英語の書き方を学ぶべく、
を順々に読んでいく。
今回は「The Element of Style」を読んでいく。
2. 作文の基本的原則
2.10 要約では時制を統一する
- ドラマの動きを要約するときには現在時制を用いる。詩や物語、小説を要約するときにも、過去形の方がより自然に思えると過去形を用いるかもしれないが、現在時制を用いる。要約が現在時制ならば、先んじて起こった動作は現在完了形を用いるべきである。
- しかしどの時制を要約で用いたとしても、間接話法や間接疑問では過去時制はそのまま用いる。
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E.g. |
The Friar confesses that it was he who married them. |
- 上述の例外を除けば、徹頭徹尾同じ時制を用いるべきである。時制を変えると曖昧で優柔不断な印象を与える。
2.11 強勢のある語は末尾に持っていく
- 書き手が最も目立たせたいと思う語や連語の文章における適正な位置は、普通最後である。
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E.g. |
△ |
Humanity has hardly advanced in fortitude since that time, though it has advanced in many other ways. |
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〇 |
Since that time, humanity has advanced in many ways, but it has hardly advanced in fortitude. |
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E.g. |
△ |
This steel is principally used for making razors, because of its hardness. |
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〇 |
Because of its hardness, this steel is used principally for making razors. |
- 強勢するための語ないし連語は普通、論理的な述語である。すなわち文章において新要素*1である。
- 従属節が先行する複文の効果は、それが主節に与える強勢から生じる。
- もう一つ、文章において強勢を与える位置は冒頭である。主語を除く冒頭に存在する分の要素は、文頭に置かれることで強調される。文頭に置かれた名詞が強勢されるのがその位置のみによることは殆ど無い。むしろその意味自体や文脈にその大半が起因する。特別な強調を受けるのに、文の主語は述語の位置に注意しなければならない。
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E.g. |
Through the middle of the valley flowed a winding stream. |
- 最も強い強勢を与えようとするために適正な位置が文末であるという原則は、文章における語、パラグラフにおける文章、そして文全体におけるパラグラフに等しく適用することができる。
3. 文体に関するいくつかの事項
3.1 口語体(colloquialism)
- 口語や俗語を用いるのであれば、ただ普通に用いること。引用符で囲んで注意を引くようにしないこと。
- そうすることは、まるで書き手がそうした語を良く知る人々の選ばれた世界へと招待しているかのような、気取ったことになる。
3.2 感嘆符
- 通常の文章を強調しようとして、感嘆符を用いないようにすべきである。感嘆符を用いて良いのは、感嘆文および命令文のみである。
3.3 見出し
- 原稿が印刷のために提出されるときには、最初の頁の冒頭部分に充分な余白をもたせておく。編集担当者は書き手へ示す方向性を書きこむのにその余白を必要とする。
- 見出し、すなわちタイトルをページの 4 分の 1 以上下に配置する。連続するページでは、冒頭近くで始めること。ただしごみごみした見た目にならないほどの近さにする。
- 見出しやタイトルの後ろではピリオドは付けない。必要があれば、感嘆符や疑問符を付ける。
3.4 ハイフン
- 2つ以上の語を連結して複合形容詞を形成する場合、普通ハイフンが求められる。
- 一語で書くべきものはハイフンを付けない(E.g. -→)。ハイフンの有無は直感にしたがえばよいが、辞書を引く方がより信頼できる。
3.5 マージン
- 右側と左側に同じ程度の幅のマージンを確保すること。ただし例外として、多数の注釈ないし編集が予期されるときには、充分に注釈や編集を行なえるように左側のマージンを確保しておく。
3.6 数詞
- 日付やその他のシリアル番号は言葉で綴らない。数字もしくはローマ数字で適当に書き下す。
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E.g. |
August 9, 1988 |
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Part XII |
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Rule 3 |
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352d Infantry |
- 例外として、会話では日付や数字の羅列はほとんど単語として綴る。
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E.g. |
"I arrived home on August ninth." |
3.7 括弧
- 括弧内の式を含む文は、括弧内の式が存在しない場合とまったく同じように、括弧の最後のマークの外側で句読点が付けられる。マーク内の表現は、疑問符または感嘆符でない限り最後の句読点が省略されることを除いて、それ自体で独立しているかのように句読点が付けられる。
3.8 引用符
- 文書において証拠として参照された格式的な引用はコロンにより始まり、引用符で囲む。
- 文法的に同格ないし動詞の直接目的語として扱われる引用の前はコンマを置き、引用符で囲む。
- 引用が限定句の前にある場合、コンマは引用符の中に入れる*2。
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E.g. |
(米) |
"I can't attend," she said. |
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(英) |
"I can't attend", she said. |
- 詩や散文の行全体またはそれ以上の引用を活字的に本文と区別する場合、新しい行からインデントして開始する。
- 引用がから始まり間接的に言及される場合、引用符で囲わない。文学に由来する諺やおなじみのフレーズにも引用符を付けない。
3.9. 参照
- 正確な引用文献表示が求められる学術研究では、頻繁に出てくるタイトルを省略し、最後にアルファベット順のリストで全文を示す。
3.10 分節法
- 行末で単語を分割する場合、辞書を引いて分離すべき分節を調べること。
3.11 タイトル
- 文芸作品におけるタイトルには、学術においては大文字にしてイタリック体とすることが好まれる。大文字でイタリック体にするか、ローマン体で語頭のみ大文字をするか、そして更に感嘆符を付けるかは、編集者や出版者によって様々である。
- 雑誌を書いているときを除き、イタリック体を用いる。
- タイトルではその最初のやといった冠詞は除外する。