計量経済学を学んでいく。
まずは
を中心に参照して基礎を学んでいく。
今日のまとめ
- 単回帰モデルにおいて (1)は非確率的、 (2)、 (3)、 (4)、 (5)を満たすものを古典的正規回帰モデルという。
- 古典的(正規)回帰モデルにおいては不偏性を持ち、また分散も簡単に計算できる。
3. 古典的2変数回帰モデル
3.1 古典的回帰モデルとは
データに直線を当てはめるに当たり、誤差を評価したり撹乱項の性質を考察したりするために様々な仮定を置くことにする。
単回帰モデル
において以下の5つの仮定を置いたものである:
(1) は非確率的である。
(2) 攪乱項の期待値は、すなわちである。
(3) 攪乱項の分散は均一で一定、すなわち任意のに対してである。
(4) 攪乱項同士は無相関、すなわちである。
(5) 攪乱項は正規分布に従う、すなわちである。
このうち(1)-(4)を満たすものを古典的回帰モデルといい、更に(1)-(5)を満たすものを古典的正規回帰モデルという。
3.2 係数の誤差評価
最小二乗法で推定した係数には誤差が含まれている。そこで推定値の誤差を考えることにする。
まずは係数を真の値を含んだ形で書き下し、誤差を評価していこう。
であるから、
が成り立つ。
ここで
であるから、の式の右辺に上式の最左辺を加えることで
と変形できる。
3.2.1 の不偏性と誤差評価
ではの不偏性、すなわちを確認する。
ここで古典的回帰モデルの仮定(2)、すなわちを用いた。
次に誤差(分散)を評価しよう