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今日のまとめ
- 陰関数定理の一般形を証明する準備をすべく、正則な行列全体の集合を考え、縮小写像を定義します。
11. 陰関数定理と逆写像定理
11.4. ベクトル値写像
陰関数定理の一般形を扱うべく、ベクトル値写像を導入する。
11.6 陰関数定理(一般形)と逆写像定理
これから一般形の陰関数定理を示すべく、以下の記号を導入する。まず
とする。またに対して、
とおき、そのそれぞれに関する微分を
とする。このとき陰関数定理の仮定をこれらの記号を用いると、
と書ける。また求めるものはの近傍においてを満たすのグラフ表示である。
陰関数定理の一般形を示すには、に対して証明すればよい。実際、
を改めてと置き直せばよい。
陰関数定理を示すべく、
と仮定する。縮小写像の原理を用いるべく、を
で定義すれば、は級であり、仮定から、
が成り立つ。3つ目の命題から、をパラメータと見たときに写像の不動点の一意性と存在が論点になる。
以下、に対してを簡便のためにと書くものとする。