- 1.今日のポイント
- 2. マーケット指標
- 3. ニュース(1):【米国】スティーブ・バノン逮捕
- 4. ニュース(2):【ドイツ】中東戦略と米国との関係
- 5. ニュース(3):【北朝鮮】金与正への権限移譲の意味
- 6. ニュース(4):【日本】三浦半島でのガス漏れ?が意味すること
2. マーケット指標
省略
3. ニュース(1):【米国】スティーブ・バノン逮捕
(1) 知っておきたいこと
バノンを巡っては新中華連邦(Federal State of New China)が重要なキーである。それを推進する組織の中核的人物の一人がバノンなのである。すなわち今回の逮捕劇が新中華連邦に向けた動きとの関係を考慮すべきであるということだ。逮捕されただけなので、ここでああだこうだ言うのは早計とも言えるのだが、現時点での帰結を考えておこう。
結論から言えば、筆者としては「時間調整」なのだと考えている。すなわち中国を巡ってはトランプと習近平の合戦をもうしばらく続けさせたいのだと思う。新中華連邦構想への注目が集まる一方で、その動きがラディカルに進むことを望まない勢力がいるのではないか。それが私見である。
(2) まとめ
- バノンは新中華連邦の主導者の一人である
- 今回の逮捕劇が米中関係の現状の構図を維持することを目的としている
4. ニュース(2):【ドイツ】中東戦略と米国との関係
- 国連のイランへの武器輸出禁止措置が否決に終わったのはドイツが主原因であるとグレネル前DNI長官代行が批判した
- 直近にはヒズボラをテロ組織と認定するというEUの政策を回避させるのに主要な役割を果たすなど西側にとって障害となる行動を取っている
(1) 知っておきたいこと
リチャード・グレネル前DNI長官代行はその代行直前には駐独米国大使であった人物であり、ノルド・ストリーム2の敷設に対する米独対立を受けてペルソナ・ノン・グラータを受けた人物である。すなわち米国内の反独勢力の中核的人物であり、今後も同人の動向は米国による対外戦略上で非常に重要な人物である。その人物が依然としてドイツをこうして攻撃している以上、米国がドイツをそうした敵として見ていることをまずは忘れてはならない。
そうした対独政策の場として中東が機能してきた。最も卑近な例を言えば、第一次世界大戦中の3B政策がある。
(図表 ドイツによる3B政策と3C政策)
(出典:世界の歴史まっぷ*1)
またナチスも中東を支援してきたことが知られている。
他方で、ドイツはイスラエルとの関係も深めており、その端的な証左がドイツ空軍とイスラエル空軍の初めてとなる軍事演習である*2。結局のところ、中東を媒介として米独が対立を演出しているのだと考えた方が妥当なのである。このように、西側諸国が元来一枚岩であったことなどない。またドイツと米国の対立の主現場が中東となっていることを忘れてはならない。
(2) まとめ
- 米独関係は依然として対立している
- その媒介として中東が利用されている
5. ニュース(3):【北朝鮮】金与正への権限移譲の意味
6. ニュース(4):【日本】三浦半島でのガス漏れ?が意味すること
- 横須賀市でガス臭がするとの119番が今日午前に約40件相次いだ
- 6月および7月にも同様の通報があったものの原因はわかっていない
(1) 知っておきたいこと
三浦半島、いや関東平野の地下には大規模なガス田が存在することが知られている*5。
(図表 関東平野における天然ガスの分布)
(出典:産業総合研究所 地質調査総合センター*6)
このガス田(特に千葉県のもの)からはヨウ素が採集でき、その結果、日本のヨウ素生産量は世界第二位となっている*7。またK&Oエナジーグループ(1663)傘下の日本天然ガス株式会社らが生産している。
さて、ガス臭がするのはそうした地下にあるガスが漏れてきたからだという話がある*8。断層が動いたことでそうなったのであり、それは地震の予兆であると言われている。関東地方のリスクとして、地震に注目しておきたい。
*2:Germany welcomes Israeli air force for first joint exercise参照。
*3:金正恩委員長の子どもは10歳未満と把握…金与正が事実上のナンバー2-Chosun online 朝鮮日報
*4:北、張成沢処刑の際に廃止した組織行政部を復活-Chosun online 朝鮮日報参照。
*5:詳細は竹前 栄治 (監修),中村 隆英 (監修),天川 晃 (ほか編集),橘川 武郎 (解説・訳)「GHQ日本占領史 47 石油産業」を参照されたい。
*6:https://www.gsj.jp/hazards/geologic-hazard/images/gas_map.jpg参照。