以下の書籍
を中心に時系列解析を勉強していきます。
前回
14. 線形・Gauss型状態空間モデルにおける代表的な成分モデル
状態空間モデルでは、個別の基本的なモデルを部品のように組み合わせて利用することが容易である。
14.3 ローカルトレンドモデル
ローカルトレンドモデルは線形成長モデルと呼ばれ、レベルを推定する際に線形な傾き(トレンド)が考慮される。
ローカルトレンドモデルは一般的に次数の多項式モデルである。一般的な多項式モデルは
と書ける。これを行列・ベクトルを用いて書き直すと
とおけばよい。
多項式モデルは実用上、データを生成する仕組みが明確にそれら以外に適合しない限り、ほぼローカルレベルモデル()とローカルトレンドモデル()しか用いられない。
14.4 周期モデル
周期モデルは観測値の時間パターンが明確な周期性を持つ場合に適したモデルである。この定義には、本質的には等価な①時間領域、②周波数領域のそれぞれからのアプローチが存在する。
14.4.1 時間領域からのアプローチ
周期性のあるデータは、1周期分の周期成分合計がいずれの周期でもほぼ変わらない値になると想定される。ただし揺らぎが存在するとし、更にその揺らぎが正規分布に従うと考えると、ある周期をもち周期成分がであるような周期性のあるデータでは
が成り立つ。
周期を持っているとき、第周期目の時点の値から翌時点、すなわち翌周期目の時点における値が周期目の時点で表現できることに注意すれば、
という関係で表現できる。したがって
とおけばよい。