「大人の教養・知識・気付き」を伸ばすブログ

一流の大人(ビジネスマン、政治家、リーダー…)として知っておきたい、教養・社会動向を意外なところから取り上げ学ぶことで“気付く力”を伸ばすブログです。

MENU

証券投資論(04/21)

 証券投資(現代ポートフォリオ理論)をコンパクトに学ぶべく、比較的最近に発刊され薄めの本である

を参考に学んでいく。

  • 前回:

power-of-awareness.com

3. ポートフォリオ理論

3.4. 平均=分散モデルと期待効用最大化問題

 投資家の効用関数u(\cdot)ポートフォリオのリターンr_Pの2次式で表されるものとする。投資家がリスク回避的ならば平均=分散モデルが期待効用最大化問題と整合的であることを示す。
 u^{\prime\prime}(r_P)=b\gt0である、すなわち投資家がリスク回避的であることと整合的になるように、


\begin{aligned}
u(r_P)=a r_P+\displaystyle{\frac{b}{2}{r_P}^2,\ a\gt0,\ b\lt0,\ r_P\lt-\displaystyle{\frac{a}{b}}}
\end{aligned}

と仮定する。このときr_P\lt-\displaystyle{\frac{a}{b}}の範囲でu^{\prime}(r_P)=a+br_P\gt0であるから単調増加でもある。期待効用E[u(r_P)]


\begin{aligned}
E[u(r_P)]&=aE[r_P]+\displaystyle{\frac{b}{2}E[{r_P}^2]}\\
                &=aE[r_P]+\displaystyle{\frac{b}{2}\left\{V[r_P]+(E[r_P])^2\right\}}
\end{aligned}

と書ける。これは期待効用がポートフォリオの期待リターンおよびリスクで表されることを意味する。
 またこれを期待リターンに関して微分することで


\begin{aligned}
\displaystyle{\frac{\partial E[u(r_P)]}{\partial E[r_P]}}=&a+bE[r_P]\gt0,\\
\displaystyle{\frac{\partial E[u(r_P)]}{\partial \sigma[r_P]}}=&b\sigma[r_P]\lt0
\end{aligned}

が得られる。これは期待リターンの増加が期待効用を向上させ、リスクの増大は期待効用を減らすことを意味する。

3.5. 平均=分散モデルと正規分布の仮定

 次にポートフォリオのリターンr_P正規分布に従うと仮定する。さらにE[r_P]=\mu,\ V[r_P]=\sigma^2とおけば、


\begin{aligned}
f(r)=\displaystyle{\frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}}\exp\left\{-\frac{(r-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}}
\end{aligned}

である。したがって期待値の定義から期待効用は、z=\displaystyle{\frac{r-\mu}{\sigma}}とおけば


\begin{aligned}
E[u(r_P)]=&\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u(r)f(r)dr}\\
                =&\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u(\sigma z+\mu)\phi(z)dz}\\
\end{aligned}

である(ここで\phi(z)は標準正規分布確率密度関数である。)。これを期待リターン\mu微分すると


\begin{aligned}
\displaystyle{\frac{\partial E[u(r_P)]}{\partial \mu}}&=\displaystyle{\frac{\partial}{\partial \mu}}\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u(r)f(r)dr}\\
&=\displaystyle{\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\partial u(\sigma z+\mu)\phi(z)}{\partial \mu}}dz}\\
&=\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u^{\prime}(\sigma z+\mu)\phi(z) dz}\gt0
\end{aligned}

を得る。u(\cdot)は増加関数であるからu^{\prime}(\cdot)\gt0であり、期待効用は期待リターン\muの増加関数である。
 またリスク\sigmaに関して微分すれば\phi^{\prime}(z)=-z\cdot \phi(z)を用いることで


\begin{aligned}
\displaystyle{\frac{\partial E[u(r_P)]}{\partial \sigma}}&=\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u^{\prime}(\sigma z+\mu)\cdot z \phi(z)dz}\\
&=\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u^{\prime}(\sigma z+\mu)\cdot (-z \phi(z))dz}\\
&=\sigma\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty}u^{\prime\prime}(\sigma z+\mu)\phi(z)dz}\gt0
\end{aligned}

を得る。
 投資家がリスク回避的であればu^{\prime\prime}(\cdot)\lt0であるから、リスクに対して期待効用は減少関数である。したがって投資家がリスク回避的で、ポートフォリオのリターンが正規分布に従うならば平均=分散モデルと期待効用最大化問題とは整合的である。

  • 次回:

power-of-awareness.com

プライバシーポリシー お問い合わせ