「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。データ分析・語学に力点を置いています。 →現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年1月21日改訂)。

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今日のニュース(2020年7月5日)

1. マーケット指標

指数 前日終値 増減値 増減率 日付
日本
日経平均
22,306.48
160.52
0.722%
03日終値
TOPIX
1,552.33
9.57
0.618%
03日終値
JASDAQ
160.19
1.77
1.11%
03日終値
東証マザーズ
977.85
29.46
3.06%
03日終値
日本国債10年物
0.033
▲0.017
▲33.67%
03日終値
米国
ダウ平均
25,827.36
92.39
0.358%
03日終値
S&P500
3,130.01
14.15
0.453%
03日終値
NASDAQ
10,207.63
0.00
0.00%
03日終値
SOX指数
1,993.61
26.63
1.34%
03日終値
米国債10年物
0.669
▲0.002
▲0.25%
03日終値
欧州・アジア
英FTSE100
6,157.3
▲83.1
▲1.34%
03日終値
DAX
12,528.18
▲80.28
▲0.639%
03日終値
上海総合指数
3,152.81
62.24
1.99%
03日終値
印SENSEX30
36,021.42
177.72
0.495%
03日終値
外国為替
USDJPY
107.51
0.03
0.03%
03日終値
EURJPY
120.89
0.09
0.07%
03日終値
EURUSD
1.1244
0.0006
0.05%
03日終値
コモディティ・その他
原油先物(WTI)
40.28
▲0.37
▲0.91%
03日終値
原油先物(Brent)
42.77
▲0.37
▲0.86%
03日終値
金先物(COMEX)
1,787.60
▲2.40
▲0.13%
03日終値
先物(COMEX)
2.699
▲0.035
▲1.26%
03日終値
BTCJPY(bitFlyer)
982,900
5,093
0.52%
05日 10:40:14

2.今日のポイント

●【米中】米軍が南シナ海での演習を実施
●【ウルグアイアルゼンチンからの移民を検討する層が増大中
●【金属資源】亜鉛の生産が安定的に成長している
●【日本】熊本で記録的豪雨が多数の人命を奪う

3. ニュース(1):米国の対中政策を本気でとらえるべきか?

thehill.com

(1) 知っておくべきこと

 米国が開戦をするためには、テロリズムによる攻撃などの防衛を理由に大統領が独断できるという例外を除いて、連邦議会の承認がなければ基本的に大統領が決断することはできない。したがってこうした行為は威勢行為でしかないと考えて間違いがない。
 他方で海と日本という障壁があるため、米中は古典的な地政学の意味では国として隣接していない。そのため、中国が戦争に巻き込まれるか否かを考えるには、米国の動向を見ていても分かりにくい。むしろ隣国に注目すべきなのである。そうした中で注目すべきものの1つは、ベトナムである。歴史的に中国王朝からの侵略を受けてきたベトナムは、必ずしも中国とうまくやっているわけではない*1
 特に1990年代後半からは米国との国交を回復させ、まるでベトナム戦争などなかったかのように、ベトナムは米国との関係を深めている。そのベトナムは近年、大いに中国の南シナ海への進出に反対していることは周知の事実である*2

(2) まとめ

  • 米軍による中国への威勢行為は「ブラフ=脅し」と捉える方が妥当である
  • 中国情勢を占うにはベトナムの動向にこそ注目すべきである

4. ニュース(2):南米の「課税天国」ウルグアイ

www.batimes.com.ar

(1) 知っておくべきこと

  • ウルグアイで課税ルールが改定され外国人へのそれが緩和された
  • アルゼンチンからウルグアイへの移民に興味を持つ層が指数的に増大している

 「ホセ・ムヒカ」という人物を知っているだろうか。南米のウルグアイで大統領を務めたことがある人物で、「清貧」であるとしてわが国でも大きく話題をさらった。報酬の大部分を財団に寄付し、月1,000ドルで生活しているという。しかし筆者の目から見るとこの「清貧」というイメージは一種の「高貴な嘘(Noble Lie)」であると言わざるを得ない*3。彼が首長を務めたウルグアイが清貧な国家であるとはまったくもって言い難いのである。
 ウルグアイは「南米のスイス」と呼ばれる。体制転換や軍事政権の成立が相次いできた南米にあってウルグアイは早期から民主制を取り入れ、安定を演出してきたのだ。しかしそうした南米にあって、ウルグアイは本場スイスと同様に「租税回避地(tax haven)」として機能してきたのだった。この事実を踏まえると、ムヒカ前大統領の行動を「高貴な嘘(Noble Lie)」と呼ばざるを得ないのだ*4
 さてそうした事実を踏まえるならば、その「スイス」への退避が進むということは、アルゼンチンのカントリー・リスクが今一度増大しているということを意味する。デフォルトが発生して不安定な中、再度、軍事政権化やペロニストの復権といった深刻な事態が生じないか、慎重に注視すべきである。

