計量経済学を学んでいく。
まずは
を中心に参照して基礎を学んでいく。
今日のまとめ
- 予測誤差は予測値自身の誤差(分散)とは相違する。
- 回帰モデルは線形だけとは限らず、対数を取るなどで非線形性を表現することもできる。
3. 古典的2変数回帰モデル
3.8 予測
回帰モデルが与える予測亜h説明変数が特定の値を取るときに目的変数の値を誤差を含めて統計的に述べる条件付き予測を表す。
回帰モデル
においてで実現値がであるとき、
と書ける。ここでが古典的正規回帰モデルの仮定を満たすものとする。
これに対し
が点予測値である。
予測誤差は実現値と点予測値との差であり、
で表される。
この誤差は推定誤差および将来の攪乱項から成り立つが、後者を意図してコントロールすることは出来ないため、予測精度を上げるためには前者を改善する。
3.9 関数形
前節までは線形モデルを扱ってきたが、非線形なモデルを扱うことも可能である。
(a) |
逆数 | |
(b) |
ロジスティック | |
(c) |
対数線形- | |
(d) |
半対数線形- | |
(e) |
半対数線形- |
これらは適当に変形すれば線形モデルに帰着し得る。
3.10 残差の検討
回帰モデルによる推定結果の良否を判定するための最低限の目安が4つある:
3.10.1 符号条件
推定値が示唆する説明変数の効果が経済理論ないし仮定と整合的であるかをチェックする。たとえば消費関数において所得の増加は消費を増加させるはずだが、推定値が消費の減少を意味するような符号になっていたのであれば、要検討ということになる。
3.10.2 有意性
主に仮説検定を通じて推定値が明らかにおかしいことになっていないかを検討する。
3.10.3 説明力
決定係数を通じて、モデルの説明力を考える。絶対的な水準の目安は存在しないものの、明らかに係数値が小さいのであればモデルの再検討などが必要だと判断できる。
3.10.4 残差の検討
古典的(正規)線形モデルではいくつかの仮定を置いている。したがって、①線形性が満たされているか、②残差の分散が均一と言えるか、③残差が独立であるかを調べる。