「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。目下、データ分析・語学に力点を置いています。今月(2022年10月)からは多忙につき、日々の投稿数を減らします。

MENU

やりなおしの数学・線形代数篇(14/26)

 定番書

を基に線形代数を学び直していく。

今日のまとめ

  • 線形写像T:V\rightarrow V^{\prime}に対して像空間T(V)の次元をTの階数(ランク)という。
  • Vの別の基底(F,\psi)を選び、基底をE\rightarrow Fへ取り換える行列をPとする。Fに関するTの行列をBとすれば、
    \begin{aligned}B=P^{-1}AP\end{aligned}
    が成り立つ。したがって互いに相似な行列は、どれも同一の線形変換に対する様々な規定に関する行列による表現と解釈することができる。

4. 線形空間

4.7 線形写像

 線形空間に基底を選び、線形写像を行列で表現することを考える。
 線形空間Vにおいてある1つの基底\boldsymbol{E}=\{\boldsymbol{e}_1,\cdots,\boldsymbol{e}_n\}を選ぶと、VからK^nへの同型写像\varphiが決まる。そこで、これら基底と同型写像を1組(\boldsymbol{E},\varphi)で考える。
 V,V^{\prime}K上のn,m次元の線形空間とする。またT:V\rightarrow T^{\prime}を線形写像とする。V,V^{\prime}の基底(\boldsymbol{E},\varphi),(\boldsymbol{E}^{\prime},\varphi^{\prime})を適当に取る。このとき合成写像\varphi^{\prime}\circ T\circ \varphi^{-1}K^mからK^nの線形写像であるから、ある(m,n)型行列Aを用いて


\begin{aligned}
\varphi^{\prime}\circ T\circ \varphi^{-1}=T_A
\end{aligned}

と書ける。この行列Aを基底(\boldsymbol{E},\varphi),(\boldsymbol{E}^{\prime},\varphi^{\prime})に関するTの行列という。
 \boldsymbol{E}=\{\boldsymbol{e}_1,\cdots,\boldsymbol{e}_n\},\boldsymbol{E}^{\prime}=\{\boldsymbol{e}_1^{\prime},\cdots,\boldsymbol{e}_n^{\prime}\}としたとき、\boldsymbol{x}\in Vおよびその像T\boldsymbol{x}


\begin{aligned}
\boldsymbol{x}&=x_1\boldsymbol{e}_1+\cdots+x_n\boldsymbol{e}_n,\\
T\boldsymbol{x}&=x_1^{\prime}\boldsymbol{e}_1^{\prime}+\cdots+x_n^{\prime}\boldsymbol{e}_n^{\prime}
\end{aligned}

と表すとき、


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
x_1^{\prime}\\
\vdots\\
x_n^{\prime}
\end{bmatrix}=\varphi^{\prime}(T\boldsymbol{x})=T_A\varphi(\boldsymbol{x})=\begin{bmatrix}
a_{11}&a_{12}&\cdots&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&\cdots&a_{2n}\\
\vdots&\vdots&&\vdots\\
a_{m1}&a_{m2}&\cdots&a_{mn}\\
\end{bmatrix}\begin{bmatrix}
x_1\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}
\end{aligned}

が成り立つ。ここでA=(a_{ij})とする。
 実用上は、


\begin{aligned}
T\boldsymbol{e}_j=a_{1j}\boldsymbol{e}_1^{\prime}a_{2j}\boldsymbol{e}_2^{\prime}+\cdots+a_{mj}\boldsymbol{e}_m^{\prime}
\end{aligned}

としてAの各成分を求めるのが実用的である。

4.7.1 基底の変更と線形写像

 基底の取り方は一意ではないが、ではV,V^{\prime}の基底を取り換えると、対応する行列はどのように変わるのか。
 V,V^{\prime}の基底(E,\varphi),(E^{\prime},\varphi^{\prime})に関するTの行列をAとし、もう1つの基底(F,\psi),(F^{\prime},\psi^{\prime})に関するTの行列をBとする。このときV,V^{\prime}の基底をE\rightarrow F,E\rightarrow F^{\prime}に取り換える行列をそれぞれP,Qとすれば、


\begin{aligned}
\varphi\circ \psi^{-1}=T_{P},\ \varphi^{\prime}\circ \psi^{\prime-1}=T_{Q}
\end{aligned}

である。したがって


\begin{aligned}
T_B&=\psi^{\prime}\circ T\circ \psi^{-1}\\
     &=\psi^{\prime}\circ (\varphi^{\prime -1}\circ \varphi^{\prime})\circ T\circ (\varphi^{-1}\circ \varphi)\circ \psi^{-1}\\
     &=(\psi^{\prime}\circ (\varphi^{\prime -1})\circ(\varphi^{\prime})\circ T\circ \varphi^{-1}) \circ (\varphi\circ \psi^{-1})\\
     &={T_Q}^{-1}\circ T_A\circ T_P\\
     &=T_{Q^{-1}AP}
\end{aligned}

