ファイナンスのために基礎から
を基に確率過程を学んでいきます。
前回
5. ブラウン運動とマルチンゲール
5.1 ブラウン運動の定義と基本的性質
時間間隔および空間間隔の1次元対称ランダムウォークとは
で定義される。ここでは互いに独立かつ同一分布に従い、を取る確率変数であり、
とする。このとき
である。
は中心極限定理から
であるから、である。
すべてのに対する有限次元分布は、に対して
またこれらの左辺は独立であるから、右辺もまた独立である。これは時点が増えても同様のことが成り立つ。
例:をブラウン運動とする。このとき、
- であるからである。
- であるからである。
- であるからである(被積分関数は奇関数である。)。
- であるからである。
- であるから
- よりである。したがって