定番書
を基に線形代数を学び直していく。
4. 線形空間
4.6 線形部分空間
および自身はの部分空間である。これ以外のものを真の部分空間という。
4.7 線形部分空間の性質
( 上の線形空間の部分空間に対し、を取ればが成り立つ。
に注意すれば、に対して
である。したがってが成り立つ。 )
線形空間のでない部分集合に対して、の元の線形結合の全体
はの部分空間である。これをから生成される部分空間、もしくはによって張られる部分空間という。
線形空間の部分空間に対して
はの部分空間である。これをととの和空間という。
線形写像に対してその像はの部分空間である。また
はの部分空間である。これをの核(カーネル)という。
更にこれに対して
( の基底を拡大し、の基底を得たとする。このときがの基底であることを言えばよい。
に対してを満たすようなが存在する。
とすれば、であるから
である。
他方で線形関係
があれば、
であるから、が成り立つ。したがって
が成り立つが、の線形独立性からである。したがってはの基底である。 )
部分集合と次元 の部分空間に対して
(1)
(2)
次元の和と和集合の次元 の部分空間に対して
の基底を拡大し、の基底およびの基底を得たとする。このときがの基底になることを言えばよい。
まずはの和としてと書ける。したがってはの線形結合として表される。
次にの線形独立性を言う。線形関係
があるとする。この左辺はの元で、右辺はの元であるから、ともにの元である。したがって
が成り立つ。の線形独立性から
を得る。これを代入することで
が得られる。更にの線形独立性から
も得られる。したがって線形関係
が自明な線形関係であることが示された。 )