「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。現在、コンサルタントの雛になるべく、少しずつ勉強中です(※2024年12月10日改訂)。

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体臭とどう戦うか?(2/9)

はじめに

1. 皮膚ガスは体臭のもと

1.3. 今なぜ体臭が気になるのか

  • 衛生・清潔志向が進み、においに敏感な人が増えている。
  • なぜ体臭へ注目が集まるのか。それは、
      ①体臭が「社会的な関係性」に密接に関わっているため、
      ②大気が相対的に綺麗になり体臭が「目立つ」ようになったため、
      ③住居のあり方が変わり、生体ガスの計測が日常生活を激変させ得るため
    である。
  • 1つ目は、体臭が「社会的な関係性」に密接に関わっているためである。たとえば、浮浪者を想起するとその臭いが挙げられ、社会性の欠如の象徴として扱われることがある。
  • 2つ目は、大気が相対的に綺麗になり体臭が「目立つ」ようになったためである。ハウスシック症候群や受動喫煙などが注目され対策されていくことでヒトの周囲の空気が清浄化されたため、人の体臭が相対的に注目されるようになった。
  • 3つ目は、住居のあり方が変わり、生体ガスの計測が日常生活を激変させ得るためためである。IoTにより皮膚ガスを自動計測させて自動解析できれば、本人は無意識に日常的な健康チェックができるようになる。

1.4 皮膚ガスとは何か

  • 皮膚ガスは、体表面から放射される揮発性の有機・無機化合物の総称である。
  • 皮膚ガスは主に
     ①エネルギー気質(炭水化物、タンパク質、脂質)などの代謝生成物、
     ②腸内細菌による産生物、
     ③吸入・経口・経皮摂取された外因性化学物質、
     ④皮膚表面における生物的・科学的な反応生成物
    から構成され、その組成でも体臭が変わる。
  • 皮膚ガスを放散経路で分類すると、
     ①表面反応由来、
     ②皮膚腺由来、
     ③血液由来
    という3つの経路がある。
  • 表面反応由来とは、汗や皮脂などの皮脂膜が皮膚常在菌や過酸化物の作用により皮膚ガスに変換されることを指す。汗臭、皮脂臭、加齢臭などの原因になる。
  • 皮膚腺由来とは、皮膚ガスが汗腺や脂腺などの皮膚腺を通じて放散することを指す。発汗や皮脂の分泌に伴い増大する。
  • 血液由来とは、血中成分が揮発して皮膚表面から直接放散することを指す。エネルギー気質の代謝やその他の生体内反応の過程で生成し、血流によって運ばれる揮発性成分が放散される。
  • 皮膚ガスの種類の全容は明らかではないが、揮発性有機化合物(VOCs)で822種類存在し、アルデヒド18%、カルボン酸12%、アルカン12%などが含まれとする報告がある。、また、無機化合物として二酸化炭素アンモニア、水素、二酸化窒素などが認められている。
  • 皮膚ガスには人体に有害な成分も含まれており、皮膚には外部刺激に対する保護臓器であると同時に、内部刺激になる化学物質を常時放散する排泄物質でもある。

1.5 皮膚ガスの測り方

  • 皮膚ガスに関する研究は、構成成分がいずれもごく微量で、皮膚(固体)表面から拡散するため大量にサンプリングできないことから、歴史が浅い。
  • 皮膚ガス研究の初期には汗や皮脂の付着物を分析対象としていた。が、皮膚ガスの精密な計測方法として、アクティブ捕集法が開発された。皮膚表面に、出口・入口を有する小型容器を設置してキャリアガスを流通し、排出された皮膚ガスを機器分析装置に導入して成分濃度を測定する方法である。
  • 近年、パッシブ捕集法が開発され、皮膚ガス計測が非常に容易になった。

(続く)

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