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計量経済学の基礎(01/X)

 計量経済学を学んでいく。
 まずは

を中心に参照して基礎を学んでいく。

今日のまとめ

  • 計量経済学とは経済を計測するのみならず計測を通じて経済変数間の関係を支配しているメカニズムを経済理論とデータに基づいて解明していく方法である。
  • 計量経済学では経済変数間の関係を支配するメカニズムをY=f(X)と表し、f(\cdot)を経済モデル、Yを従属変数(被説明変数) 、Xを独立変数(説明変数)という。
  • 経済理論と実際のデータとの関係を具体的に定めたもの(f(\cdot)に具体的な形を与えたもの)を計量経済モデルという。

1. 計量経済学とは

 経済を計測するのみならず計測を通じて経済変数間の関係を支配しているメカニズムを経済理論とデータに基づいて解明していく方法計量経済学という。

計量経済分析のステップ

(1) 仮説・経済理論の提示
(2) データ収集
(3) 計量経済モデルの定式化
(4) モデルの推定
(5) 仮説検定、適合度の検証
(6) 予測
(7) 政策手段の選択・意思決定への利用

1.1 仮説・経済理論の提示

 経済変数間の関係を支配するメカニズムを関数として表現できる。これらの関係を抽象化すれば


\begin{aligned}
Y=f(X)
\end{aligned}
と書ける。ここでY定量的な分析目標となる経済変数、XYに影響を与えると考える経済変数(複数の場合もある)を表し、f(\cdot)がこれらの変数の関係を表す関数である。計量経済学の文脈では、f(\cdot)を経済モデル、Yを従属変数(被説明変数) 、Xを独立変数(説明変数)という。f(\cdot)の関数形、Xとの関係性、Xとして採用する変数などに関する仮説を提示するのが本ステップである。

1.2 データの収集

 X,Yを測定する尺度を数値化する。具体的にはそれらを表現するデータを取得する。
 データには、時間を追って収集した時系列データおよび固定した時点で多数の観測値を取る横断面データが存在する。分析目的または取得可能なデータに応じて分析方法が相違する。

1.3 計量経済モデルの定式化

 関数fとしてどのような例を考えればよいか。
 たとえば線形関係


\begin{aligned}
Y=\alpha+\beta X
\end{aligned}
がある。とはいえX,Yが完全に線形関係にあるとは考えづらいため、上記式は平均的な傾向と考え、

\begin{aligned}
Y=f(X)+\varepsilon=E[Y|X]+\varepsilon=\alpha+\beta X+\varepsilon
\end{aligned}
と定式化する。このときYE[Y|X]との差分に相当する\varepsilonを攪乱項という。
 このように経済理論と実際のデータとの関係を具体的に定めたものを計量経済モデルといい、f(X)の関数形や撹乱項の性質を特定化するステップを計量経済モデルの定式化という。データと経済理論の整合性を検討しつつf(X)の候補を絞り込む。

1.3 モデルの推定

 データを基にモデルのパラメータを推定する。

1.4 仮説検定、適合度の検証

 推定結果が理論モデルと整合的であるかを検証する。パラメータの推定値の妥当性を誤差を加味して評価するのに仮説検定を通じて考慮する。

1.5 予測

 推定結果を用いて目的変数の予測を行なう。目的変数の目的値が十分に信頼できるのであれば、それに基づき取るべき意思決定に検討に進む(次項へ進む。)。その信頼性を評価するには、推定したパラメータの誤差、攪乱項の誤差の双方の予測誤差を評価する必要がある。

1.6 政策手段の選択・意思決定への利用

 分析者(ないしそれを依頼した意思決定者)が操作可能な変数に対して、計量経済モデルによる推定結果から目的変数の目標値を達成するのに取るべき政策を決定する。これが計量経済学の経済政策への重要な貢献である。以上のステップは不可逆的ではなく、相互にフィードバックしあって戻ったり飛び越して進めたりして計量モデルを改良していく。

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