「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。データ分析・語学に力点を置いています。 →現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年1月21日改訂)。

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Pythonで学ぶアルゴリズム(11/18)

 アルゴリズムを学ぶのにPythonの学習も兼ねて

を参照していく。

6. グラフ構造

 ヒトのつながりを表現する手段であるグラフ理論に基づくグラフ構造が利用し得る。

6.4.3 深さ優先探索とスタック

 深さ優先探索は調べるべき頂点をキューではなくスタックというデータ構造に保存する。スタックは処理するべきデータを積み重ねて保持する。後から来たデータは先に入ったデータの上に積み上がり、最後にスタックへ追加された一番新しいデータが次の処理対象になる。スタックの動作は最後に入ったデータが最初に出ていくことになるため、\mathrm{LIFO}と呼ばれる。

##########################
### 深さ優先探索の実装 ###
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import random

def generate_graph(n, m):
    """ n個の頂点とm個の辺を持つグラフを作る"""
    graph_data = [[0] * n for i in range(n)]
    
    edge_set = set()
    
    while len(edge_set) < m:
        i, j = random.sample(range(n), 2)
        if i > j: i, j = j, i
        edge_set.add((i,j))
        graph_data[i][j] = graph_data[j][i] = 1
    return graph_data, edge_set

my_graph, edge_set = generate_graph(16, 20)


def depth_first_search(start, W):
    # リストをスタックとして利用する
    work_stack = []
    visited = set()
    work_stack.append(start)
    visited.add(start)
    while work_stack:
        here = work_stack.pop()
        for i, node in enumerate(W[here]):
            if node == 0: continue
            if i not in visited:
                work_stack.append(i)
                visited.add(i)
    return visited

# 10番目の頂点を始点にする
depth_first_search(10, my_graph)

6.5 最短距離を求める

 最短距離を求めるアルゴリズムを2つ紹介する。

6.5.1 グラフの最短距離

 頂点sから最短経路の探索を始めて、いまvに到着したという状態を考える。このときsからvまでの最短距離をd(v)とし、これが既知だとする。vと隣接するuへの最短距離を考えたい。
 もしd(u)\gt d(v)+1ならばd(u)=d(v)+1とする操作を考える。これを緩和という。緩和はvまでの最短距離が分かっているという条件の下でsからuまでの最短距離を確定する作業である。

     

これを基にしたアルゴリズムでは、まずすべての頂点にスタートの頂点からの仮の最短距離を割り当てる。そしてそれらを緩和によって順次本当の最短距離にしていく。

6.5.2 ダイクストラ

 辺の重みが負でない場合、ダイクストラ法という方法で最短距離を求めることができる。
 ダイクストラ法はある頂点sから到達できる他のすべての頂点への最短距離を計算する。

  (1) s以外の残りの頂点への仮の最短距離を\inftyとする。s自身への距離は0とする。
  (2) sから順番に緩和を行い、アルゴリズムがある頂点vに到達した時点で、その頂点に割り当てられていた仮の最短距離がsからvへの正式な最短距離になる。

このためにヒープ構造を扱う。ヒープは最小値が常に最小値が先頭に来るため、仮の最短距離を更新するたびにその値をヒープに入れればよい。

######################
### ダイクストラ法 ###
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import math
import heapq

def dijkstra(start, W):
    """スタートの頂点と隣接行列を受け取り、
    到達可能なすべての頂点への最短距離を返す"""
    
    # 仮の最短距離∞を設定
    distance_list = [math.inf] * len(W)
    
    # スタートの頂点だけ距離を0とする
    distance_list[start] = 0
    
    # 最短距離が確定した頂点
    done_list = []
    
    # 次に処理する頂点を決めるためのヒープ
    wait_heap = []
    
    for i,d in enumerate(distance_list):
        # (スタートからの距離, 頂点)
        heapq.heappush(wait_heap, (d, i))
    # ヒープが空になるまで続ける
    while wait_heap:
        p = heapq.heappop(wait_heap)
        i = p[1]
        if i in done_list:
            continue
        # この時点でスタートからiへの最短距離が確定する
        done_list.append(i)
        
        # iに隣接するすべての頂点に対する処理
        for j, x in enumerate(W[i]):
            if x==1 and j not in done_list:
                # 緩和を実行
                d = min(distance_list[j], distance_list[i] + x)
                distance_list[j] = d
                # jへの仮の最短距離をdとしてヒープに追加
    return distance_list

dijkstra(10, my_graph)
6.5.3 ダイクストラ法の計算量

 ダイクストラ法は、頂点数をn、辺の数をmとすれば、各頂点に到達したときヒープからデータを1つ取り出す。また各辺に関して緩和が行われる。1回のヒープ操作に\mathcal{O}(\log n)だけ掛かるため、全体として\mathcal{O}((n+m)\log n)だけ掛かる。これは、もしn\ll mならば\mathcal{O}(n\log n)であるしn\approx mならば\mathcal{O}(n^2\log n)である。

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