(2) まとめ

  • ウルグアイはまったくもって「清貧な国」ではなく租税回避地(tax haven)として著名である
  • アルゼンチンからウルグアイへの退避はアルゼンチンのカントリ・リスクの更なる増大を意味し得る

5. ニュース(3):安定して成長する亜鉛マーケット

www.mining.com

(1) 知っておくべきこと

  • グローバル規模で亜鉛鉱石の生産量が増大している
  • 亜鉛価格のかつてない上昇を受けて新規開発が加速化している

 そもそも亜鉛の主な用途をまとめるとこうなる*5

  • 鉄鋼の防食:金属亜鉛は鉄に対する犠牲防食作用が強い
  • 合金:鉄やアルミニウム、銅より融点が低いことから、ダイカスト用合金として使われている
  • 乾電池用の材料:乾電池の材料用に、マンガン乾電池では容器を兼ねた亜鉛缶として、アルカリ乾電池では亜鉛粉末として使われている

 日本の主要な輸入先はボリビアやペルー、オーストラリアである。他方で主要な生産先は中国である。そのため、中南米に加え、中国・インドの情勢に影響を受けるのである。


図表1 亜鉛鉱石の生産量推移f:id:suguru_125:20200705112811j:plain(出典:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC*6

 

(2) まとめ

  • 亜鉛価格・生産量が増大している
  • それは中南米情勢や中印情勢に影響を受ける

6. ニュース(4):九州の記録的豪雨

www3.nhk.or.jp

(1) 知っておくべきこと

  • 九州地方での記録的豪雨を受け熊本県では球磨川など2つの川の11か所で氾濫した
  • 7人が死亡し14人が心肺停止となっているうえ、4人が行方不明になっている

 ここ数年、九州での豪雨被害は増大する一方である。こうした被害は九州の投資価値を落としていることは明らかであろう。実際、世界的な保険会社であるLloyd'sは福岡におけるリスク要因の中でも有力なものとして熱帯性暴風雨を挙げているのだ。


図表2 福岡がGDPに与えうるリスク要因と被害額f:id:suguru_125:20200705110626p:plain(出典:Lloyd's City Index*7

 九州において更に気になるのが人口減少である。沖縄を除くと、福岡県ですら直近、人口が減少に転じているのである*8。すなわち土地を整備する人間がますます減少しているということだ。
 こう聞いてみると様々なマイナス要因が多いものの、有用なものもある。たとえば九州は水源として日本中で有名である。関東でも霧島の水が売られていたり、現在、渦中にある熊本県も有名な水源であったりする。
 


図表3 水源としての阿蘇f:id:suguru_125:20200705111645g:plain(出典:阿蘇草原再生プロジェクト*9

 人口減少していくといって、必ずしも不動産価値が減少していく一方だとは限らないのかもしれない。

(2) まとめ

  • 九州地方での熱帯性低気圧の被害は甚大で有力なリスクだとは世界的に認知されている
  • しかしその豪雨が価値をもたらす可能性もある

*1:多数の華僑が住んでベトナム社会で重要な地位を占めていることからも分かるとおり、ではベトナムと中国は敵だ、などと言うのはそれはそれで早計ではある。

*2:https://www.reuters.com/article/us-vietnam-china-southchinasea/vietnam-philippines-denounce-china-military-drills-in-disputed-waters-idUSKBN2431GG参照

*3:彼が実際にはそういう人物ではないという意味ではないと一応お断りしておく

*4:Uruguay – A ticket to a life without taxes | No More Tax 参照。

*5:http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/material_flow2018_Zn.pdf参照。

*6:http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/material_flow2018_Zn.pdf参照。

*7:https://cityriskindex.lloyds.com/参照。

*8:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58037180U0A410C2LX0000/参照。

*9:https://www.aso-sougen.com/now/02/04.html参照。

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