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やりなおしの数学・微分積分篇(08/X)

以下の書籍

www.rokakuho.co.jp

を参考に、改めて微分積分を復習していく。

今日のまとめ

  • 区間[a,b]で連続な関数f有界である。
  • 区間[a,b]で連続な実関数fには最大値と最小値が必ず存在する。
  • 中間値の定理:fを閉区間[a,b]上の連続な関数とする。f(a)\neq f(b)のときf(a)f(b)の間の任意の値\muに対してf(c)=\muとなるようなc\in[a,b]が存在する。

4. 数列

 前節で実数の連続性を導入した。これを用いることで数列の収束・極限を厳密に定義することが出来る。

4.7 連続関数の性質


連続関数の有界 閉区間[a,b]で連続な関数f有界である。すなわちすべてのx\in[a,b]において\left|f(x)\right|\leq Mを満たすような定数M\in\mathbb{R}が存在する。

\because f有界でないと仮定する。このとき各自然数n\in\mathbb{N}ごとに


\begin{aligned}
\left|f(x_n)\right|\geq n
\end{aligned}

を満たすような点x_n\in[a,b]が存在する。
 点列\{x_n\}はそのすべてが[a,b]に属するから有界である。そこでBolzano-Weierstraussの定理*1より、収束するようなその部分列を選べるから、x_{n_k}\rightarrow x_0 (n_k\rightarrow\infty)としてよく、


\begin{aligned}
\left|f(x_{n_k})\right|\geq n_k
\end{aligned}

においてn_k\rightarrow\inftyとすれば、fが連続であることからf(x_k)\rightarrow f(x_0)となる。しかしこれはf有界でないという仮定に矛盾する。 \blacksquare

4.8 中間値の定理

 まずは実関数の最大値と最小値の存在について議論する。


最大値・最小値の存在 閉区間[a,b]で連続な実関数fには最大値と最小値が必ず存在する。

\because 前述の定理より集合A=\{f(x)|a\leq x\leq b\}有界であるから、実数の連続性公理から上限と下限が存在する。これらを


\begin{aligned}
m^{*}=\sup A=\displaystyle{\sup_{a\leq x\leq b}f(x)},\ m_{*}=\inf A=\displaystyle{\inf_{a\leq x\leq b}f(x)}
\end{aligned}

とおく。
 それぞれのn\in\mathbb{N}に対してm^{*}-\displaystyle{\frac{1}{n}}Aの上界ではないから、m^{*}-\displaystyle{\frac{1}{n}}\leq f(x_n)\leq m^{*}を満たすようなx_n\in[a,b]が存在する。このとき\{x_n\}有界列であるから、Bolzano-Weierstraussの定理より、その収束部分列\{x_{n_k}\}を構築することができる。x_{n_k}\rightarrow x^{*}(n_k\rightarrow\infty)とするとき、


\begin{aligned}
a\leq x_{n_k}\leq b,\ \ m^{*}-\displaystyle{\frac{1}{n_k}}\leq f(x_{n_k})\leq m^{*}
\end{aligned}

においてn_k\rightarrow\inftyとすれば、a\leq x^{*}\leq bかつfの連続性から、f(x^{*})=m^{*}となり、m^{*}=\displaystyle{\max_{a\leq x\leq b}f(x)}である。同様に考えることで、m_{*}=\displaystyle{\min_{a\leq x\leq b}}f(x)が成り立つ。 \blacksquare


中間値の定理fを閉区間[a,b]上の連続な関数とする。f(a)\neq f(b)のときf(a)f(b)の間の任意の値\muに対してf(c)=\muとなるようなc\in[a,b]が存在する。

\because f(a)\lt f(b)と仮定しても一般性を失わない。f(a)\lt \mu\lt f(b)に対して、集合A=\{x\in[a,b]|f(x)\lt\mu\}を定義する。このときA有界であるから\sup A=c\in[a,b]が定まる。
 上限の定義から、a\leq x_n\leq cおよびx_n\rightarrow c (n\rightarrow\infty)を満たすようにAの点からなる数列\{x_n\}を選ぶことが出来る。このときf(x_n)\lt\muであるから、fの連続性から\displaystyle{\lim_{n\rightarrow\infty}f(x_n)}=f(c)\leq\muである。
 一方で数列\{y_n\}y_n\gt cおよびy_n\rightarrow cを満たすように取ると、y_nAに含まれないから、f(y_n)\geq\muが成り立つ。ここでn\rightarrow\inftyとすれば、fの連続性よりf(c)\geq\muが成り立つ。これらからf(c)=\muが成り立つ。 \blacksquare

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