である。したがって


\begin{aligned}
B=Q^{-1}AP
\end{aligned}

が得られる。
 線形写像T:V\rightarrow V^{\prime}に対し、像T(V)の基底E=\{\boldsymbol{e}_{1}^{\prime},\cdots,\boldsymbol{e}_{r}^{\prime}\}を選ぶことにする。そしてこれを拡大したV^{\prime}の基底をE^{\prime}=\{\boldsymbol{e}_{1}^{\prime},\cdots,\boldsymbol{e}_{m}^{\prime}\},\ r\lt mとする。次に各\boldsymbol{e}_i^{\prime},i=1,2,\cdots,rに対してT\boldsymbol{e}_i=\boldsymbol{e}_i^{\prime}が成り立つような\boldsymbol{e}_i\in Vを取れば、\boldsymbol{e}_1,\cdots,\boldsymbol{e}_rは線形独立である。
 一方で\dim V=\dim T^{-1}(\boldsymbol{0}^{\prime})+\dim T(V)が成り立つことに注意すれば、Ker(T)=T^{-1}(\boldsymbol{0}^{\prime})=n-rであるから、その基底は\boldsymbol{e}_{r+1},\cdots,\boldsymbol{e}_nを取る。Vの基底は\boldsymbol{e}_1,\cdots,\boldsymbol{e}_nで表される。線形写像Tの基底E,E^{\prime}に関する行列F_r(m,n)は標準形


\begin{aligned}
F_r(m,n)=\begin{bmatrix}
I_r&O\\
O&O
\end{bmatrix}
\end{aligned}

に等しい。ここまでは以下のような定理にまとめることができる。


基底の変換 任意の線形写像T:V\rightarrow V^{\prime}に対してV,V^{\prime}の基底F,F^{\prime}を任意に取ると、F,F^{\prime}に関するTの行列は標準形

\begin{aligned}
F=F_r(m,n)=\begin{bmatrix}E_r&O\\O&O\end{bmatrix}
\end{aligned}
で与えられる。

 この成果を踏まえて次のような概念を導入する。


定義:階数(ランク) 線形写像T:V\rightarrow V^{\prime}に対して像空間T(V)の次元をTの階数(ランク)という。
 \dim V=\dim T^{-1}(\boldsymbol{0}^{\prime})+\dim T(V)からTの階数(ランク)は\dim V-\dim(Ker(T))に等しい。


階数(ランク)の性質(1) Tの階数(ランク)はV,V^{\prime}の任意の基底に関するTの行列の階数(ランク)に等しい。


階数(ランク)の性質(2) (m,n)型行列Aの階数はAの線形独立な列ベクトルの最大数に等しく、それは線形独立な行ベクトルの最大数にも等しい。
(\because Aの階数をrとすれば、線形写像T_A:K^n\rightarrow K^mの階数\dim T_A(K^n)=rである。
 Aの列ベクトルを\boldsymbol{a}_1,\cdots,\boldsymbol{a}_nとする。T_A(\boldsymbol{e}_i)=A\boldsymbol{e}_i=\boldsymbol{a}_i,i=1,2,\cdots,nが成り立つから、\boldsymbol{a}_1,\cdots,\boldsymbol{a}_nT_A(K^n)を生成する。したがってちょうどrこの線形独立な列ベクトルが存在する。
 行ベクトルに関してはr(A)=r({}^{t}A)より明らかである。 \blacksquare)

4.7.2 階数を与える同値条件

 ここまでで調べた階数を与える同値条件を整理すると以下のとおりとなる。

  (1) A基本変形で標準形に変形したときに対角線上に並ぶ1の個数。
  (2) A0でない小行列式の最大次数。
  (3) Aによって定まる線形写像T_A:K^m\rightarrow K^nの像空間[tex:T_A(K^n)の次元。
  (4) Aの線形独立な列ベクトルの最大数。
  (5) Aの線形独立な行ベクトルの最大数。

 Vの線形変換T:V\rightarrow Tについて基底(E,\varphi)に関するTの行列をA=(a_{ij})とすれば、


\begin{aligned}
\varphi\circ T\circ \varphi^{-1}=T_A
\end{aligned}

が成り立つ。また\boldsymbol{x}\in Vおよびその像T\boldsymbol{x}


\begin{aligned}
\boldsymbol{x}&=x_1\boldsymbol{e}_1+\cdots+x_n\boldsymbol{e}_n,\\
T\boldsymbol{x}&=x_1^{\prime}\boldsymbol{e}_1+\cdots+x_n^{\prime}\boldsymbol{e}_n
\end{aligned}

と表すとき、


\begin{aligned}
\begin{bmatrix}
x_1^{\prime}\\
\vdots\\
x_n^{\prime}
\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}
a_{11}&a_{12}&\cdots&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&\cdots&a_{2n}\\
\vdots&\vdots&&\vdots\\
a_{n1}&a_{n2}&\cdots&a_{nn}\\
\end{bmatrix}\begin{bmatrix}
x_1\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}
\end{aligned}


である。
 Vの別の基底(F,\psi)を選び、基底をE\rightarrow Fへ取り換える行列をPとする。Fに関するTの行列をBとすれば、


\begin{aligned}
B=P^{-1}AP
\end{aligned}

が成り立つ。したがって互いに相似な行列は、どれも同一の線形変換に対する様々な規定に関する行列による表現と解釈することができる。


定義:不変部分空間 線形変換T:V\rightarrow Vに対し、WVの部分空間で

\begin{aligned}
T(W)\subset W
\end{aligned}

が成り立つとき、WTによる不変部分空間という。

プライバシーポリシー お問い合わせ