統計学に習熟するには線形代数の習得が不可欠である。が、初等的な線形代数ではカバーしきれないような分野も存在する。そこで以下の参考書
を基により高等な線形代数を学ぶ。
4. 行列の因数分解と行列ノルム
特別な構造や標準形を持った別の行列の積の形として与えられた行列を表現する有用な方法を見ていく。
以下の行列
を特異値分解する。
まず行列
の固有方程式は
である。したがって固有値はであり、これに対応する固有ベクトルは
である。これらを列に持つ直交行列
が得られる。
であり、以上からの特異値はである。したがって
を得る。またはおよびを満たす任意の行列を取ればよい。たとえば
と取ればよい。以上からの特異値分解は以下のようになる: