はじめに
プログラミング云々ばかり言っていても、それがどのように計算されているかを知らないと仕様が無い。ということで数値解析を学んでいく。
基本的には
を参照しつつ、他書で補足する。
https://power-of-awareness.com/entry/2023/03/06/0500power-of-awareness.com
2. 非線形方程式の解
2.3 連立非線形方程式
2.3.4 多変数Newton法の収束性と収束の速さ
多変数の場合でも、1変数の場合と同様に収束性や収束の速さに関する結果が知られている。
( が元連立非線形方程式の解の近傍で級で、が正則であると仮定する。このとき行列式の連続性から、充分に小さな正数を取れば、においては正則である。したがって
は少なくともにおいて意味を持つ。両辺をに関して偏微分すれば、
が得られる。はの第列に他ならないから、上式の右辺第3項は第成分のみ、それ以外はすべてであるような次元列ベクトルに他ならない。後者はまたにも等しいから、したがって
であるから、
に対して、を得る。
以上から、の充分小さい近傍を取れば、ノルムの連続性から、
が成り立つ。したがって縮小写像の原理 系2を用いることでを得る。
また級であるという仮定から、多変数関数に対するの定理よりとして、
が成り立つ。とおけば、
であるから、
が成り立つ。 )
今日の復習
- 法は多変数においても成立し得るか。成立するならば、その収束速度について述べよ。
- 連続の定義を述べよ。
参考文献
- 伊理正夫・藤野和建(1985)「数値計算の常識」(共立出版)
- 菊地文雄・齊藤宣一(2016)「数値解析の原理 現象の解明をめざして」(岩波書店)
- 齊藤宣一(2012)「数値解析入門」(東京大学出版)
- 齊藤宣一(2017)「数値解析」(共立出版)
- 高橋大輔(1996)「理工系の基礎数学8 数値計算」(岩波書店)
- 山本哲朗(2003)「数値解析入門[増訂版]」(サイエンス社)
- 日本応用数理学会 監修・ 櫻井 鉄也 編・ 松尾 宇泰 編・ 片桐 孝洋 編(2018)「数値線形代数の数理とHPC」(共立出版)
- Ridgway Scott, Larkin (2011), "Numerical Analysis", (Princeton University Press)