規模の国家になり得る点も併せて留意されたい*4。
5. ニュース(3):バチカンと中国
(1) 知っておくべきこと
- 2018年に中国との間で締結された司教任命に関する合意が更新期間を迎える
- 中国が司教を迫害し司教任命が遅延しているにもかかわらず、中国側だけでなくバチカン側も更新する予定である
2018年9月22日(北京時間)、司教の任命に関する合意をローマ法王庁と中国の中国天主教愛国会が締結した。これを通じてバチカンは中国と台湾の両方とのアクセスを確立することができた。筆者自身、大した知識を持つわけではないが、世界中にカトリック教徒がいることからも分かるように、バチカンは世界中に影響力を持つ。わが国が第二次世界大戦で終戦に向けた工作を行う際にも仲介として活動したし、北朝鮮に対しても大きな影響力をもつことが知られており、実際、金日成主席が死去前の混乱時にローマ教皇の訪朝を実現するよう指示していたことが明らかにされている*5。それが、これまで中国との関係を有してこなかったのだった。
2018年の合意においても中国とこのタイミングでなぜ合意に至ったのか?と驚きをもって受け止められたものだった。単純に人口の多いこのマーケットを得るという意味で非常に重要なのだろうと推察する。今、このような議論が噴出していることを読者は知っているだろうか?
トランプ米大統領の当選の立役者であったスティーブ・バノンまで関わる形で、中国の解体プランが進行しつつあるのである(たとえばMysterious 'Federal State of New China' banners seen over NYCのように、欧米の主要メディアが取り上げているのであるから、安易に陰謀論などとレッテルを張ってはならない)。
これが欧米の合意された動きであると仮定するならば、そうして分離していく中国の中で如何にプレゼンスを築くのかが欧米の中心的な対中課題となる。宗教はその国家が危機的状況になるときが、信者を獲得する最も有用なタイミングである。こうした中国の崩壊の中で影響力を増やすべく、現地の同胞と“業務提携”に入った、と見るのが妥当だろう。したがってバチカンにとっては合意の延長がほぼ既定ラインであるし、もし合意が破棄されたとするならば、それだけバチカンが中国への影響力を増したということになる。
6. ニュース(4):わが国でも噴出するUFO議論
(1) 知っておくべきこと
- 米国防総省が「UFOに関するビデオ」を公開して以来、UFOに関する議論が盛り上がっている
- 日本もその例外ではないが、専門家は見間違いがほとんどであると説明している
ここ最近、我が国でも火の玉の目撃情報が大きく取り上げられている。
www.fnn.jp
つい最近、自衛隊がUFOに遭遇した際の手続きについて河野防衛大臣が言及したことも記憶に新しい*6。もちろん、論理的可能性として予め手続きを定めただけで、そんなもの存在するがないとするのはそれはそれでよい。が、ここまで議論が噴出しており、他方で国際的な動きに対して鈍重な印象があるわが国がここまで率先してこうした分野で動いていることは、それだけ意味があるのだというのが私見である。
(2) まとめ
- 専門家は見間違いがほとんどであると説明している
- UFOがあろうがなかろうが宇宙分野でのプレゼンス確保につながるのだから、日本にとって意味がある
*1:https://www.bbc.com/news/world-africa-24472322参照。
*2:確認埋蔵量とは「現時点で確認されている経済的、合理的な範囲で採掘可能なそれぞれの資源の埋蔵量」であり、単に埋蔵されている量が生産で減っていくのみならず技術の発展によって採掘が可能になることで増えることもあるため、増減することがある。1960年代には世界最大の原油埋蔵国だったリビアが今やこの位置にあるのもこれが理由である
*3:https://www.eia.gov/international/analysis/country/LBY参照。
*4:リビアの生産エネルギー情勢はたとえばhttps://www.eia.gov/international/analysis/country/LBY参照。
*5:太永浩[著],李柳真[監訳],黒河星子・鐸木昌之[訳](2019)「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」(文芸春秋)参照。
*6:https://www.asahi.com/articles/ASN4X4CF1N4XUTFK013.html参照。