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金融工学でのモンテカルロ法(17/22):アメリカン・オプションの評価(4)バンドリング・アルゴリズム

 金融工学におけるシミュレーションについて学んでいく。テキストとして以下を使う。今回はP.121-123まで。

8. アメリカン・オプションのMonte Carlo法による評価

 アメリカン・オプションの価格は、有限差分法またはツリー法によるのが一般的であった。しかしMonte Carlo法でも計算できるようになってきた。

8.4 バンドリング・アルゴリズム

 バンドリング・アルゴリズムはTilleyによって提唱されたアルゴリズムである。アルゴリズムの概略は以下のとおり。

  1. 最適行使境界を大雑把に定める。
  2. 真の最適行使境界に近づけるためのいくつかの工夫を施す。
  3. 停止時刻型Monte Carlo法によりオプション価格を算出する。

 アメリカン・プット・オプション(行使価格K, 満期T)を考えると、持ち越し価値早期行使価値が等しくなる点が最適行使境界である。
 時点0から満期Tまでを


\begin{aligned}
t_j,\ j=1,2,\cdots,M,\ M\Delta t=T
\end{aligned}

で離散化する。また時点t_jにおける第i番目の株価を


\begin{aligned}
S_j(i),\ j=0,1,\cdots,M,\ i=1,2,\cdots,N
\end{aligned}

と書く。
 アルゴリズムをより詳細に分けると6段階に分けられる:

バンドリング・アルゴリズムによる
アメリカン・プット・オプション価格の算出アルゴリズム

(1) i株価パス(i=1,2,\cdots,N)
\begin{aligned}S_j(i),\ j=0,1,\cdots,M,\ M\Delta t=T\end{aligned}
を発生させてこれらを保存する。
(2) すべてのパスiおよびすべての時点t_jにおいて行使価値
\begin{aligned}e_j(i)=\max[K-S_j(i),0]\end{aligned}
を計算する。
(3)バンドリング ある時点t_jを固定する。このときパスiにおける持越し価値V_j(i)を与える関数を以下の手順で定める。
(a)Nこの全パスをS_j(i)を基準として大きい順に並べる。
(b)これらを大きい順にQ個ずつバンドリングしてパスをm束にまとめる(N=mQ)。
(c)第k束(k=1,2,\cdots,m)に入るパスの集合を\boldsymbol{I}(k)とし、その元をi_kとする。このとき\boldsymbol{I}(k)\{1,2,\cdots,N\}の部分集合でQ個の元から成る。また時点t_j、パスi_kにおける持越し価値を
\begin{aligned}V_j(i_k)=\displaystyle{\frac{1}{Q}\sum_{i_k\in\boldsymbol{I}(k)}P_{j+1}(i_k)}\end{aligned}
で定める。ただしP_j(i)は時点j、パスiにおけるオプション価値である。持越し価値は束内で同じ値とする。
(4) すべての時点t_jのすべてのパスiにおける持越し価値を以下の後進アルゴリズムで計算する。
(a)j=MのときP_M(i)=\max[K-S_M(i),0]とする。
(b)j=M-1のとき(3)(c)と同様に
\begin{aligned}V_j(i_k)=\displaystyle{\frac{1}{Q}\sum_{i_k\in\boldsymbol{I}(k)}P_{j+1}(i_k)}\end{aligned}
V_{M-1}(i),i=1,2,\cdots,Nを定める。
(c)j=M-2のとき同様にしてV_{M-2}(i),i=1,2,\cdots,Nを定め順次j=1まで持越し価値を定める。
(5) 各時点t_jについてe_j(i),\ V_j(i)の大小が入れ替わる点を最適行使境界とする。
(6) 停止時刻型のMonte Carlo法を行なう。
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